恒例、豊橋夏の聴き会①

待てど暮らせど、路面電車が来ない。
豊橋駅前の停車場は長蛇の列だ。
sige君と待つこと30分。「事故のため、ご迷惑をおかけしています」と、外部スピーカーからアナウンスを流しつつ、ようやくやってきた。



豊橋の中心街付近で、軽自動車と路面電車が正面衝突したという。
路面電車は信号で停車するし、線路上を車が横切る。こんな事故もあるだろう。けが人など無ければいいが…
 
と思いつつ、bassclef君宅へ到着。
訪問の度に、どっと枚数の増えている音盤群。
ライフワークの10(インチ)オリジナル盤の収集もますます充実している。
 
さあ、聴き会の始まりだ。
 
ネコパパは、マイルス・デイビスの初来日公演の未発表音源や、モンクコルトレーンのファイブ・スポット・ライヴ完全版(いずれもCD)を持参していた。
そこで、初発売時のCDや正規音源との聴き比べをちょこちょこ。
bassclef君はリヴァーサイド盤「モンク&トレーン」の米オリジナル盤を架蔵している。



ルビー・マイ・ディア
ファイブ・スポットのライヴ盤でも取り上げている曲だが、正規盤は録音はいいし、トレーンはより落ち着いていて情感豊かだし、さらにベースは名手ウィルバー・ウェア
bassclef君御贔屓のこのベーシスト、うん、確かに音に何とも言えない柔軟さと色香がある。
トレーンの在籍した1957年のモンク・カルテット、惜しいことにセッション録音はこれと『ナッティ』の2曲しかない。
 
5月の藤井寺杜の会で聴いた『クリーミー』から、ジョニー・ホッジスパッション・フラワー』も聴いた。
「すごい表現力だけど、何をどうやっても確実に音程を確保するのがすごいねえ」
と音程に敏感なbassclef君。

次は、チェット・ベイカーbassclef君秘蔵の10吋オリジナル盤で『バッド・ノット・フォー・ミー



トランペットによる明るいファンファーレ風の前奏が終わると、一瞬の間をおいてチェットの歌。トランペットのアドリブ。そのあとラス・フリーマンのピアノソロが一節、そして再び間をおいて、歌を繰り返す。
「歌もいいけど、トランペットのアドリブ、特にこの後半部の高く音を伸ばしながら歌っていくところが凄い。まさに作曲だよ。その場のアドリブでできるなんて、考えられないね」
bassclef君。
チェットのヴォーカルも、中性的とか気持ち悪いとか、いろいろと言われるけれど、先入観をぬきに耳を傾ければ、ストレートで情感豊かな名唱。批評家の言葉で聴くことからは脱却しなきゃね…と三人の会話が弾む。

チャーリー・パーカーも登場。
ネコパパ持参の1953年ライヴ海賊版『ハイハット1953』を試し聴きしたあと
サヴォイ原盤コンチネンタル盤『バード・ライヴズ



クレフ盤『ナウズ・ザ・タイム



コンチネンタル盤はサラ・ヴォーンの若々しい歌唱を伴った『Mean To Me1945年録音。
クレフ盤は御存じ表題曲『ナウズ・ザ・タイム』。おなじみの、ジャズマンのテーマ曲だ。のちヴァーヴ盤12吋で発売され有名になったもので1953年録音。
「演奏自体は勿論すばらしいけど、サヴォイ時代などの録音と比べると、ちょっとポピュラー音楽というかダンス音楽のような色がある…付加されたエコーのせいかもしれないね」
sige君。
真剣勝負の名演が聴かれるサヴォイ、ダイヤル各レーベルのSP録音に比べると、より好条件のはずなのに、なぜかファンには「後回し」にされ気味なヴァーヴ時代、50年代の諸作。
これは、パーカー自身のせいというより、売れ筋を狙ったプロデューサー、ノーマン・グランツの色付けのせいなのか…辛口妥協なしのパーカーの音楽を売るには、少しでも親しみやすく、と考えたのかもしれない。
でも、これも案外先入観なのかも…
じっくりと聴き直してみよう。
 
後半の聴き会は、マイルスの初期の傑作が次々に登場する。次回をお楽しみに。
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コメント

コメント(3)
No title
やあ、yositakaくん。先日はたくさん聴きましたね。いろいろ聴いてその合間にいろいろ喋って・・・なかなか忙しい3人ですね(笑)
パーカーのcontinental盤~あれは、もう・・・ジャケットに惹かれて入手したものです。目を見開いたパーカーの横顔と、しっかりしたコーティングの緑色のジャケット。そして音質もなかなかよかったのです。音源はtsのドン・バイアスやサラ・ヴォーン入りの1945年セッションです。

bassclef

2012/08/16 URL 編集返信

No title
(つづき)
Clefの10インチ盤はnow's the time(A面)のセッション4曲は確かにパーカーのサックスにエコー掛かった録音でしたね。B面4曲は落ち着いた音質で、laird baird は実によかったですね。A面が1953年8月、B面が1952年12月の録音のようです。このClef10インチ盤は、藤井寺Yoさん宅で2回聴いて・・・これはもう入手せねば!(笑)というわけです。
ホッジスの2CD~あれはいい音源を揃えてて音質もいい感じでした。あの辺のホッジスのオリジナル盤は・・・なかなかいい値段なので手が出ません(笑) まずはその人の音を聴く・聴きたい~という場合、CDは重宝ですよね。4枚のLPの2CDというのは悪くないね。

bassclef

2012/08/16 URL 編集返信

No title
bassclef君、とても中身の濃い聴き会でした。いつもながら君のコレクションの充実ぶりには圧倒されます。パーカーの緑のジャケット…ああいう初期盤の存在感というのは画像では伝えきれませんね。はまると怖い世界かもしれません。
「クリーミー」は本家ヴァーヴからはCD化されていません。持参の盤はAVIDJAZZという英国のレーベルで、楽曲著作権は認可をとり、隣接著作権はパプリックドメインという条件で発売していると思われます。LPからの復刻技術は優秀と思いますが、あれほどの名盤なのに、こういう形でしか出ていないというのは残念ですね。

yositaka

2012/08/17 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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