桂三枝の創作落語が絵本に

先日、桂三枝の独演会に行ってきました。
三人のお弟子さんの前座はあったものの、長い話を二つ、およそ一時間にわたって楽しませてもらい、人の「話す力」の豊かさを、いまさらながら感じた次第です。

ロビーではいろいろなお土産をお弟子さんたちが売っていたのですが、そのなかに三枝さん自作の絵本がありました。
絵は黒田征太郎。長新太にも似た、ラフな線、自由な色彩で仕上がっていておもしろい…と、手にとって見ていたところ、私の目の前でささっと三冊が売れて、残り二冊。在庫はもうないというので、思わず買ってしまったのです。
 
内容は、膨大な創作落語の中から、動物が主人公の作品を選びだしたとのこと。特に子ども読者を意識したものではありません。
しかしそれが幸い、社会風刺を利かせた、辛口の作品になっています。
文体は落語の口調そのまま。登場する動物たちのボケとツッコミの問答になっています。
ストーリーよりは言葉のやり取りそのものの面白さ。
でも、語り聞かせには力量が必要でしょう。ギャグやオチも、語り方次第で、生きも死にもするたちのものですから。

中学生相手に一部分読んでみました。
関西弁って、難しい。
でも、反応はなかなか良かったですよ。

『さよなら動物園』 http://www.amazon.co.jp/dp/4861930448




閉鎖間際の動物園が舞台。
チンパンジーのジャーニーとゴリラの武蔵さん、が動物たちの今後の身の振り方について、あれやこれやと心配する話。

「あわてて逃げだしたりすると、
人間に撃ち殺されるからな」
「そうですね。われわれを始末するには、夜、わざと檻の鍵を開けておいて
逃げたらズトーンですからね」
「そういうところ、人間はなかなか賢いからな」
「さっきはバカって言っていましたけど」
「人間ってのはな、
することはバカで、考えることはずるがしこいんや」

さてさて、リストラされた動物たちの運命は…






とん吉は、ある養豚場で暮らす豚。
食べることが生きがいに仲間に背を向けて、ひとりダイエットに励みます。その理由は
「おれ、ハムになとうないんや」

「なんでこんな生き方しかできへんねやろ。
食べられるしかないねんで」
「そやから食われる前に
思い切り食うて、もととろうや」
「そんなもんとられへん。
みんな、ハムやソーセージになるのに
抵抗はないんか? おれはいやや」

仲間たちは心配して、「食べろ、それがわしらの仕事やないか」と説得をこころみますが、トン吉はまったく納得しない。そしてさらにダイエットとトレーニングに励むのですが…


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Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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