名曲喫茶探訪①

今回の東京行きは、ちょっとした名曲喫茶めぐりになった。

まずは川越の「アマンダ



隣りあう二軒の古い民家を使って、父と娘がそれぞれ一軒ずつ店を持つという珍しさ。
お目当ては「アマデオ」という店だったのだか
いかにも古そうな、そちらの店は改装閉店中。
店に座っていたマスターと思しき初老の男性に声をかけてみると、
「隣の店でもやっていますよ。音響もいいですのでぜひどうぞ」
とのこと。
隣の店は「アマンダ
対照的にカラフルな店で、食事やスイーツもあるらしい。

一階は中古レコード店で相当に古いものがびっしりと並んでいる。
喫茶は二階。上がってみるとブラームスのヴァイオリン協奏曲が掛かっている。
スピーカーは手造りのボックスに入った、フルレンジ一つのシンプルなもの、しかもひとつだけ。
それが、適度な音量ですなおな響きを出している。
リクエストをどうぞ、という張り紙があったので、マスター(娘さん)に
「ではハイドンのチェロ協奏曲ニ長調を」

しばらくして流れてきたのは、速めのテンポですっきりと進む、スタイリッシュなハイドン。
ところがカデンツァにはいると、底知れない鋭く深い表現を繰りだしてくる。しかも非常に長い。壮絶と言っていいくらい。
いったいこれは誰の演奏?




アントニオ・ヤニグロ(VC)
フェリックス・プロハスカ指揮ウィーン国立歌劇場管弦楽団
米ウェストミンスター

1階のカウンターには、プレーヤー、アンプが置かれていた。



すべて手作りの、小ぶりな機器だ。
このシンプルな装置で、モノラル盤だけに絞って聞かせているようだ。
その音盤も、そうとうに選びぬかれている。
リクエストに応えてヤニグロとは。
おそらく「アマデオ」の老主人のコンセプトなのだろう。
頑固なポリシーを売りにした店なのだ。

滞在は1時間に満たなかった。
苦心のオーディオを満喫するとまではいかなかったが…機会があれば再訪してみたい。

場所は川越市役所のすぐ近く。小学校の正門の前。
観光地の町並みとは少し筋が離れている。
訪問してみたいと思われる方は、よく調べてお出かけください。

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コメント

コメント(4)
No title
タバコを連想させるチェリスト・ヤニグロですね。
以前ラジオで聞いたことがあるのですが、私好みの演奏家でした。
でも、あまり取り上げられない人ではないかと思います。

不二家 憩希

2012/08/11 URL 編集返信

No title
ジャズ喫茶、名曲喫茶は消え去ってゆく昭和の遺物的なものになりつつあるんですかね
学生時代 渋谷のウィーン、らんぶる、中野のクラシックとか通ったものです
社会人になってからは高円寺だったか、タピオラという店があり主人がカラヤン好きで話が合わなかったような思い出があります

neoros2019

2012/08/11 URL 編集返信

No title
不二家さん
なるほど煙草ですねえ。
ヤニグロは、私の世代では指揮者として知られた人でした。チェリストとしての注目度が上がってきたのはまだ最近と思います。持っているのはコロムビアからCD化された小品集1枚だけですが、実力派だと思います。

yositaka

2012/08/11 URL 編集返信

No title
neorosさん
中野のクラシックは一度だけ亡き友と行ったことがありました。味のある店で、作家のたまり場だったようですね。
名曲喫茶は、今では東京周辺を除けば数えるほどです。
音楽は個人で聴くのも楽しいですが、同好の士とともに演奏論などしながら聴くのもまた格別。近所にもこんな空間がもっと欲しいなと思います。

yositaka

2012/08/11 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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