クリュイタンスのベートーヴェンがリニューアル!

レコード店の片棒担ぎ出ではないけれど、ちょっとニュース。

ベルギーの指揮者アンドレ・クリュイタンスは、
ラヴェルの管弦楽曲全集など、近代フランス音楽の録音を数多く世に出した人です。日本でも人気の高かった人でした。
ドイツ物も得意でした。ベルリン・フィルとベートーヴェンの交響曲全集を録音。これは同オーケストラが一人の指揮者と録音した最初の全集です。
中でも「田園」は高く評価されていて、ネコパパもいずれ「田園交響曲の部屋」の一記事にできたら…と思っていました。

この全集、日本では特に評価が高く、廉価盤ではありましたが、この40数年間、LPからCDへ、メディアは変わっても途切れず販売されていた記憶があります。
ところが…
近年音盤愛好家の皆さんと知り合い、海外盤LPの情報が目に入るようになると、
この録音、とりわけフランス・パテの初期盤が、信じられないような高価格で取引されているのに気付きました。
二枚組の「第9」など、6桁の大台に上ることもあるようです。
わが国では、中古国内盤が100円か、それ以下で転がっていることも少なくない盤なのに。どういうことなんだろう。

一つの理由として、希少価値。仏盤はプレス数がよほど少なかった…ということが考えられます。某書で読んだ「クリュイタンスを高く評価しているのは日本人だけだ」という記述を思い出しました。
もう一つ考えられる理由は、音。
ネコパパは、クリュイタンスの演奏は昔から好き。ですが、ベルリン・グリューネヴァルト教会で録音されたというこの全集は、ちょっと響きが入りすぎて細部が聞き取りにくい印象がありました。
多くの人に愛されている盤ですが、個人的にはちょっとひっかかっていたのです。

それが、今回はマスターテープからの新復刻がなされるとのこと。
タワーレコード経由のワーナー・クラシックスでの発売。マスタリングエンジニアは、XRCDやエソテリックのSACDのマスタリングを手がけている杉本一家氏です。


■ベートーヴェン:交響曲全集
演奏:グレ・ブラウエンステイン(ソプラノ)、ケルスティン・メイエル(コントラルト)、ニコライ・ゲッダ(テノール)、フレデリック・ガスリー(バス)、聖ヘドヴィヒ教会合唱団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンドレ・クリュイタンス(指揮)
品番:TDSA-1/5
仕様:Super Audio CDハイブリッド
価格:10,000円(税抜)


■ベートーヴェン:序曲集
演奏:ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンドレ・クリュイタンス(指揮)
品番:TDSA-6
仕様:Super Audio CDハイブリッド
価格:2,500円(税抜)


■シューベルト:交響曲第8番「未完成」、リスト:交響詩「前奏曲」、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番
演奏:ガブリエル・タッキーノ(ピアノ)(3)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、アンドレ・クリュイタンス(指揮)
品番:TDSA-7
仕様:Super Audio CDハイブリッド
価格:2,500円(税抜)

タワーレコードによると、クラシックファンには人気のある音源にも関わらず、再発売の機会が少なく、現在は廃盤という状況であるため、初SACD化し発売することにしたそうです。
発売案内には
「イギリス本国にあるマスター・テープから96kHz/24bitにデジタル化し、SACD層用とCD層用のそれぞれ別個にマスタリングを実施した」とあります。
オリジナル・ジャケット・デザインの使用も、購買意欲をそそりますね。これで音がうんと良くなっていれば…と、つい期待してしまいます。

ちょっと気になるのは…マスター・テープの所在が「イギリス本国」という部分。
これを制作したのは、同じEMI系列ながら、フランスのパテ・マルコニー社で、そうなるとオリジナル・マスターの所在は「フランス本国」になってもいいはずですが…

いずれにせよ、ネコパパ基準では高いのですが、発注しました。到着が楽しみです。




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コメント

コメント(11)
No title
実は、このところクリュイタンスのベートーヴェン交響曲全集をCDリッピングしたものをよく聴いております。普通のCDですが、PCオーディオですと余裕綽々の瑞々しい音がします。このリマスタリング、とても気になりますね。

