ふたばの日、橦木館は大入り満員!

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蓄音機グループ「音聴箱」が、およそ3年ぶりに名古屋文化のみち橦木館で蓄音機コンサートを開催しました。記念イベントということで入館料なし、予約なしの60人定員。閑古鳥か、大入り満員か、メンバー一同気を揉みながら当日を迎えたわけですが…
結果は期待以上の大盛況でした。
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プログラムです。コメンテーターは順にITさん、IWさん、Mackieさん、そしてネコパパ。
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ネコパパのクラシックは実は、すべて会のリーダーのIKさんの架蔵品で、前回のウィルあいちの会でも楽しんだ盤。同じ盤の紹介がネコパパだとどう変わるのか、というIKさんの挑発的企画なのでした。

第1部はITさん。1950年代の洋楽ポップス名曲集。世の中は戦争、震災と望ましくない状況が続いていますが、そんな時こそ歌の力が必要ですね…とさん真摯な表情で語り起こすITさん、さすがです。「ケ・セラ・セラ-なるようになるさ」で始まって、雨を経て「バラ色の人生」に至るそれが「運命」…と、希望に向かうような選曲がすばらしい。
今回新たに導入されたIKさんのグラフォノーラ204のポータブルが見かけによらぬパワーを聴かせてくれました。

第2部IWさん。朝ドラ『ブギウギ』にちなんで笠置シヅ子の名歌が並びます。初めの2曲は戦前の発表ですが「アイレ可愛や」は戦前の録音がなく「センチメンタルダイナ」は昭和23年に再録音されたもの。ドラマの主役俳優の歌唱もなかなかですが、やはり本人の圧倒的な迫力には息を飲む思いでした。笠置の大先輩だった淡谷のり子のヒット曲に続いて、昨年亡くなった中村メイコを悼んで「田舎のバスで」最も古いラッパ型蓄音機が、歌にぴったりの空気感。アンコールは笠置の「東京ブギウギ」でした。

第3部はMackieさん。橦木館のかつての主、井元為三郎と「声の手紙」復刻についての貴重なお話を枕に、戦前のスイング時代を代表するジャズが次々演奏されました。とりわけ最後の「聖者の行進」にまつわる、アフリカ系アメリカ人が当時置かれた状況や葬送の有様についての説明は印象的で、サッチモの演奏がますます胸に沁みます。残念なのは、これらの問題が根本的な部分で未だ解決していないこと。ジャズがなぜこんなに素晴らしい音楽になったのか、改めて考え直してみたい気持ちにさせられました。

第4部は以前記したように、IKさんがウィルあいちで演奏した盤にコメントしたわけですが、敢えてベートーヴェンのトルコ行進曲も飛び入り追加。モーツァルト、ベートーヴエン、そしてシューベルトの「軍隊行進曲」、いずれも同じトルコ風のリズムを持っています。それは、16世紀まで続いたオーストリア帝国とオスマン帝国の戦争の残照。敵国のはずのヨーロッパ人たちは、トルコ文化に強い憧憬を抱き、自分たちの生活文化に取り入れたのです。一方オスマンの中心たるトルコ人たちも、18世紀以降は、融和政策をとるようになっていく。戦争と文化交流が、トルコ風のリズムで交代していく不思議さを思いながらのコメントになりました。

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コメント

コメント(6)
手拍子のリード、見事でした。
始めたばかりのブログ(https://secondfoundation2023.blog.fc2.com/)にレポートみたいなのを、書かせていただきました。
リアルネコパパさんにお会いでき、嬉しかったです。

O.F.

2024/02/09 URL 編集返信

yositaka
Re:手拍子のリード、見事でした。
O.Fさん

お目に書かれて光栄です。ブログ、拝見しました。初対面で、なんとも
恥ずかしい所をお見せしてしまいました。やれやれ。今後も懲りずにお付き合いいただければと思います。

