オーケストラ・アンサンブル金沢の『田園』

地元の会場で開かれたコンサートに、アヤママと連れ立って出かけました。
名手ぞろいで高名なオーケストラ。曲は『田園』。ネコパパ最高のお気に入り曲で
ご機嫌な演奏会でした。
 
チケット2500円。安い!

 
 
2011年2月6日(日)14:00開演(13:30開場)
東郷町民会館ホール
指揮:松尾葉子
ピアノ:北村朋幹
モーツァルト/歌劇『ドン・ジョヴァンニ』序曲
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 op.54
ベートーヴェン/交響曲 第6番 ヘ長調 「田園」 op.68
<アンコール曲>
ビゼー/「アルルの女」第1組曲より『アダージェット』
 
 
この会場、久しぶりでしたが、こんなに響きの少ないところだったっけ。
 
ピアノ(スタインウェイ)はペン、ペンと鳴るし、
オーケストラ一人一人の出す音がはっきりと分離して、客席まで突撃してくる感じです。
ドライな響きも悪くないが、演奏する側にとってはきっと嫌でしょう。
ちょっとしたミスも手に取るようにわかるし、腕前が白日にさらされるわけですからね。
 
 
まずは『ドン・ジョヴァンニ』序曲。
 
弦の鳴りがおとなしい、と思ってよく見ると、ヴィヴラートをあまりかけていません。浅めの弦、歯切れのよい管、といえば流行のピリオド奏法の響きですが、そんなに癖っぽい音ではなく、ストレートに響く音楽でした。終結はモーツァルト自身の書いた短いコーダ。
 
シューマン、ピアノ協奏曲イ短調
 
予定されたソリストが二人も変わり、登場した北村朋幹はまだ東京芸大1年生。でもすでにリサイタルも多く、期待の新人らしい。
細身で小柄。シューマンの権威、伊藤恵の門下だけあって、得意曲らしい。冒頭から芯の強い高音を響かせます。
残響なしのキツイ環境の中で、曲想に応じてテンポを大きく揺らすロマンティックなアプローチで弾き進む。
対するオーケストラは、ホールに合わせてか、速めのテンポでさくさくと進めていく。飛び入りのピアニストとは、ちょっとそりが合わないみたいです。
2楽章に入ると、弦楽器の音にみるみる厚みが加わり、ソリストとの競り合いが始まりました。フィナーレではピアノを追い立てるように、金管木管が鋭く強い音で合いの手を入れていきます。北村君は汗びっしょりで何度も顔や鍵盤をぬぐいながら必死の打鍵。
文字どおり手に汗握る熱演でした。
 
そして後半の『田園』。
 
この曲でもヴィヴラートは少なめ。指揮者は速めの安定したテンポで、名人集団の技を目いっぱい聴かせていきます。
オーボエ、クラリネットを中心とした木管群が前面に出て、体を揺らしながら、即興的な強弱も付けてのびのびと吹奏していく様は、愉しさの極み。
 
ベートーヴェンは「この曲は描写音楽ではない」と言いながら、
この曲の第2楽章のコーダ(カデンツァ)部分の譜面にわざわざ鳥の名前を書き込んでいます。
フルートは鶯。
オーボエは鶉。
クラリネットは郭公。
 
この日の演奏は、管楽器群のみごとな演奏によって、
2楽章だけでなく、全曲が鳥のさえずりのモチーフで満たされている印象を沸き起こすものでした。
これは「管楽器のためのシンフォニー・コンチェルタンテ」としての『田園』…
 
アンコール曲はビゼー。
定番の『ファランドール』ではなく『アダージェット』なのがいい。
 
オーケストラは、待ってましたとばかりに、これまで抑制していたヴィヴラートを利かせ、豊麗な合奏を聴かせました。
少ない人数なのに、この厚み!
『田園』でもこんな音を出してほしかったなあ…
 
寒い日で、雨が混じるような天候でしたが、
晴朗で力に満ちた音楽のせいか、すっかり温まって会場を出たネコパパ、そしてアヤママでした。
 
 
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コメント

コメント(2)
No title
yositakaさん、こんにちは。
記事を拝見して、アンコールの「アルルの女」…いちばんそそられました。

ぼくの父は都内在住でアマチュアのチェロ弾きなのですが、先日、チェロを修理に出したら、なんと!工房でアンサンブル金沢の首席チェロ奏者氏(外国人の方)とバッタリ。人柄も含めてすっかりファンになったという話を聞いたばかりでした。バッハの無伴奏チェロ組曲のCDも買っていました(父はあまりCDを買わない人なんですけど)。

ピアニストの北村朋幹さんは昨年、名古屋フィルの定期演奏会でラヴェルの両手協奏曲を弾いたそうで、名古屋在住のブロ友さんから地元での人気ぶりを聞いていました。ぼくはまだ聴いたことないですが、東京公演のライヴCDが最近発売されましたね。将来有望とはいえ協奏曲はまだまだ不慣れであろう若い奏者が汗を飛び散らしながら必死にオケと競演するのを聴いて楽しむ、というのもたまにはいいですね。

Loree

2011/02/08 URL 編集返信

No title
主席チェロ奏者…
ルドヴィード・カンタさんですね。

私も大ファンです。リサイタルも行きました。会場でちょっと立ち話しして、CDにサインをもらいましたよ。
今回のコンサートでも、強く温かい響きが、チェロセクション全体で響いていました。まさにカンタさんの音でした。

指揮の松尾さんは、広いレパートリーをお持ちですが
一番の得意はたしかフランス音楽。プログラムになかったので、アンコールで取り上げられたのでは。
ポルタメントまでかけて歌わせるところに、大きな自信が感じられました。
こんな曲が思いがけず聞けるのは、コンサートの醍醐味ですね。

yositaka

2011/02/08 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

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