ボスコフスキーのウィンナ・ワルツがSACDに

ESOTERICがボスコフスキーのウィンナ・ワルツを発売

オーディオメーカーのエソテリックは,英デッカ,ドイツ・グラモフォン,EMIなどのの音源を、同社の機材によるリマスタリングを施してSACDハイブリッド盤で販売している。 
ネコパパは、これまでに何点か購入して、腰のあるピラミッドバランスの音作りや、作りこまれたジャケットデザインを楽しんでいるのだが、ここ最近の新譜には今ひとつ魅力を感じなくて、ご無沙汰になっていた。

以前、同社がソニー音源のワルターのSACDを企画し、マスターも完成しているとの情報を得ていたので期待しているのだが、それも未だ発売の気配なし。

ところが2015年9月15日発売の2点のうち一点に、ボスコフスキーのシュトラウス・アルバムが含まれていることを知り、さっそく発注した。

これまでESOTERICはオリジナルアルバムを基本に発売してきたのだが、これは珍しく編集盤である。
ボスコフスキーとウィーンフィルが、25年間にわたって録音を重ねた『シュトラウス一家とその周辺』のシリーズから、12曲を独自に選曲している。
録音時期も1957年から1976年まで、と幅があるが、すべてがソフィエンザールで周到に録音されたもので、違和感はないだろう。

特徴と言えるのは、「美しく青きドナウ」を、男声合唱つきの初版と、オーケストラだけによる改訂版の二種類を収録していること。
もっとも歌詞は、初演のものではなく、のちに作られた慣用版のものを使っているのだが、両者をともに聴き比べられる盤というのは、ありそうでなかった。

ボスコフスキーのシュトラウス演奏は、即物的でちょっと荒っぽく、
反復もかなり省略して、勢いで進めてしまうところがあり、スケール感や陶酔を求める人にはちょっと不評なのだが、
「舞踏感覚」に溢れ、音楽自体が踊っているような魅力はかけがえのないもの。
ここに収められた曲では「南国のばら」「ウィーン気質」「わが人生は愛と喜び」 がとびきりの名演奏だ。
一方「ウィーンの森の物語」は、せっかくアントン・カラスを起用しているのに、チター・ソロが全部演奏されず、途中からヴァイオリンの二重奏に変わっているのが物足りない。

個人的にはヨーゼフ・シュトラウスの曲だけを集めた1978年のオリジナル・アルバムを復刻してほしかった。それはぜひ次の機会に…



ヨハン・シュトラウス2世
ワルツ「美しき青きドナウ」(合唱付き版) <1973.12> (A)
アンネン・ポルカ <1971.4.20-22>
ワルツ「南国のばら」 <1962.11>
常動曲 <1973.12>
ワルツ「ウィーン気質」 <1957.12>
ヨハン・シュトラウス2世&ヨーゼフ・シュトラウス
ピツィカート・ポルカ <1959.9>
ヨハン・シュトラウス2世
ワルツ「春の声」 <1959.9>
皇帝円舞曲 <1961.4.24-27>
ワルツ「ウィーンの森の物語」 <1962.11> (B)
ヨーゼフ・シュトラウス
ワルツ「わが人生は愛と喜び」 <1976.6>
ヨハン・シュトラウス1世
ラデツキー行進曲 <1962.11>
ヨハン・シュトラウス2世
ワルツ「美しき青きドナウ」 <1959.9>

ウィリー・ボスコフスキー指揮,ウィーンフィル,
ウィーン国立歌劇場合唱団(A),
アントン・カラス(ツィター:B)
ESOTERIC ESSD-90129 (SACD Hybrid)
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コメント

