伊勢英子、ふたりの『修羅』を語る

ふたりのゴッホ-ゴッホと賢治37年の心の軌跡





新潮社
2005/7/5



アマゾン紹介文より
ゴッホと賢治。敬虔な宗教心、猛烈な読書、弟妹への限りない愛情、傍系からの芸術指向、旅への狂おしい欲求、生前の不遇、貧困、そして三十七年の生涯。余りにも酷似したふたりの人生とふたりの芸術とふたつの裸の魂。比類のない純粋な魂を宿した画家と詩人の心の内奥をたどる
 
 
ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
宮沢賢治
没年を同じくする二人の芸術家を、筆者は、作風・人生・人々とのかかわりの在り様など、さまざまな面で合わせ鏡のように感じ取っている。
 
これまで普通に知っていると思い込んでいた、
ゴッホのゴーガンとの決裂(耳切り)事件や、オーヴェールでの自殺に至る経緯などが
ほとんどが、資料不明確、あるいは未公開の中で伝えられてきた一種の「伝説」であること。
宮沢賢治の晩年、石灰工場技師としての「最後の就職」は、経済面も含めて父親政次郎のバックアップあっての実現だったこと。
ゴッホと弟テオとの繋がりも「兄弟愛伝説」とは大きく異なる、桎梏の連続であったこと、など…


筆者の丹念な調査で、初めて「そうだったのか」と思わせる事実も多い。
 
比較芸術論としては、瑕疵がある…
そんなレビューをされている方もある。
が、これは「論」というよりも、絵本作家でもある筆者の内面に生成した「事実をもとにしたファンタジー」というべき作品のように思われる。
筆者のスケッチや、「小岩井農場」とゴッホの絵画作品とのコラボレーションといった、絵本作家の本領が発揮されたページからも、そのことが感じられる。


人によっては主観の強さが暑苦しい、と感じる人もいるかもしれない。
ネコパパは、これは一つの「物語」として、面白く読んだ。


筆者、ゴッホ、宮沢賢治、誰かに関心を持っている人に、おすすめの一冊。
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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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