明るい人生


10月某日。
2年生のクラスで道徳の時間の授業を行う。
担任がないのでなかなか機会がなく、これは一年半ぶり。
教育実習生への指導授業という特別枠をいただき、多くの職員にも参観していただいた。
さすがに緊張である。

長年教員を続けているが、多少の自信があるのは、専門教科を別とすれば、道徳の時間くらい。
なので、こういう機会をいただけるのはまことにありがたい。
「研究授業」ではなく「指導授業」なので、できるかぎり身近な資料を使った「日常的な」授業を行うのが意図である。
資料は副読本の「明るい人生2」を使用。年間指導計画10月第一週に掲げられた主題をそのまま実施することにした。

テーマは『勤労・公共心』
資料『愛されるデンさん』

実は、冒険的なことなのだ。
道徳の時間が「オーソドックスに」行われにくく、
そして『年間指導計画』がなかなか計画通り施行されにくい現状にあっては。

授業の進め方は、シンプルである。
副読本を配らず、挿絵を拡大したカードを示しながら、ストーリーを口頭で語り聞かせていく。
話の切れ目ごとに主人公の境遇や事柄、行動について、意見感想を聞いていくのである。

もちろん、私もその会話に参加する。
共感したり、笑ったり、ほめたり、ずっこけたり。
そして、「こんなこといってるけど、みんなはどう?」
「こんな気持ちになったことって、ある?」
と、投げかけていく。

話は、いかにも訓話めいていて、人権の観点から気になる部分もある。
その部分は適度にアレンジしたものの、あまりに模範的な主人公の行動に、生徒たちはしらけてしまうのでは、という懸念もあったが、
そんなことはまったくなかった。

大勢の参観者の前であったが、時間がたつにつれて生徒たちの表情は和やかになり、話も自分の体験を交えたりした豊かなものになっていく。
終わったときの充実感と手ごたえはかなりのものだった。
人懐っこいながら、けじめを持って勉学に取り組むことなどは決して得意ではなく、気の散りやすい傾向のクラスなのだが、
今回の授業で、曇りなく素直な心根を持っている生徒たちであることが確信できた。

やはり、道徳の授業はいいな。

実習生に道徳教育の講話をする時間も担当させていただいたが、
堅い話の最後に引用したのは、例の「よき正義(法則)」の詩である。
http://blogs.yahoo.co.jp/izumibun/15550961.html
エリュアールのいう
BONNE JUSTICE  
とは、まさに「道徳」のことと思われるからである。

その際にマンガ『夕凪の町 桜の国』『鈴木先生』、アニメ『二十面相の娘』などの話にも、
ちと触れたのだが、
実習生の誰一人として、作品名すら知らない。
うーん。
果たして彼らはどのような文化にふれて、自分の価値観を鍛えているのだろうか。

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Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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