伊福部昭の大作、中部地区初演

先入観はいけないが、『ゴジラ』交響曲、いや『ゴジラ版、春の祭典』とでも申しましょうか。
急・緩・急の三楽章からなる伊福部昭の大作『シンフォニア・タプカーラ

タプカーラはアイヌ語で「男の立ち踊り」を意味するそうです。
強靭なリズムの躍動する曲想に、第1楽章から拍手がわきあがりました。
ハープ・ソロが美しい瞑想的な第2楽章をはさみ、フィナーレは爆発的なエンディングに向ってこれでもかというほどの爆走がつづきます。
喝采する聴衆に、総譜をかざして作曲者に表敬する指揮者、中村
今回も意欲的なプログラムを聴かせてくれました。




後半は、一転してドイツ正統派の重厚な二曲。

『フィデリオ序曲』では、ホルンなど金管の音程が安定せず、ちょっとはらはらさせはしたものの、
トリのブラームス、交響曲第4番では存分の演奏を聴かせてもらいました。
この交響曲からイメージされる、晩年の哀歓とか渋みのある色合いとはちょっとちがう。
どの瞬間も、音を力いっぱいに出し切り、ぐんぐん進める、前のめりの音楽。
全曲を通してのティンパニの大活躍は、とりわけ小気味よさの極み。
女性奏者でしたが、気持ち良さそうに演奏している様子が、またよかった。

この曲を聞いていつも思うのは、全体の渋さに対して、トライアングルの加わる第3楽章だけが妙にはしゃぎすぎで、浮いた感じがすることなんですが
活発さが基調のこの日の演奏では、全く違和感がありませんでした。
もっとも第4楽章になると、力演の連続に疲れが出たのか、弦楽器に音の切れが欲しい瞬間もありましたが…

アンコールはハンガリー舞曲

「5番、6番は聞き飽きているでしょうから、今日は4番つながりということで、舞曲第4番を演奏します」

沈んだ曲想から始まる名品で、交響曲第4番のあとに演奏するにはぴったりの曲。中間部の、口笛のような不思議な木管の響きを生で聴けたのはなかなかの収穫でした。



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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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