しげちゃん

自分のことを言うとき、
「私は」とか「おれは」とかいうのではなく
どうどうとフルネームで
「○○○○はこう思う」という人がときどきいます。

自分の名前を自信を持って押し出してくる。
きっと、自分にも自信を持っているんでしょうね。私には、なかなかできないな…と、ネコパパは思います。

姓だけ、名だけならまあ、言えるのですが、フルネームとなると、とたんに躊躇してしまう。
ふしぎです。

さて、みなさんは、自分の名前にどんな気持ちを持っておられるのでしょうか。


自分と名前の関係をテーマにした、一冊の絵本に出会いました。



この絵本の主人公、しげちゃんの名は「しげる」。女の子です。
小学校の入学して
初めて教室に入ったら
机に自分の名まえを書いた紙が置いてありました。


男の子は水色の紙、女の子はピンク色の紙。でも…


わたし、女の子なのに、水色の紙だった。
わたしだけが、みずいろ。
『しげる』っていう 男の子みたいな 名前のせいだ。


隣の席の男の子は、ボクの横だけ、男ッ!…とショックで泣き出してしまうのですが、わたしが女の子と知って…

いろいろなできごとがあって
しげるは自分の名前をすっかりいやに思ってしまい
ノートに何度も書きながら

『しける』

にしてみたり

『ツゲル』

にしてみたり、
ちょっとでも女の子らしくならないかとあれこれ改造しようとする。
そんなところがとてもいじらしく、愉しい。
ちょっとふくれた感じのしげるの顔や、ちゃぶ台、火鉢、土塀、自転車など
1960年代の東京下町の感じをよく伝える、長谷川義史の、アバウトで柔らかなタッチが独特な絵も
この物語にぴったりです。

でも、お母さんに自分の名前の由来を聞いて
ちょっぴり『しげる』がいやでなくなる…というくだりは、ちょっと「予想通り」で物足りない着地点ですね。
子どもは、いったん思いこんだら、そう簡単に大人に「説得」なんかされないぞ、
と思ったりもします。

ところが、この絵本、とんでもない仕掛けがかくされていました。
それは、裏扉に掲載されている
『名前パレード』という歌の歌詞。

ちょっとだけ、引用してみましょう。



名前パレード  作詞 室井滋 作曲 佐々木卓馬 左籐マモル

ぼくの名前はケン  君の名前がモモ
やつの名前がジョーで 彼女の名前がリンダ

どうだい そんなに好きかい その名前(ヘヘイ)
球には交換してみようよ この名前(オオイエーイ)
給食のチャイムが鳴ったら ほらほらほらほら さあ行くよ
チーチチ、チチチチ、GOGOGO  GOGO レッツラゴー!(はい)

ぼくの名前はモモ  君の名前がジョー
やつの名前がリンダで 彼女の名前がケン

ワハハハ いい気分 ラララララン
スパゲッティもコロッケも きょうはなんだか おいしいね

猫の名前はタマ  犬の名前がポチ
やぎの名前がメエ子で うさぎの名前がピョン

どうだい そんなに好きかい その名前(ヘヘイ)
たまには交換してみようよ この名前(オオイエーイ)
やねでカラスが笑ったら ほらほらほらほら さあ行くぞ
チーチチ、チチチチ、GOGOGO  GOGO レッツラゴー!(はい)

猫の名前はメエ子  犬の名前がピョン
やぎの名前がポチで うさぎの名前がタマ

ワハハハ いい気分 ラララララン
金魚もカエルも野ネズミも うらやましそうに見つめてる

社長の名前は柳生  部長の名前が犬飼
課長の名前が並岡で 係長の名前が平田

どうだい そんなに好きかい その名前(ヘヘイ)
… 


以下、⑤番まで、続く。


いや、もうたまりません。
絵本を読んだ後で、この歌をうたったら、
子どもたちはもうすっかり夢中になってしまいそうです。

絵本と歌、このふたつで、みごとな価値観の逆転を見せるのが、作者たちのねらいだったのかもしれません。

この歌は、本書のためのオリジナルでしょうか。それともどこかに出典が?
ネットで検索してみましたが、音源など、全く見つかりませんでした。

ご存じの方がおられたら、ぜひ教えてください。



関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

月別アーカイブ

検索フォーム

QRコード

QR