ジャズ・ピアニストのレイ・ブライアントがなくなった、との記事が。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、レイ・ブライアントさん(米国のジャズピアニスト)が2日死去、79歳。 1950年代半ばからピアニストとして活動を始め、マイルス・デイビスらと共演したほか、ソロや自ら結成したトリオでも活躍した。
-アサヒ・コムより
プレイスティジ盤の『レイ・ブライアント・トリオ』はネコパパのお気に入りのディスクで、
ピアノをなにか…と思うと、耳にすることが多かった。
サラサーテの名曲『ツィゴイネルワイゼン』とおなじ
ロマ(ジプシー)の民謡をモチーフにした『ゴールデン・イヤリングズ』で有名な盤。
ブライアントのトリオはオスカー・ピーターソンと同様、
ピアノを前面に出し、ベースとドラムスは伴奏に徹する、スイング・スタイルの古典的な演奏スタイルだが、
ピーターソンほど技巧を表に出さず、湿度のある歌と人懐こい土臭さを感じさせる「リズムの崩し」が特色と思う。
『エンジェル・アイズ』『ジャンゴ』など哀愁にみちた選曲も、レイの個性にぴったりだ。
そして、この盤のもう一人の主役は
ベースのアイク・アイザックス。
前編を通してどっしりとしたベースをならして、アルバムに底知れぬ奥行きを加えている。
彼はことに日本人に愛されたピアニストで
「幻の名盤」としてファンに追い求められたという、こんなアルバムもある。
でもこれは録音がいまひとつなせいか
同じく「幻の名盤」だったトミー・フラナガンの『オーヴァーシーズ』と比べると、相当地味な印象だ。
でも、内容的にも名盤と言う評価は高い。
もう一度聞きなおしてみようか。
それよりも、ネコパパにとって思い出深いのは、
初めて買った彼のリーダーアルバムである
『プレイズ・ベイシー・アンド・エリントン』
日本スタッフの手になる「新生エマーシー・レーベル」第1作だった。
『ムード・インディゴ』『昔はよかったね』など、エリントンの名曲は、ブライアントの音楽性に特によく似合う。
録音優秀。体温の伝わるようなタッチが圧巻。
でもこれも、長い間廃盤らしい。残念なことだ。
サイドマンとして参加した名盤も多い。マイルス・デイビスとの『マイルスデイビス・ウィズ・ミルト・ジャクソン』
けど、やはり印象に残っているのはソニー・ロリンズとのもの。
ますは、文句なしの、初期の名盤。『ワークアウト』
そして、コルトレーンを追ってのインパルス第1作にして
最高に楽しいアルバム。『オン・インパルス』
これは大学時代からよく聞いたものだ。レイ・ブライアントの名をはじめて覚えたのはたしかこれ。
ご冥福を祈ります。
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コメント
一番たくさん聴いたのは、ロリンズのon impulseです。もちろんロリンズもいいのだけど、実はこのレコード・・・バックのレイ・ブライアント・トリオが抜群にいいんですよね。レイのピアノは小気味いいし、ベースのウオルター・ブッカーという人がこれまた素晴らしい。よし、こちらもこのon impulse・・・久々に聴いてみよう!
bassclef
2011/06/11 URL 編集返信『夢見るレコード』にもいい記事が載って、ちょっと安心しました。
このところ、私がのぞいている音楽関係サイトも、そろってめっきり更新が減っています。震災で、それどころじゃない、という空気もあるのでしょう。
でも、やっぱり人は生きていかなきゃいけない。
同じ生きるなら、いい空気を吸っていきたい。
音楽もそれですよね。
『オン・インパルス』は、たしか私が買った3枚目くらいのジャズ盤じゃなかっただろうか。一枚目はコルトレーン、二枚目はビル・エヴァンスだったから…
ペラジャケの廉価版ですが、いまもまさに「小気味いい」音を出してくれます。
yositaka
2011/06/11 URL 編集返信