「美味しんぼ」福島編に論議

漫画「美味しんぼ」に「風評被害」と批判 主人公ら鼻血
2014429 1811
 
 小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の28日発売号に掲載された人気漫画「美味しんぼ」の中に、東京電力福島第1原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面があり、同誌編集部に「風評被害を助長する内容ではないか」などとする批判が相次いで寄せられていることが29日までに分かった。
 編集部は「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」などとするコメントを同誌のホームページで発表した。
(共同)
 
 
「美味しんぼ」鼻血原因は被ばく 前双葉町長が語る
2014511 1824
  
 東京電力福島第1原発を訪問後に鼻血を出す描写が議論を呼んでいる漫画「美味しんぼ」(雁屋哲・作、花咲アキラ・画)の連載漫画誌の最新号に、福島県双葉町の井戸川克隆前町長が鼻血の原因をめぐり「被ばくしたからですよ」と語る場面があることが11日、分かった。
 「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の12日発売号では、主人公らとの会話の中で井戸川氏が「福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いる」と指摘した上で「今の福島に住んではいけないと言いたい」と発言。
(共同)

 
森担当相「美味しんぼ」熟読 風評被害が気掛かり?
2014514 1823 
 
 森雅子消費者行政担当相が14日の参院本会議で、政府提出法案の審議中に「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の漫画「美味しんぼ」を熟読する様子が目撃された。森氏は参院福島選挙区選出。主人公らが東京電力福島第1原発を訪れた後、鼻血を出すなどの描写による風評被害が気掛かりだったようだ。
 農林水産省所管の法案に関する質疑の際、議席で漫画のコピーを広げ、ペンを片手に読み込んでいた。13日の記者会見では「大きな影響力のある漫画が誤解を与える内容で大変残念だ」と批判していた。
(共同)

 
「美味しんぼ」、品切れも 掲載の最新号 
2014519 1812
 
 
 東京電力福島第1原発事故による健康影響の描写などで議論を呼んだ漫画「美味しんぼ」を掲載した「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)の最新号が19日発売され、書店やコンビニでは売り切れが相次いだ。
 東京都内の大手書店の担当者は「普段は発売から3日ほどは店頭にあるが、今日は仕入れを倍以上にしたのに午前中で残り1冊になった」と読者の関心の高さに驚いた様子。別の書店の女性客は「福島で苦しんでいる人がいるのに、今回のような内容を出すのは早かったと思う」と話した。
 最新号では、識者や自治体の意見などをまとめた特集記事と編集部の見解を載せた。 
 
以上、中日新聞WEBより





ネコパパは『美味しんぼ』の熱心な読者ではない。

しかし、最近連載の続いていた「福島の真実」編には、興味を持っていた。
福島の「食の生産者」への、詳細な取材によって、現地に生きる人々の現状、将来への切実な思いを伝えようとする内容だったからである。

批判されているような「風評被害」を起こす作品とは、思っていなかった。
いや、むしろ、福島の現状を正しく伝えることで、とくに福島の農産物に対する風評被害の防波堤となるべき内容と思っていた。

それが最近「風評被害をあおるもの」として批判されていることが各メディアで報道されている。
そこで、「福島の真実」編の前半を納めた単行本110巻を購入し、あらためて一読してみた。
福島生産者の側に立ったルポルタージュ、という印象は変わらなかった。



今回論議の的となっているのは、単行本には、まだなっていない部分。掲載誌の入手には、ぎりぎり間に合うことができた。

主人公、山岡四郎を含む新聞記者一行が
福島原発構内を取材る様子と、その直後に起こった登場人物たちの「体調異変」=倦怠感と鼻血が描かれている。(4月28日発売号掲載分)

症状を「放射能と結びつける医学的知見はありません」
とする文言が、そのすぐあとに出てくる。
これに続くつづく5月12日発売号掲載の部分では、
双葉町前町長や、除染作業に携わっている大学教員による、福島汚染の深刻さを訴えるコメントが紹介されている。
症状と放射線の影響に関する「仮説」も。
読者は、これらの情報を、ひとまとまりのものとして、重ね合わせて受け止めるだろうと思われる。

2話を続けて読んで感じたことは、
単行本110巻に掲載されているようなじっくりとした展開に比べて、
今回はずいぶん思い切った表現をしているな…ということだ。
敢えて、誤解や非難を覚悟して、こうした表現を選んだのでは…

「福島の真実」編は、
5月19日に発売となった「週間ビッグコミックスピリッツ」でひとまず完結。
最終話となる19日発売号掲載作では、
筆致は再び落ち着いたものとなり、
ひとりの国民として、福島をどう捉え、どう支援していくべきかについての作者の考えが表明されていた。

本編の後には、各方面から寄せられた投書や意見、抗議文が、10ページにあたって掲載され、
末尾には、本作掲載に踏み切った「編集部の見解」が述べられていた。


人が住めないような危険な地区が一部存在していること、残留放射性物質による健康不安を訴える方々がいらっしゃることは事実です。
その状況を鑑みるにつけ、「少数の声だから」「因果関係がないとされているから」「他人を不安にさせるのはよくないから」といって、取材対象者の声を取り上げないのは誤りであるという雁屋哲氏の考え方は世に問う意義があると…掲載すべきと考えました。


活字は、とても小さく、読みづらい。

しかし、内容は、賛同・批判いずれの側に立ったものも、熟読に値する。


週間マンガ雑誌として異例といえるこの記事は、すでに作品の一部になったといえるかもしれない。
編集部の見解と合わせ、活字も大きくして単行本111巻に再録することを強く要望したい。

単行本の出版後、110巻、111巻のエヒソード全体を通しての論議が、新たに生まれてくることを期待したい。
そこからが、問題をめぐる本当の論議になってくるはずである。




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コメント

コメント(2)
No title
福島の前にチェルノブイリの事故がありましたが、28年も前の事と忘れている人が多いでしょうね。現地では今でも30㎞圏内は特別な許可がないと入れないと言います。放射能はそれほど恐ろしいものです。決して楽観視は出来ないという点で、こういう視点で警鐘を続ける事は必要と考えます。問題提起という点では、いいタイミングで発表されたと思います。東京オリンピックで浮かれている事に対する戒めにもなったのではないでしょうか。

geezenstac

2014/06/02 URL 編集返信

No title
チェルノブイリでは残留放射線のデータが取り続けられています。28年たっても容易に減少するものではないことがわかります。しかも、チェルノブイリで立ち入り禁止区域になっている放射線レベルでも、日本では普通の暮らしが続けられています。国土面積からみても、わが国は逃げ場がない事実を、肝に銘ずることが大切だと思います。

yositaka

2014/06/02 URL 編集返信

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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