コメント(6)
No title
こんばんは。
ボスコフスキーのウィンナ・ワルツはよく聴きます。
クレメンスクラウスのモノラル盤より、ステレオというアドバンテージ(?)もありますし。
手前勝手にウィーンの雰囲気を楽しませて頂くのに重宝してます。
LPしか持ってませんが、CDだと流石に曲数が多いですね。
ちなみに、チター・ソロはクナ盤で楽しむことに拘ってます。

tan*oi*y*n

2015/09/17 URL 編集返信

No title
tanさん、ボスコフスキーのデッカ録音は世界遺産と言うべきものです。25年間もニューイヤーコンサートを指揮し、ほぼ毎年一枚のペースで時間をかけたセッション録音を行ったことは、前人未到で、今後も二度と実現はできないでしょう。
「ウィーンの森の物語」はぜひチター・ソロのある演奏で聴きたいものですが、クナ盤のカール・ヤンツィークのソロは確かに見事ですね。彼はケンペ/ドレスデン盤でもソロを取っていますし、クナと同じころに録音されたカラヤン盤のソロも、クレジットされてはいませんが多分彼だと思います。音色も気品がありますし、なんといっても和音をアルペッジョ気味に崩して弾くところが、たまりません!

yositaka

2015/09/17 URL 編集返信

No title
私のプレーヤがボロなのでしょうか、SACDで聞いてみても、わずかに音質は向上するものの、あの価格差ほどのメリットが感じられません…

例のVPOのBOXでウィンナ・ワルツ、ポルカが連続しますので、間を置きつつ聞いております。
嫌いではないのですが、延々と聞いていると私は飽きてくるところがあって、とことん好きというのではなさそうです。

全体としていい装置で、優秀なデッカ録音を高品質SACDで聞けばLP並み、場合によってはそれ以上の音で聞くことができるのでしょうね。
本当にいい録音だと、オーケストラの息遣いまで聞こえてきますものねぇ。

gustav_xxx_2003

2015/09/17 URL 編集返信

No title
グスタフさん、我が家のプレーヤーもDENONの一般的機種ですが、ものによっては音質向上が目立つ盤もあります。例えば最近タワーから発売されたクリュイタンスのベートーヴェン。今回のボスコフスキーも、これと同じく、杉本一家氏のマスタリングですので、つい期待してしまうのです。
個人的にはCDとSACDの差よりも、録音状態そのものの差の方が大きいと思います。それでも、ちょっと思い入れのある盤は、より良い音で聞きたいという気持ちも強いですね。

ウィンナ・ワルツは、私も一枚分延々と聞くよりも、気の向くままにを数曲取り出して聞くことがほとんどです。
短い時間でも「1曲聞いた」満足感は大きいのです。

yositaka

2015/09/17 URL 編集返信

No title
昨夜到着しました。
早速聞いてみると、各楽器の色艶がとても生々しく、従来盤に比べるとオーケストラに接近して聞くような印象があります。
鮮明になった分、長い年月に渡る録音状態の違いもよくわかるものになっています。新しいものほど良いわけではないところが面白くもあります。そうなると、編集盤であることが、ますます残念に思えてしまいますね。
ただ、このような音がより「望ましいのか」ということになると、意見は分かれるかもしれません。この情報量の多い音には、たしか心は騒ぎますが、
録音媒体としての一定の距離感を持った従来盤のほうが、心安らかに愉しめる、という人もいるかもしれない…という気がするのです。

yositaka

2015/09/21 URL 編集返信

No title
9月26日、国際フォーラムで開催された、東京インターナショナルオーディオショウを覗きました。エソテリックのブースではデモ音源としてこのSACDを使用。超満員の中、同社のハイエンド機器がタンノイの旗艦スピーカー、キングダムロイヤルを鳴らします。ところが、思ったほどの音のせり出しや質感はあまり感じられず、やや平板な「美しく青きドナウ」に聞こえてしまいました。原因はセッティングか、満員状態の吸音か、それとも部屋自体か。その前にかかっていたダイアナ・クラールやトニー・ベネットではまさしくハイエンドの音に聞こえていたのでしたが…クラシック音楽の再生とは難しいものですね。

yositaka

2015/09/30 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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