弦楽の巨匠たち

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RCA(日RVC) RCL-1528-33 Ⓟ1986

4人のヴァイオリニストと2人のチェリストのSP復刻盤をそれぞれ1枚ずつ収録したボックスセット。
こんなセットが発売されていたのは全く記憶にない。同社は「赤盤復刻シリーズ」という復刻企画をかなりの数出していたが、今確かめてみると発売は1979年で、このボックスはそれより後の発売。内容も再編集されていて、クライスラーなどは同じタイトルの赤盤復刻シリーズよりも6曲も曲数を増やしている。そのクライスラー、カザルスなど既に加増しているものもあるが、ジンバリスト、フォイアマン、ハイフェッツ、エルマンの4枚は未架蔵だったので迷わず購入した。価格は1550円。

音質はあまり手を加えずに復刻したと思われ、針音もカットされず、往時の雰囲気濃厚な生々しさだ。
このうちジンバリスト、ハイフェッツの2枚は全曲1924年以前の機械録音だが、若干細めの音とはいえ、十分な生々しさを持っているのがすばらしい。
ジンバリストはどちらかというと、ポルタメントを多用した古いタイプの、どちらかというとムーディーな傾向のヴァイオリニストと思っていたが、ここに含まれたレーガーの無伴奏ソナタからの「アンダンテイーノ」には意外に真摯な一面が聴ける。曲目も面白く「小犬のワルツ」のヴァイオリン版なんて、滅多に聴けない珍品だ。
フォイアマンは、カザルスの後継と目されながらも夭折したチェリスト。演奏スタイルはカザルスとは対照的に細身で繊細、師ユリウス・クリンゲルから受け着いた「伝統的チェロ奏法」の完成形にして、現代のチェリストに通じる冴えた技巧と反応速度の敏捷さ、瑞々しさがある。
曲目も凝っていて、「シェロモ」はおそらく初録音、ダヴィドフの「噴水のほとりで」や「オーヴェルニュの歌~ブレー」も初めて耳にするが、なかなかの魅力作である。「夢のあとに」はカザルスとの聴き比べができる。音色もアクセントの付け方も、歌いまわしも全く違い、どちらかと言えばフォイアマンの方が「泣き節」になっているのが面白い。

ブックレットの解説は赤盤復刻シリーズのものを転用せず、藁科雅美氏に新原稿を依頼している。
演奏内容よりはエピソード紹介を重視した、味わい深い内容だ。えっ、と驚く情報もある。ジンバリストの息子はテレビドラマで親しまれた俳優、ジンバリスト・ジュニアだが、実は父と同様クラシック音楽に造詣が深く、ヴァイオリン・ソナタの作曲も残していることとか、クライスラーとエルマンの優劣についてファンは熱烈に議論し、対立したが、当の二人は大の仲良しだったとか、ハイフェッツが1960年代急速に演奏回数を減らしたのは、自宅近所の商店で足を滑らせ腰を強打したことが原因だったとか、この解説だけでも価格以上の価値がありそうだ。
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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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