追伸 貴ブログにもコメントを送ろうとしましたが送信不調です。そこで、「拍手コメント」欄にコメントしました。たぶん、送られていると思います。よろしく。

yositaka

2024/02/09 URL 編集返信

撞木館で再び蓄音機を聴く
ネコパパさん

IKさんの3台の蓄音機大切にメンテナンスされていて素晴らしい再生音でした。
グラフォノーラ204>新品同然のポーダブル蓄音機でしたが・・・私の想定外に大音量でも音割れも無く活き活きとした音でした。
歌声の中音域は、実にリアルで若々しい(若い時の録音だから当然ですね)
中でも中村メイ子の「田舎のバスで」コミカルな歌い回しは聴いていて楽しかったです。
ネコパパさん「ラデッキー行進曲」の手拍子指揮は、前回より洗練されましたね~。

橦木館をたてられた井元為三郎氏と「声の手紙」> 6”Victor Home Recording record blankに1930年のRCA電気録音機で録音されたものでした。
再生には、材質が「ビニライト」の為 軽針圧で針先が5ミル以上の78rpmプレーヤが必要です。為三郎氏の鮮明な声を聴くと昭和初期のアメリカの家庭録音レベルの高さと為三郎氏の行動力には驚きます。尚、再生音声は、CD化して井元さんにお渡ししてあります。

チャラン

2024/02/10 URL 編集返信

yositaka
Re:撞木館で再び蓄音機を聴く
チャランさん

今回もはるばるお越しくださり感謝です。204の登場は意外でした。みると本体は古いですがかなりしっかり整備、改修されていていい状態です。もとのオーナーが大切にしていたことがわかります。こういうのも蓄音機の愉しさですね。同じ個体がないという。
「田舎のバスで」ラッパ式が気分良く音を出してくれました。
手拍子はIKさんの要望でしたから仕方なくやったのですが、皆さんよくノッテくださったので、しらけずに済みました。
橦木館は大富豪の井元為三郎氏の邸宅ですが、蓄音機関係は遺品として残っていなさそうなのが残念です。おそらく、高級な電蓄があったと思われますが、そのために却って残らなかったのではないかと想像します。電蓄は壊れますからね。

yositaka

2024/02/10 URL 編集返信

皆さんへ
O.F.さん
ネコパパ氏を出し抜いて貴ブログにコメント一番乗りを果たしました。今後も我々の仲間の蓄音機の活動にご参加くださいね。

ネコパパさん
私の挑発的企画(?)に応じて頂きありがとうございました。やはり「餅は餅屋」ですね。それにしても大勢の方が参加されましたね。橦木館の発信力が優れているのか「蓄音機」の音に惹かれたのか? 大金を投じて米国のオークションサイトE-BEYで購入した貴重品のサッチモの「聖者の行進」60人の方に聴いて頂いたのでモトが取れた気分です。INさんの名解説が更に価値を高めました。ラレツキー行進曲の観客の拍手、皆さん、ノリノリで楽しんでいました。(指揮者の斎藤さんは絶対に許さないのかな?)

チャランさん
3台の蓄音機並べました。本当はINさんのクレデンザも運び入れて4台並べたかったのですが大変なのでやめました。メンテナンスは若きエンジニアFさんにお願いしました。ポータブル機は安く入手したのですが音が気に入らずFさんに相談したら「サウンドボックスをメンテナンスすれば良くなると思う」とのことでお願いしました。修理代、部品代は本体価格を大きく上回りました。前の持ち主は北海道の蓄音機マニアS.Yさんと言う方です。何十台もの蓄音機を所有しているようです。17日は大曾根のKサロンで解説を頼まれました。久しぶりのアメリカンポップス尽くしです。

IK

2024/02/10 URL 編集返信

yositaka
Re:皆さんへ
IKさん

今回も会場の手配から準備と、しっかりセッティングしてくださったおかげていい蓄音機コンサートになったと思います。ポータブル蓄音機204の音もいいですね。前オーナーが古い機器にしっかりメンテと補強をほどこして、世界に一つの作品に仕上がっているのも好感度が高いです。
音響ですが、和室は反射音が少なく、蓄音機のストレートなホーンサウンドには合っていると思いました。盤の音そのものが伝わります。一方、時代に合わせることも大事で、最も古いラッパ型は1930年代の録音くらいまでが適正範囲で、戦後になるとさすがにダイナミックレンジについていけない気がします。事前にどれを何でかけるかを大体決めておくとよいのではと思いました。もっとも「田舎のバス」は逆に良かった気もします。単純にはいきません。

yositaka

2024/02/10 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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