ランディ、モンクを弾く

ランディ・ウエストン『モダン・アート・オブ・ジャズ』




1 ルース・ウィグ
2 ラン・ジョー
3 テーマ・フォー・テディ
4 イン・ア・リトル・スパニッシュ・タウン
5 ドント・ブレイム・ミー
6 J&Kブルース
7 ユー・ニードント
8 ハウ・ハイ・ザ・ムーン

ランディ・ウェストン(p)セシル・ペイン(brs,as)レイ・コープランド(tp)アーメット・アブダル・マリク(b) ウィリー・ジョーンズ,ウィルバード・ホーガン(ds)
録音1956.11.21-22
DAWN  国内盤CD
 

京都、下賀茂神社近くにある『LUSH LIFE』は、下賀茂神社近く、明るい表通りのジャズ喫茶だ。
カウンター式の店内は席数は少ないが棚にはアナログ盤がずらりと並び、奥には暖炉よろしく鎮座した真空管式の古風なオーディオが、心地よい音色を鳴らしている。
店主の大のお気に入りは、ピアニストのランディ・ウェストン

初めて店に入ったネコパパは、ベーゼンドルファーを使用したという彼のソロピアノ・アルバムを、たっぷり聴かせてもらった。もう数年前のことだ。
その訥々としたタッチ、間を生かした音楽づくりは、セロニアス・モンクを思わせるものがあった。
 
彼の盤にはなかなか出会わない。
リヴァーサイドの国内盤LP2枚だけ見つけて、時々聴いていたのだが、先日H堂でこれを見つけた。とてもよかった。
このアルバムでは、その、モンクの曲を一曲だけ、演奏している。
『ユー・ニードント』…『ウェル・ユー・ニードント』じゃなかったっけ?
御大の演奏より軽いタッチ。(bassclef君いわく)「垂直打ち込み派」でも、モンクのは「穿つ」音なのに対してランディは「落とす」音。独特の間の取り方は一脈通じるが、そのタッチは優しい。
でも曲のツボはしっかり押さえられていて、快調だ。

クインテットによる『ラン・ジョー』もいい。
これは、カリプソのリズム。明るい海が目の前に開けたような躍動感。
ソニー・ロリンズが『サキソフォン・コロッサス』でカリプソの音楽を取り入れた同年の演奏だから、影響もあったのか。
その瑞々しい音色は、昨日演奏されたといっても、きっと誰も疑わないだろう。レイ・コープランドの艶やかなトランペット・ソロも素敵だ。

トリオ演奏による『ハウ・ハイ・ザ・ムーン』はアルバムの白眉。
弾けるように弾き始めるイントロのピアノが、一瞬で色を変え、テーマを導入すると、ピアノ・ベース・ドラムスが一体となって歌い、ワルツのリズムも飛び出す。天衣無縫な演奏が繰り広げられて、いつまでも終わってほしくない気持ちになる。

ちょっと残念なのは、ピアノの音がやや遠目なこと。
ドラムスをはじめ全体の響きはよく捉えているが…もう少しピアノのタッチ明確で、実在感があればよいのに。DAWNがどんなレーベルなのかよくわからないが、ヴァン・ゲルダー風な録音とはちょっと違うものを目指していたようだ。
初期盤LPなら違うのかな?

 
こんなランディがいまも健在なのは素晴らしいことだ。
LUSH LIFE』の主催で京都でも度々コンサートを行っている模様。行けたらいいなあ。
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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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