Kapell

2015/06/04 URL 編集返信

No title
最近は「聴く方法」も多様になってきて、楽しくもあり、煩わしくもあり…です。私のところもPCからオーディオに繋ぎ、それなりの音で楽しんでいますが、データで音を出すのは手軽な反面、「ちょい聴き」が増え、作品への敬意を損ねるのではないか、と危惧もしております。
今回のような企画は「モノ」としての価値の復権を狙う意図も感じます。なかなか痛いところを突いてくるものです。
でも相手にする年齢層はきっと高く、長く続けられる売り方とも思えません。

yositaka

2015/06/04 URL 編集返信

No title
かつて一部国内盤で出ていたのを聴いてみましたが、風呂場で音楽が鳴っているみたいで、あまりいい感触はしませんでした。今度ハイブリットSACDになってみて、期待しているところです。序曲集も出ていて、「レオノーレ」序曲第3番だけはSACDのDSD音源で聴いてみたらいい感じでした。

SL-Mania

2015/06/04 URL 編集返信

No title
SL-Maniaさん、そう、それです。
EMIのベルリン・フィル録音は、なぜかその「風呂場トーン」が多いのです。クリュイタンスはこの少し前にモノラル盤の「田園」を録音していて同じ会場なのですが、音はだいぶ違っていてデッドです。今回の興味はそれがどれだけ聞きやすくなっているか、という点にあります。

yositaka

2015/06/04 URL 編集返信

No title
少し前にフランス盤CDで聞いて音質の悪さに閉口したことばかり印象に残っていて、肝心の音楽が記憶に強く残っていません。
輸入盤の低価格化に対抗するためSACD化して価格を引き上げたいのでしょうが、どうせならDVDオーディオにしてくれると相当枚数のCDが一枚になって収容スペースが助かるんですがね。

gustav_xxx_2003

2015/06/04 URL 編集返信

No title
グスタフさん、SACDもシングルレイヤーなら一枚に300分くらい収録可能です。こう考えると、巷で出ている4000円超えの高価なシングルレイヤ―盤は、問題のある製品と言えますね。
「フランス盤CDの音質の悪さ」は未確認ですが、フランス盤LPは愛好家筋では音の良いものと看做されているようです。
高価なものなので聴き比べるのは困難ですが。

yositaka

2015/06/04 URL 編集返信

No title
この音源はLP、CDとももっています。鑑賞に耐えないほど、音が悪いわけではありません。ハイブリットSACDまで買い直すつもりはありません。この全集は好きな演奏です。特に4番、6番、8番が好きで、その中でも8番がもっとも好きです。

HIROちゃん

2015/06/04 URL 編集返信

No title
HIROちゃんさん、この全集の音、これまでの私の印象では、悪いとまでは言えませんが、長い残響を取り入れているところは賛否が分かれるでしょう。再生装置によって印象が変わりやすいタイプの音とも感じられます。私のところは一般的な「家電オーディオ」なので、よさを出しきれていないのかもしれません。

yositaka

2015/06/04 URL 編集返信

No title
SL-Maniaさんが「序曲集」の記事を書かれたので、コメントを書きました。以下はその転載です。
>昨夜到着しました。まずこの序曲集だけ拝聴。残響感や音の全体像は従来盤と変わらず、木管が少し遠めなのも同じです。違いは音の輪郭がよりくっきりとして、弦楽器の音に太い芯が感じられることです。試しに昔の国内盤LPを聴いてみましたら、SACDに比べて中低域が軟弱でサラサラした音に感じられました。
この「芯の太さ」は、杉本マスタリングに特有のもので、もしかしたら彼の観点でチューニングされたのかもしれません。結果としては、演奏の特徴が際立って聞き取れる、立派な音になっていると思います。この大胆な音作りを、ひょっとしたら嫌う人もいるかもしれませんが。
従来盤CDとはまだ比較していません。

yositaka

2015/06/05 URL 編集返信

No title
今回のハイブリットSACDは購入しませんでしたが、タワー・レコでネヴィル・マリナーの全集を購入しました。近いうちにブログにアップします。

HIROちゃん

2015/06/05 URL 編集返信

No title
HIROちゃんさん、マリナーの全集はたいへん貴重な発売ですね。そんなのがあったことも忘れている人も多いと思います。「田園」だけは所蔵していますが、なかなか見事な演奏だと思います。タワー・レコの担当者は目の付け所がすごいですね。

yositaka

2015/06/05 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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