カラヤンとLPレコード

CD時代以降はばっさり切り捨て、アナログLP時代に絞り込んで、カラヤンのレコードジャケットを中心に論じた書である。
文章で採り上げたレコード・ジャケットをすべてカラー図版で紹介している。

 
70年前後のクラシックLP全盛の時代に音楽への興味を沸き立たせたネコパパにとって、レコードといえばまずカラヤンが思い浮かぶ。
当時は、レコード会社がカラーのパンフレットや挟み込み広告などをたくさん作っていて、お金のない私はその小さな画像から、「実物」のジャケットを想像するのが大きな楽しみだった。
売れるということが最大の理由だろうが、中でもカラヤンのレコードジャケットは豪華だったように思う。少しでも多く聞きたい中高生が実際に購入するのは、味気ない統一ジャケットの廉価盤だったから、これら工夫を凝らした製品は街のレコード店でため息混じりに眺めるばかり。
いつかはお金を気にせずこういうのを好きなだけ買ってみたいものだ…
と考えるのが常であった。
 
本書は、そんな当時の空気を目の前に再現してくれる。演奏や音質についてはほとんど触れず、ひたすらマニア好みの周辺事項のみの記述になっているのは、気の置けない愛好家仲間のおしゃべりに入っていくようで、楽しい限りだ。
なかでも、ひとりのジャケットデザイナーによる連作が一望できることや、「コンセプト・アルバム」の選曲と配列が、隠されたテーマを持って、周到になされていることを一枚一枚解明していくくだりなど、読ませる。
もういちど手持ちのディスクを聴き返したくなったが…
残念。ネコパパの持っているのは相変わらず再編集された廉価盤ばかりなのであった。
 
 
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コメント

コメント(2)
No title
板倉重雄さんという方は、岡山出身なんですね。備中高梁の城主は板倉家でしたから、その末裔かなと思ってしまいました。経歴はHMVの店員をされてから、評論家に転じた人らしいですね。

SL-Mania

2010/09/30 URL 編集返信

No title
80年代は巨大レコード店が全盛の時代で、板倉さんのようなマニアックな店員さんが活躍した時期でしたね。このように別の道で活路を見出した方はよいのですが、ダウンロード時代の現在は忸怩たる思いで過ごしている方も多いのでは。文化を個人のものとして『所有する』価値について、考えさせてくれる本でした。

yositaka

2010/10/01 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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