山田耕作VSプランタン管弦楽団

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曲目の珍しさと中村暢宏の指揮に期待して出かけたコンサート。
演奏内容に比して、集客が今一つだったこのアマチュアオーケストラだが、今回は芸文コンサートホール7割の入りで、お客さんの反応も良かった。喜ばしいことである。

さて1曲目は、山田耕作が1912年に作曲した、日本で最初の交響曲。
Wikiiによると、名称の由来は、初演直前に第一次世界大戦が勃発したためということだ。1912年11月8日にドイツのベルリンで、ベルリン高等音楽学校の卒業作品として合唱曲『秋の宴』とともに完成された。ベートーヴェンの交響曲第5番を模範としたというだけあって、4楽章形式、遅く重々しい主題から始まり、丹念に展開され、明るく晴れ晴れとしたフイナーレに向かって進んでいく。
初めのうちは、え、これが日本で最初に書かれた交響曲?その割には余裕と自信に満ちた進行。山田耕作ってたいしたもんだな、と思って聴いていたのだが、響きに色彩感がなく、展開も型通りでだんだんと退屈になってしまう。第3楽章以降は土俗的なフレーズも出できて、やや持ち直した。
もう少し短いものとお思っていたが、意外にこれが大作で35分くらい。これも「運命」に倣ったのだろうか。

ここで休憩となり、後半は「レオノーレ第3番」から始まった。音がパッと明るくなり、演奏にも明らかにキレが出たことがわかる。そしてメイン曲のドヴォルザーク6番だが、個人的には親しんでいる曲でもなく、テーマも思い出せないくらいだった。
でも、これがよかった。もう最初から生命力が溢れる。それだけではない。オーケストラの音自体が全く違う明瞭さと立体感があるのだ。ダイナミックの幅も広い。聴き始めの3分でたちまち持っていかれてしまった。第6番ということで、ドヴォルザークの「田園交響曲」と呼ばれたりもするが、牧歌的なフレーズが第1楽章から多いことは確かだ。
がっちりソナタ形式で書かれたこの楽章がまた長大で、先がちょっと心配になるが、緩徐楽章は短くまとめ、第3楽章は得意の野性味が沸騰するスラヴ舞曲風。ここで大拍手が起こってしまった。続くフィナーレは、ゆったりとはじまってじりじりと盛り上げ、最後は猛烈なティンパニ連打を伴ったお祭り騒ぎとなる。
中村の指揮は、まさに水を得た魚のような俊敏さと雄弁さにあふれたもの。

これだけでもう、2時間30分近くかかってしまったが、中村氏はいつものようにスピーチして、最後に驚きのアンコール曲を持ってくる。「おそらく名古屋初演」という、山田耕作自身のオーケストラ伴奏編曲版「赤とんぼ」。そのために歌手も依頼済みだった。これを聞くと、山田耕作、管弦楽よりも歌の人、オペラの人だったことが実感されてくる。
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Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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