大府楽友協会管弦楽団をきく

またまた聴いてきました。そろそろアヤママの視線も険しくなってきたかな。
今回は昼下がりのコンサート。
時間に余裕があったので、出かける前も、出かけた後も、ネコパパ宅でsige君とレコード聴きに興じました。そろそろアヤママの視線も…


大府市楽友協会管弦楽団

第37回定期演奏会
~未来へつなげ!音楽のタイムカプセル~

指揮 津 清仁

プログラム

エルガー/「威風堂々」第1番(ジュニア合同※)
シベリウス/フィンランディア(ジュニア合同※)
リスト/ピアノ協奏曲第1番(独奏:沢田 蒼梧)
ムソルグスキー(ラヴェル編)/組曲「展覧会の絵」
<アンコール曲>
ビゼー/カルメン 第1幕前奏曲(ジュニア合同※)



ジュニア合同ということで、3曲には地元在住の4歳から高校生までの演奏者が23名も加わりました。
ステージも、客席も満員です。こういうコンサートのあり方も、音楽普及に役立つ試みですね。
演奏の合間には、ジュニアメンバーへのインタビューがありましたが、楽器を志した動機が、アニメ映画やテレビドラマだったという返答があったのには、時代の変化を感じました。
そういう動機でクラシックの道に進む人たちがいるのか…メディアの影響というものはやはり大きいのですね。

こういう趣旨の演奏会なので、気鋭の指揮者、津清仁氏も、1曲目の『威風堂々』では、オーケイトラにストレスをかけず、ゆったりとした棒を心がけているように思われました。
今日はこのペースで行くのかな…と思っていましたが、2曲目のシベリウス『フィンランディア』から、ではぼちぼち…という感じで独自の音を出してきます。主部の短く切れの良いフレーズの扱いや、金管の出入りに伴う音量変化など、気づくと彼らしい音楽になっているのです。

3曲目のリストで、ジュニアメンバーは抜けるのですが、今度はソリストが高校1年生の新鋭。
緊張の面持ちで登場した沢田蒼梧君は、色白で、少年の面影を残しながらも、鋭敏な感覚が、細身の体から湧き出てくるような風情を漂わせていました。
ところが曲が始まると、印象は一変。
強靭なタッチで勢いよく進む、ダイナミックな力演を展開したのです。リストが書き込んだ、大げさなくらい濃厚なメロディや、技巧的な見せ場をしっかりと目立たせる。でも、それが真っ正直に、感じ切って表現されているためか、少しの嫌味もありません。
「すごかったね。正直言ってオーケストラの音が耳に入ってこなかったよ」とsige君。
「リストの、すっかりイッちゃってる音楽に正面からぶつかっていくような演奏だったね」とネコパパ。

フランツ・リストは晩年、自分の書いた曲がいかにも外面的で内容に乏しいことを後悔し、教え子たちにはそういう弊に落ちいらぬよう諭したといいます。その話をどこかで読んで、まっさきに思い浮かんだのはこの曲でした。しかし今日の演奏は、曲の潜む凄みを引き出し、曲自体を見直させるほどの力を持っていると感じました。

さて、メインプログラムはムソルグスキー、ラヴェル編『展覧会の絵』です。
どっかで書いたかな?
私はこの曲がちょっと苦手なのです。
絢爛たるショーピースだから、というわけじゃありません。
ラヴェルの施したオーケストレーションは魅力的で、サクソフォンのソロを初め、惹きつけられる部分も多いのですが、曲全体に漂う重苦しさや停滞感、曇った曲想が、どうも私にはやりきれないのです。
この曲は、ライヴで聴くのが一番です。
録音に収めるのは並大抵でない、幅広いダイナミックレンジを持った「オーディオ名曲」だからです。ことに金管、打楽器の果てしない咆哮が生み出す、皮膚感覚に訴えてくる力はやはり凄い。
津氏の音作り。
テンポはすっきりとしていますが、きっちりと刻まれるフレーズがもたらすスマートな響きや、力づくでない、適度に抑制を聞かせた金管が、曲の重苦しさを抑え、心地よい音空間を作り出していきます。
曲と曲の切れ目も、ちょっと間を入れたり、こぼれるように音を走らせたり…変化に富んでいます。
終曲『キエフの大門』では、よくあるような唐突さを感じることなく、自然に、音が湧き上がっていくようなクライマックスを作り出しました。

アンコールに応えて、再びジュニアメンバーを加えての一曲は、おなじみの「カルメン」前奏曲。
イギリス、フィンランド、ハンガリー、ロシアを巡って、最後はフランス…いやスペインに到着。楽しい音楽の世界旅行を満喫するコンサートでした。
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コメント

コメント(4)
No title
偶然にも全て演奏経験のある曲ばかりです。しかし、それにしても高校1年でリストのコンチェルトを披露するとは凄いですね。技巧重視の曲かとは思います。トライアングルが目立ち、初演当時、ハンス・リックという口の悪い評論家がトライアングル協奏曲と揶揄した作品でした。

SL-Mania

2014/11/10 URL 編集返信

No title
SL-Maniaさんの演奏経験、幅広いですね。感服です。リストは凄みの感じられる演奏で、沢田蒼梧君の今後の活躍が楽しみです。トライアングルは第3楽章で独奏並みの活躍をしますので、トライアングル協奏曲と呼ばれたのも無理ありません。トライアングルがピアノソロに合わせてきらきらした装飾を加えていくのですが、非常に珍しい、ある意味マンガ的な効果をもたらしています。「交響詩」というジャンルを生み出したリストらしい曲作りですね。

yositaka

2014/11/10 URL 編集返信

No title
だいぶ、変化に富んだプログラムですね。実は私もムソルグスキーは少し苦手です。
私は楽器は演奏しませんが、トライアングル、やってみたいですね。(難しいですが・・・)音が好きなんです。1度でいいからオケでチンチンやりたい。(笑)それから指揮も・・・・合唱指揮は経験あり、吹奏楽は合唱の伴奏で1度だけあります。よい経験でした。

このようなアマのオーケストラ、大好きです。私もアマのオケでベートーヴェンの第9番「合唱」は何回か歌っています。

HIROちゃん

2014/11/13 URL 編集返信

No title
HIROちゃんさん、トライアングルといえば、さそうあきらの漫画「ミュジコフィリア」の中に、トライアングルの演奏の難しさが描かれていたのが印象に残ります。
合唱、いいですね。私も退職後にはどこかでチャレンジみようかと思ったりします。
ロシアの管弦楽曲では「展覧会の絵」と「シェエラザード」が人気曲ですが、私は後者のほうが好きですね。色彩的な中にも程よい叙情が感じられるからでしょうか。

yositaka

2014/11/13 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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