マーティ・ペイチ・トリオ

MARTY PAICH TRIO



 

1 I HADN'T ANYONE TILLYOU
2
 THE FACTS ABOUT MAX
3
 DUSK LIGHT
4
 THE NEW SOFT SHOE

5 A DANDY LINE
6
 EL DORADO BLUES
7
 WHAT'S NEW
8
 BY THE RIVER SAINT MARIE

 
MARTY PAICH (P) RED MITCHELL (B) MEL LEWIS (DS)
録音 1957.6
MODE 105 国内盤CD


 
人のよさそうな丸顔の表情とネクタイがおよそジャズらしくないが、内容は歯ごたえのある、じっくり聴かせるピアノ・トリオの名品だ。
マーティ・ペイチという人、ピアニストというよりアレンジャーとして有名な人らしい。
全盛時代のアート・ペッパーとともにアルバムを残した人でもある。

確かにどの曲も、譜面に書かれているのでは、と思うほど音を吟味している。
感興に任せて弾きまくるという場面はなく、ときとして同じ音型が繰り返され、単調(慎重)に感じるところも…
でも、中低音を重視して、ゴツゴツと弾いていくところは、いかにもジャズの音、ジャズの肝をよく知っている人だな、と思う。

3曲目の『DUSK LIGHTでは、ドビュッシーの『沈める寺』の冒頭にそっくりな和音で始まる、音と音の間を生かした深みのあるバラードの世界を描く。
かと思えば、8曲目の『BY THE RIVER SAINT MARIE』では、今度はガーシュウィン『ラブソディー・イン・ブルー』の一節を思い出させる、音が転がるような出だしから、突如として、高音のシングルトーンを生かして、あふれるような歌心を聞かせる。
もちろんウエストコースターらししい、爽やかに飛ばすナンバーにも事欠かない。
アレンジャーらしい、変化に満ちた曲が適材適所に配置された一枚だ。

こういう未知未聴の音盤でも、まったく躊躇なく入手してしまうのは…
ベースにレッド・ミッチェルが参加しているから。
彼さえいれば、どうとでもなってしまう…
そんなネコパパの期待通り、支えは万全、長いソロはもちろん、ほんの少しの隙間風も吹かせない、力感と歌心のベースが、ここでも聴ける。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメント(5)
No title
レッド・ミッチェル、良いですね。私もファンです。最高のベーシストだと思います。
私はよくわからない盤を安値に釣られて買う際(レッド・ミッチェルが入っているなら良しとするか。最悪ベースだけ聴いてれば良いし)と思って買っています。

不二家 憩希

2012/12/01 URL 編集返信

No title
不二家さん、レッド・ミッチェルを知ったおかげで、彼を頼りにウエスト・コーストの名手たちに随分出会うことができました。リー・コニッツ、ジェリー・マリガン、ハンプトン・ホーズ、レッド・ノーヴォ、ジム・ホール、ウォーン・マーシュ…幸い、ミッチェルだけ聞いてれば…という事態には陥っていません。共演者を見る目も確かな人なのです。

yositaka

2012/12/01 URL 編集返信

No title
yositakaさん、こんにちわ。おお、ジャズ記事がっ!てんで出てきました(笑)モード・レーベルのものはある程度、聴いてますが、この「トリオ」は・・・持ってません。でもペッパーとの共演盤(tampa)などで聴かれるペイチのピアノは、弾きすぎない感じのツポを押さえたフレーズが印象に残るピアノ弾きだと思ってます。ピアノも悪くないのですが、ペイチ・・・アレンジがやっぱり最高!なんですよ。通称「踊り子」と呼ばれるwarnerのペイチ盤(ペッパー、S.ラファロも参加) なんというか各曲のテーマメロディをちゃんと生かして、アレンジというとよくあるウネウネと変奏しまくりで、かえって乗りが悪くなってしまう・・・ことは全くなく、イントロと繋ぎ部分などのシンプル最小限のアレンジでだからその曲のよさが損なわれないし、何より自然ないいノリを生む・・・という感じかな。
ペイチ・・・畏るべし、というのが僕の認識です。

bassclef

2012/12/02 URL 編集返信

No title
(続き)あ、レッド・ミッチェル・・・まったく仰る通りに素晴らしいベース弾きです!
≪ほんの少しの隙間風も吹かせない、力感と歌心のベース≫これはもうR.ミッチェルの核心を突く表現ですね。4ビート(1小節4拍)の一音・一音の全てのラインを「ひと息」で繋げているかのような・・・あのしなやかなビート感ときたら・・・(笑)
(まったくの蛇足で言うと)パーシー・ヒースやロン・カーターといういわゆる名手の場合でも・・・よく聴くと、4ビートのラインを連続しているその途中に、時々、ふっと「息が切れて」ほんのちょいだが間が乱れる(もたれる)ような感じがあったりする。

bassclef

2012/12/02 URL 編集返信

No title
やあbassclef君。
モードというのは1957年に数セッションだけ行い消滅したというレーベルだそうですが、YOさんのところで聴けたリッチー・カミューカなどいいものがありますね。
ペイチは「踊り子」のCDも持っていて、すごいアンサンブルだし、ラファロの活躍もすごいと思っていました。アルバムは少ないけど、ひとかどの人物と思います。ミッチェル、いろいろな人のセッションにここぞ、というときに現れていますね。レーベルも縦横無尽なのが痛快です。引く手あまただったんでしょう。人柄もよさそうだし。

yositaka

2012/12/02 URL 編集返信

コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

月別アーカイブ

検索フォーム

QRコード

QR