きのう、京響でした。

7月30日。
愛知県芸術劇場で行われた、広上淳一指揮の京都市交響楽団のコンサートを聴く。
当日券は何とか入手できたが、たいへんな盛況だ。
ネコパパの好きな右側2階席は埋まっていて、3階右側前方、中央よりの席。
オーケストラは一望できるが、音の鮮度はやはり2階席がいいな。
え、これでS席?
 


当夜のプログラム。

ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488 清水 和音(ピアノ
ベルリオーズ:幻想交響曲op.14
 
1曲目のラヴェルは魅力的だった。すんなりと開始されるが、第1ヴァイオリンのロングトーンに乗ってハープが鳴らすアルペッジョがくっきり鮮明なのが、もうたまらなく良い。
音楽に動きが出てくると、広上の細かい棒にオーケストラが良く反応し、エッジの聞いた、生き生きとしたフレーズが繰り出される。
「一つ一つの音が意味を持って聞こえる」ことが、この指揮者を聞く醍醐味だ。コンサートの始めの曲を「小手調べにしない」姿勢に好感を持つ。
 
次はオーケストラの人数を減らしてモーツァルト
弦は8.8.6.6.4、ホルンとファゴットが各2、フルート、オーボエ、クラリネットが各1
曲は、488だ!

この協奏曲の聴きどころは、落ち着き・寂しさ・華麗さの絶妙な曲想。楽器で言えば、1名ずつの管楽器とピアノ・ソロの掛け合い。そこをポイントに聴く。
広上の指揮は、ピリオドスタイルをとらない伝統奏法。やっぱりこれでなきゃ。そして、序奏部から、生き生きと弾んだフレーズが湧き出てきて、とても快調。

清水和音のピアノは、第1楽章のカデンツァ、第2楽章のソロだけで進む中間部の孤独感、第3楽章冒頭、明るく強いタッチに転ずる場面の音色の変化に耳を惹かれたが、
どうも物足りない。
ペダルを多用しているのか、音のエッジが立たず、レガートに繋がる音使いが基本で、なんとなく弾き飛ばしている気がする。
モーツァルト特有の、細かな音がレースのように連なっていく部分も、一つ一つの音に色彩が欲しい。フレーズの作りもディミヌエンド一本ではなく、ときには強弱、時には切れのあるクレシェンド…ど変化をつけて、湧き上がる感興を表現してほしい。
管楽器の合いの手にも、もっと絡んで対話してよっ、と、次々に無い物ねだりの気持ちが起きてきて、音楽に浸れない。

ネコパパ、ちょっと辛口?
でも今回は、この曲が一番目当てで来たのだから、ご勘弁を。
それと広上さん…弦は後二人ずつでも増員して、厚みと力感を持たせてもらうことは出来ませんかねえ。これがオーディオなら、ちょいとヴォリュームを上げればいいのだけれど。
 
後半は、幻想交響曲
これはもう、広上淳一の独壇場。

第1楽章の優美な出だしから、一部のすきもない。指揮者の弾むような指揮ぶりに反応して、全身で音楽を奏でていく楽員たち。
この曲で一番好きなのは第2楽章。ワルツのリズムが弾んでいる。中間から終わりにかけての部分で、盛り上がるべき場面を敢えて弱めに奏して哀しみの情感を引き出す。やりますね。
けれど第3楽章は、ネコパパ、だらだらと長い曲想がキライで、終わりまでガマンが利かない。ここに差し掛かると、ひたすら「はやく終わって」と願うばかり。
音盤はもちろん、ライヴでもやはり同じ。演奏は、後に行くほどすごい気迫に満ちてくるというのに、そんな気分で聴いてるなんて、なんと勿体無いこと!

でも、ここさえ終わってしまえば…
第4、第5楽章のノリノリの壮絶さは、とても筆が追いつかない。詳述する気も起こらない。そんな曲でもない。
ティンパ二2対、大太鼓2台の鳴らす地響き、雄叫び…
ご想像に任せたい。

一番の聴き所、第5楽章の「鐘の音」は、どうやらステージ外から叩かせていた様子。甲高い音色で、すごい大音響で鳴らしていた。「低い音で不気味さを出す」やりかたを好みそうな人もいそうだけど、
ネコパパはこの「カアーン」が好き。
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コメント

コメント(2)
No title
十代のころはもっぱら大阪poを聞いていて、ごくまれに京響を聞いておりましたが、60年代の頃は大阪よりも京都の方が演奏技術は高かったように感じておりました。
今はどうなんでしょう。

清水和音さんは、若い頃には随分期待が大きかったピアニストでありましたのに、1年ほど前にリストの1番の協奏曲を聞いたときも、モーツァルトの印象をお書きのと同じようにペダルの多用でぼやけた音になってがっかりしました。
そういう演奏スタイルになってしまったのでしょうね。

ラヴェルとベルリオーズはいい演奏であったみたいですね。
なんとなくですが両曲とも広上さんに似合いそうで、特にオーケストラを鳴らすのがうまい方ですから、ベルリオーズはきっとすごい迫力ではなかったかと想像してしまいます。

gustav_xxx_2003

2015/07/31 URL 編集返信

No title
私も年一度の朝比奈/大フィルの名古屋公演をずっと聴いてきましたが、朝比奈氏没後は名古屋公演も定期的には開かれなくなりました。以後しばらくは小林研一郎に注目していましたが、最近は(アマオケは別として)広上淳一が「気になる指揮者」です。演奏技術の判断まではなかなかできませんが、両オケとも、指揮者の望む音をしっかり実現できる、安定感のある技量を持っていると思っています。
清水和音には、結構期待したのですがねえ。グスタフさんも同じように感じられたとすると、やはり意識的に「そういうスタイル」を取っているのでしょうか。

yositaka

2015/08/01 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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