若さと火花と陽光に満ちた音楽

土砂降りの雨の中、アヤママとコンサートに行ってきました。
実はこのオーケストラ、昨年も二人で聴いています。そのときのアヤママの反応はいまいちで、今回はあまり乗り気ではなかった。でもなんやかで、結局出かけることになりました。夕食は地下街のココイチで軽く済ませて、しらかわホールに向かいます。


 
愛知工業大学管弦楽団 第18回定期演奏会
指揮 中村暢宏  【独奏】角 憲明 (vn)
 
<プログラム>
メンデルスゾーン:
ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
交響曲 第4番 イ長調 「イタリア」 Op.90
ビゼー:
「アルルの女」 第2組曲
○アンコール曲
ビゼー:「アルルの女」 第1組曲より『カリヨン』
 
ヴァイオリン協奏曲のソリストは、チラシにもプログラムに大書されていなかったのですが、当団のコンサートマスター、3年生の角 憲明君でした。
しかも1曲目、いきなりの登場。さぞ緊張したと思いますが、やや細身ながら伸びやかなソロを聞かせてくれました。
1楽章、冒頭は緊張気味でしたが、すぐ自分のペースに。音が高く上昇するところでもフレーズが余裕で膨らむのを聴いて、これは立派と思いました。第2、第3楽章にいくにつれて、しり上がりに調子を上げていきます。オーケストラは遠慮なく音を出してきますが、ソロは埋没しません。音が細かく回る部分で若干細くなったり、フレーズの頭にもうちょっとアクセントがあるといいな、という気はしましたが、見事です。久々にこの曲を楽しむことができました。

休憩を挟んで『イタリア

1楽章から快調です。主題を導く第一ヴァイオリンの音が大きい。管楽器のキレがある。
ホルンとトランペットの金管も強く鳴らして、全体の響きは荒々しく、晴朗な交響曲というこの曲のイメージは大きく覆されます。この音はオーケストラの技量のせいと言うより、指揮者がそれを求めている感じです。
2楽章は、一転して旋律を存分に歌わせる。テンポの速くなる第3楽章でも、第1主題の思い切りクレシェンドをかけた歌わせ方が耳をなでるような心地よさ。トリオでのホルンは、冒頭の歯切れよさと、ロングトーンの思い切ったクレシェンドの対比が鮮やかに決まります。
とりわけ、フィナーレは興奮させられました。音楽は弦の細かな刻みに木管が彩りを加えながら、火花を散らすように展開していきます。その音の動きの俊敏さ。楽員全員が、指揮者の一挙一動に全身で反応して、会場が振動するような躍動感。
「元気なだけで、ちょっと物足りない」
という、この曲に対する私の貧困なイメージを覆す演奏でした。

中村暢宏4楽章を間を置かずに一気に演奏。
25分間の「高揚していく音楽」として構成していました。

小休止の後、楽員を増員しての『アルルの女第2組曲が、華麗で聞き応え十分の演奏に仕上がったのは言うまでもありません。
弦楽器群の切れのある演奏ぶりはもちろん、大活躍の木管、トロンボーン4本の加わつた金管、芯のあるハープ、皆音量を惜しまず、陽光に満ちた田園風景が会場に
広がっていきます。
中でも「間奏曲」や「メヌエット」で活躍する、アルトサックスの音色のつややかさと音の太さには参りました。
 
終わりには、すっかりおなじみになった中村氏のスピーチです。
今回の演目は、二人の夭折の作曲家を聞くというもの。
ビゼーの曲には特に思い入れがあるようで、
「せめて50歳まで生きられたら、きっと『渋み』を増した名曲を世に残してくれたでしょうに…」と述懐された上で、
「第2組曲はギローの編曲でしたが、これこそビゼーのオリジナルです」と前置きして、アンコール曲「カリヨン」が演奏されました。

 
気が乗らない様子だったアヤママの表情がよくなって、
「なんかこのリズム感、マッサージされているようで、とっても気持ちが良かったわ」との感想でした。


 
昨年も書いたのですが、ネコパパとアヤママは誕生日が近接しています。
6日の日曜日は、アヤママの誕生日でした。
この週末は、新栄のルーマニア料理店「サルマーレ」で郷土料理のロールキャベツを賞味したり、白川公園に6000人が結集した「弁護士会呼びかけ」の安全保障法案反対パレードに参加したり、いろいろと動きましたが、
最後は音楽マッサージですっきり…と相成りました。

こんなことで、二人とも「順調に」年を重ねていくわけですね…
 
 
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コメント

コメント(4)
No title
普段、録音で世界最高水準の演奏を聞いておりますと、技術的にはアマチュア・オーケストラの演奏は聞くのが厳しい場面も多々ありますけれども、プロとは次元の違う楽しさもありますね。
懸命に演奏する姿を見ておりますと、こちらの気分も高揚してしまいます。

愚妻の誕生日が今月の頭でしたので、初めてのお店に食事に出かけたりしておりました。
お買い物で新宿に出かけると、ちょうど安全保障法案反対のデモに遭遇し、夫婦で飛び入り参加してきました。
年齢層が幅広く、小さなお子さんを連れたご夫婦をはじめ、若い方々が多かったのが印象的です。

gustav_xxx_2003

2015/09/08 URL 編集返信

No title
グスタフさん、おはようございます。
楽器をやらないせいもあり、もともと技術があまり気にならないということもありますが、意欲的な「表現」が伝わってくるのであれば、「夢中」にもなれるようです。
帰宅後、かつて感心して聞いたシノーポリ指揮フィルハーモニアの「イタリア交響曲」の音盤を聞いてみたのですが、表現内容は当記事の演奏のほうが細部まで血が通い、シノーポリ盤は「単に音を出している」部分が多い上にテンポも間延びして聞こえてしまいました。当夜もらったウィーン・フィルの公演チラシを見ながら、「いくらウィーン・フィルでも、この指揮者なら高すぎるよ。中村さんが振るなら4万だって喜んでいくけれどね…」「でもそれはネコパパの主観でしょ」などと会話していました。
デモはなかなか盛り上がりました。沿道の人々も、とても好意的に感じました。見ず知らずの人々と笑顔が交わせるひとときに、一筋の希望も感じました。

yositaka

2015/09/08 URL 編集返信

No title
こんにちは。今日は授業があり、仕事でした。。。
最近はアマチュアのオーケストラは聴いていませんが、確かにヴァイオリンの音にしろ、管楽器の音にしろ技術的なところは、仕方ないとして、一生懸命に演奏し、何か伝わってくるものがあり感動します。
合唱経験者ですが、アマチュアのオケとモーツアルトのレクイエム、ベートーヴェンの「合唱」などを何回か共演した経験があります。アマチュアとはいえ、ピアノの伴奏でモツレクよりオケがいいです。

HIROちゃん

2015/09/08 URL 編集返信

No title
HIROちゃんさん、合唱団の一員として演奏に加わるのは最高の気分でしょうねえ。
特にオーケストラとの共演となると…
団席では、客席とはずいぶん違う聞こえ方をするのではないでしょうか。

yositaka

2015/09/08 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

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