新年早々の聴き会①

1月4日、新年早々、sige君とともにbassclef君宅で聴き会に出かけました。豊橋は好天ながら、気温は肌寒く、bassclef君のリスニングルームでは、炬燵に入りながらの音楽鑑賞。
大学時代を思い出すなあ。
大学のすぐ近くにあるsige君の下宿に入り込んでは、炬燵で音楽を聴いていた。
jazzの魅力を覚えたのはその頃。
もう40年も前の昔話です。

あのころは、パーカー、コルトレーン、ドルフィー、ロリンズそしてマイルス。モダンの王道ばかりでした。
でも今回bassclef君宅で聴いたのは、さらに古いジャズが多かったのです。年を重ねると、こういう良さもやっとわかってくるんですね。

まずはデューク・エリントン。


これは数少ないトリオ演奏の一枚、キャピトル盤の「デューク・プレイズ・エリントン」。
録音は、10インチの時代だから、1950年代の前半でしょうか。なかなか手に入りづらい音盤でしょう。
これはbassclef君の愛聴盤です。デュークのピアノは打鍵が強く、歌うというよりは、音楽を「穿つ」といえばいいでしょうか。寛いだ中にも底光りする「イン・ザ・ムード」…

1961年録音ののトリオ作、「ピアノ・イン・ザ・フォーグラウンド」コロムビア盤。



CDですが、ネコパパも持っています。録音も演奏もとびきり。
デュークの弾くピアノは、ウィーン製の名器ベーゼンドルファー。低音を増強した構造の、その高価なピアノが壊れるかと思うほどの、ゴツく前衛のピアニズムに満ちた「サマータイム」には、曲のイメージを覆す深淵が感じられました。
孤独と慟哭。しかしそれこそガーシュウィンがこの曲に託したものかもしれません。

夭逝のベーシスト、ジミー・ブラントンとのデュオを、名手レイ・ブラウンとともに再現した、パプロ盤「プラントンに捧ぐ



1974年、デューク最晩年の録音ですが、
そんなことは全く感じさせない、「ワン・アンド・オンリー」の懐深いピアノか゜、ここでも衰えを見せず鳴り渡っています。
あわせて有名な「マネー・ジャングル」(UA)も聞いたのですが、この3枚に比べると、デューク、少し遠慮がちな気がします。録音もこの3枚に比べると、意外におとなしい。
デューク・エリントンは、1920年代のジャズ創世記から、息長く活躍した人ですが、音楽はスイングとかモダンとか、ましてや「ジャングルサウンド」などという「形」ではとても括ることができない、屹立したものです。彼の音自体の存在感の強さに…3人ともただ聞き入るばかりでした。

そのジミー・ブラントンと、ベン・ウェブスター在籍時のエリントン楽団を記録した貴重なライヴが「エリントン・アット・ファーゴ1940」です。
これはネコパパが持参したのですが、bassclef君も同じフィリップス国内盤を架蔵していたのです。さすが。
「スターダスト」「リオグランデの薔薇」…1940年10月7日、アマチュアのジャズ・ファン二人による私的な録音、それでこの音の良さは、いったい?二人の青年の熱意が機器に乗り移ったようです。
全編に聴かれるブラントンの轟音が胸に迫ります。RCAの正規録音より生々しいのでは。
この2年後、彼は不治の病で急逝、23歳の若さでした。

1955年ライヴの「ジャズ・イン・ハリウッドボウル」(ヴァーヴ盤)も、年代を感じない音質。
これはJATPオールスターズ、世代的には「往年の名人」たちの共演なんでしょうが…



サッチモ、エラ、テイタム、ピーターソン…上機嫌に奏でられる溌剌たる音楽は、「生命力」の一点で、全く古さがありません。
その中でひとり哀愁のサックスを歌わせるフリップ・フイリップスが印象的…彼はbassclef君の傾倒するサックス奏者の一人ですが、この盤が最初の出会いだったとのこと。
ハリウッド・ボウルは、1万8千人収容の野外音楽堂。それがジャケット写真でわかるように「sold out」になったのです。55年当時のアメリカのファン達の、ジャズへの熱狂がよく伝わってきますよね。

オスカー・ピーターソンとベン・フェブスターの共演もよかった。「ウェブスター・ミーツ・ピーターソン」(ヴァーヴ盤)
ウェブスターの男泣きのバラードは、いつ聴いてもこそばゆいような、染みるような…



音楽だけでなく、レーベル名を転々とした盤歴を持ち、「音盤薀蓄話」も楽しめたのがこれ。
ジャムセッション♯1


「マーキュリー」から「クレフ」それから「ノーグラン」だったっけ?
ジョニー・ホッジス、ベニー・カーター、バーニー・ケッセル、オスカー・ピーターソン、レイ・ブラウン…といった怱々たるメンバーが次々ソロを回していくのですが、
ひとたびチャーリー・パーカーが吹き始めると、空気は一転。、突然10年間をジャンプしたような、時代を超えたフレーズが出現します。

もちろん、モダンジャズの名演も楽しみましたよ。今回はだいぶ渋いんですが
例の幻のジャロ盤「ザ・メッセージ」で有名なJ・R・モントローズも参加した、フランスのギタリスト、ルネ・トーマの「ギター・グルーヴ」(ジャズランド盤)



音質がとても素晴らしい。この抑えたギターと、モントローズのパワーを秘めつつ温もりのあるテナーが、しっくりとブレンドしている。
ジャズでもギターの入るのは少し苦手なネコパパなんですが、これはいい。でもこれ、CDでもなかなか出ていないようです。
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コメント

コメント(2)
No title
yositakaくん、先日の3人聴き会のこと~素敵な記事にしてくれてthanksです! 年末の中古レコードフェアで入手したばかりで床置きしてあった「ピアノ・イン・ザ・フォーグラウンド」のジャケットを君が見つけて、話しがなんとなく「エリントンのピアノ」に焦点が合わさっていったんですが、あの叩きつけるようなピアノの音の塊りは、ホントに凄かったですね。僕自身も改めて驚かされました。なんというか・・・「意思の音楽」というか。
今回記事の①にまとめてくれたのは・・・ちょっと昔の演奏・録音ばかりですが、どれも「いい音・いい空気感」の素晴らしい録音のものばかりで、こうして並べてもらえると、僕も嬉しいです(笑)

bassclef

2014/01/10 URL 編集返信

No title
やあbassclef君、今回は一本筋が通った聴き会ができて、充実感がありました。初めて耳にするものでも、音楽がストレートに、胸のそこまで伝わってくるのは50年代から60年代はじめのものです。60年代後半から80年代のものは逆に古い感じに聞こえ、80年代後半以降はリアルタイム…個人的な印象ですが、不思議です。そんな中、時代を突き抜けていつも新鮮な人がいる。エリントンはそういう人です。

yositaka

2014/01/11 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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