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子どもの本とクラシック音楽についての、ネコパパのつぶやきです
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「いない いない ばあ」を、ありがとう
2015
/
03
/
24
児童文学の部屋
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今回は、ネコパパの妻のアヤママが、長年寄稿しているミニコミのために書いた原稿を紹介します。「児童文学者九条の会」を立ち上げた作家、編集者への思いを綴った一文です
。
「いない いない ばあ」を、ありがとう
アヤママ
「子どもの本・九条の会」があるのをご存じでしょうか?言うまでもなく、大江健三郎さんたちが始めた「九条の会」に連なる会で、子どもの本にかかわる作家さんや編集者さんや出版社の社長さんたちが、2008年に作った「九条の会」なのです。
この会の代表メンバーの一人で、誰もが知っている児童文学作家の、松谷みよ子さんが2月28日に89歳で亡くなりました。
「いない いない ばあ」の絵本が1967年に創刊されたけど、今ではすべての赤ちゃんが、どこかでこの本に出会っているのではないかしら。
松谷さんがいなくなって、この会がどうなってしまうか心配になって、調べてみました。すると、私が名前を知っている方々は、すでに亡くなっていて、愕然としています。
絵本「おしいれのぼうけん」の作者・吉田足日さん
(
2014年6月没・86歳
)
、理論社の社長だった小宮山量平さん(2012年4月没・95歳)、1978年に早稲田大学退職後に12万冊を大阪府に寄贈して府立国際児童文学館をつくった鳥越信さん
(2013
年2月没・84歳
)
。ちなみにこの文学館は、橋下知事が経費節減のために2009年に閉館を言い出して、鳥越さんは知事に異議申し立てをしたけれど、蔵書は中央図書館へ移されて閉館になってしまいました。
他にも何人かメンバーはいますが、私が名前を知っている人で生きている方は、「くまの子ウーフ」を書いた神沢利子さん(90歳)と、福音館書店・初代編集長の松井直さん(88歳)だけ・・・。もう風前の灯です。(豊田市駅前にあったアピタ子ども図書館で、神沢さんの講演会を聴いたこともありました。) それにしても「九条の会」設立時に皆さんは、かなりお年だったのに、やむにやまれぬ思いがあったのだろうと、今更ながら思います。
戦後70年の今年、あの戦争を体験している人たちが、どんどん亡くなっていくのを、安倍首相は、ほくほくして見ているのではないでしょうか?そしてもっと気になるのは、戦争体験が語り継がれていないために、戦争へといざなう政治家に、反対をしっかり表明できない人たちが、大勢いるのではないかということです。
閣議決定だけでなく、それをもっと広げて、しかも恒久法まで制定して自衛隊を外へ出そうとしていること、3月20日の参議院予算委員会で安倍首相は「我が軍」と、自衛隊のことを発言しています。許し難い発言です。「憲法九条があるから自衛隊を出せない」と歴代の総理が言ってきたことが、どれほど海外で支援に携わる民間の日本人やPKO活動をする自衛隊を守ってきたか、そして何よりも現地の人たちが安心して受け入れてくれていたことを、もっともっと国民に知らしめる必要があると思います。
「いない いない ばあ」の出版から約50年の間だけが、「奇跡の平和の時代だった」ということにならないように、私たちが踏ん張らなければならないと思います。
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No title
「いない いない ばあ」は、子供たちが一番のお気に入りの本でありました。
随分大きくなっても上の子の本棚には並んで大事にしていたように思います。
もし孫に恵まれることがあれば、また買ってやろうと勝手に頭の中で考えておりましたが、昨今の状況を見ておりますと、もう子供は作らない方がいいよと、もう少しで言いそうになっています。
憲法改正を党是とする自民党政権は、自らの草案で「国防軍」を明記することを標榜しており、「わが軍」発言は、その脈絡の中から必然的に出てきたものと理解しています。
私たちの親、祖父母の世代が、あの日、あのときに明確な意思表示をしなかったがために多くの若者、民間人まで悲惨な戦争に引きずり込まれました。
恫喝に屈したメディアが沈黙しているいま、私たちが、ひょっとしたら歴史上のターニング・ポイントに立っているかもしれないこの時期に、明確に軍国化の道に対して明確に拒否の意思表示をしなくてはならないと私は考えています。
gustav_xxx_2003
2015/03/25
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No title
グスタフさん、「ばあ」は孫も愛読しています。大人が読んでも感動できます。人間の心の奥底に触れる作品です。
「わが軍」発言も問題ですが、委員会の席上、列席議員がそれに即座に反応し、問題にできなかった様子なのが情けないですし、これに対するメディアの注目度も弱すぎる気がします。人々の「聞く力」の劣化していることの怖さを感じます。
yositaka
2015/03/26
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