クレンペラー、ウィーンでの歴史的演奏会

1960年、指揮者オットー・クレンペラーは
手兵フィルハーモニア管弦楽団とともに
ウィーン芸術週間に出演。
ベートーヴェン交響曲全曲チクルスという大規模なコンサートに挑んだ。
 
その模様は録音されたが、正規の契約を経て発売されたものはないらしい。
有名な音楽批評サイト『An die Musik』の伊東さんが熱情的なコメントを書かれている。
 
>クレンペラーは齢75。幾多の災難を乗り越え、再起不能を囁かれつつも、その度毎に甦った。そして最高の音楽を聴かせ続けた。その波瀾万丈の生涯はベートーヴェンそのもの。そのクレンペラーが人生の最終段階になって、音楽の都ウィーンに乗り込んだわけだが、その心境は推して知るべし。
クレンペラーとともにウィーン入りをしたフィルハーモニア管はクレンペラーの薫陶を受け、イギリスのオケながら、ドイツ音楽についても比類ない演奏をしていた。ホルンの名手デニス・ブレインは既に他界していたが、オケの技術は世界的に見ても最高水準であった。ウィーン芸術週間への客演はフィルハーモニア管にとっても、その全盛時代を飾る一大事業であっただろう。
ウィーンで演奏したのは他ならぬベートーヴェンの交響曲全曲。クレンペラーにとっては自信満々のプログラムであったろう。ベートーヴェンを始め、ドイツ・オーストリア音楽の演奏では大陸の後塵を拝していたイギリスから、このようなプログラムをひっさげて現れた老大家の演奏にウィーンの聴衆も歓喜したであろう。もちろん、ベートーヴェン・チクルスにおける演奏すべてが歴史的演奏と言っても過言ではない。それはその演奏の数々が未だに海賊盤となって世界中の音楽ファンを感動させていることが何よりの証拠である。
 
 
その音源が、ドイツのマイナーレーベル、アンドロメダから発売された。
 

ベートーヴェン:
1. 交響曲 第1番 ハ長調 Op.21
2. 交響曲 第2番 ニ長調 Op.36
3. 交響曲 第3番 変ホ長調「英雄」Op.55
4. 交響曲 第4番 変ロ長調 Op.60
5. 交響曲 第5番 ハ短調「運命」Op.67
6. 交響曲 第6番 ヘ長調「田園」Op.68
7. 交響曲 第7番 イ長調 Op.92
8. 交響曲 第8番 ヘ長調 Op.93
9. 交響曲 第9番 二短調「合唱」Op.125
10. 「エグモント」序曲 Op.84
11. バレエ音楽「プロメテウスの創造物」序曲 Op.43
12. 序曲「コリオラン」Op.62
【演奏】
12)ヴィルマ・リップ(ソプラノ)、ウルズラ・ベーゼ(アルト)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)、フランツ・クラス(バス)
ウィーン楽友協会合唱団
フィルハーモニア管弦楽団
オットー・クレンペラー(指揮)
【録音】
1,9)1960年6月7日
2,3)1960年5月29日
4,5,10)1960年5月31日
6,7,11)1960年6月2日
8,12)1960年6月4日

 
ちょっと迷ったけど、
クレンペラー・ファンのEmo君も関心を持つだろうと思い、発注した。もうそろそろ届く時分だが…
 
驚くことに
5月29日は、あのブルーノ・ワルターのウィーン最後の指揮となったウィーン・フィルとの「マーラーの第4番」を中心とした
演奏会と同日だ。
実際に、同じ会場ムジークフェラインザールを舞台に
「午前11時開始のワルター演奏会に続き、クレンペラーの演奏会は夜7時30分から行なわれた。
ともに外山雄三が聴いている。」
と、山崎浩太郎氏の記録に記載されている。
 
正規音源かといわれると、怪しいのだが、
パブリックドメインにはなっているはずなので、まあ、いいかな。
 
じっくり聴かせてもらいましょう。

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コメント

コメント(2)
No title
このチクルスは非常に有名ですね。ぼくがこの存在を知ったのは山崎浩太郎さんの文章だったかも。
フィルハーモニア管のEMI正規録音と、最晩年のバイエルン放送響のライヴは持っていますが、それさえ滅多に手に取ることがなく、このチクルスは躊躇しています…。
よって、気になるのはこのチクルスが別次元なのかどうか?レビューを楽しみにしています!!

Loree

2011/01/21 URL 編集返信

No title
1番と3番を、まず聴きました。
「燃えた」演奏ではなく、冷静にコントロールされたものなのですが、
音自体はがっしりとして一個一個の楽器の音圧が高く、一音たりともなおざりに住まいと言う楽員の気迫が伝わってます。
クレンペラー得意の管楽器の生かし方も手に取るように分かり、実演ならではの生々しさも加わり、たしかにすばらしい。
でも音質は、オンマイクで鮮明とはいえノイズカットのしすぎで押さえつけられたような音になっていて、聞き苦しさがあります。
全曲聴いてからそのへんは判断すべきでしょうが、これは正規音源でぜひ欲しい。
EMI全集をお持ちなら、急いで購入される必要はないのでは、と感じます。

yositaka

2011/01/23 URL 編集返信

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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