3月21日夜、ネコパパはシュレーゲル雨蛙さんとともに、大阪・難波のジャズバー「トップランク」に出没していました。
昼間、大阪中央図書館で開催された児童文学の発表会『日本児童文学が宮沢賢治から受け取ったもの』を一緒に拝聴して、久々に「では夕食を」という嬉しい話になったのです。
お会いできたのは、3年ぶりくらいでしょうか。雨蛙さんもご自身のブログに『蛙も歩けば猫に当たる』という記事に書いてくださいました。
「トップランク」では話が弾みました。
なんといってもお店の雰囲気がいい。マッキンとJBLのシステムで聴き心地のいいジャズが流れていましたが、見回すと、店内はLP、CDだけじゃなく、あらゆる音楽メディアが山をなしていました。
お宝の山。
中でも目を引いたのは、カウンターの片隅に置かれていた蓄音機です。
おそらく、Victrola VV-IⅩと思われます。マスターのお話では1915年製造の純正部品の個体とのことでした。
写真は撮らなかったので参考画像を張り付けておきます。
蓄音機のターンテーブルに乗っていたのはV-Diskです。
これまた貴重な…と思ったネコパパが、雨蛙さんに、米軍兵士に向けて戦地にパラシュートで投下されたV-Disk…「音楽の現物支給」の話をしていると、マスターが「まだあるよ」と、50年前に入手されたという、大きなアルバムに入った貴重なV-Diskコレクションを取り出してこられ、そこから「塩化ビニール製」の一枚を取り出して…
参考画像
聴かせてくださった。
のちのLPと同じ、塩化ビニール製なので、針圧の重い蓄音器で掛けるわけにはいかず「電蓄」での再生です。
機器は昭和30年代初頭のナショナル製。幼少時、ネコパパ宅にあったものと同類ですが、こちらはちゃんと本体にスピーカーを内蔵した高級品でした。
この音がまた、素晴らしかったのです。
故障していたものを3年かけて業者を見つけ出して、稼働できたとのことでした。
いやすごい。ほんとに。
この電蓄では、これまた珍しい、美川憲一のソノシート盤も聴かせてもらいました。こういう音の良さは、ちょっと形容の言葉が見つかりません。50年前に時間が巻き戻ったような。
まさに異界への入り口です。
久しぶりにお酒もいただいて、歓談すること3時間弱。蛙も猫も赤くなりました…そのあとは、近鉄難波駅に歩き、シュレーゲル雨蛙さんは神戸へ、ネコパパは名古屋へ。乗った電車が近鉄の新鋭特急車両(運行開始2020年3月14日)の「火の鳥」ということで…
件の俳句ができた、というお話でありました。
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コメント
東京や大阪でないと、こういう感じにはなりませんよね。(名古屋、神戸、横浜でもありますかね?)
ブログ友とリアルでの対面とは良いですね。
近鉄特急・火の鳥、戦隊ヒーローが出てきそうなフォルムと色合いですね。
不二家憩希
2023/03/23 URL 編集返信実は、同じビルの3階にもジャズ喫茶「bird/56」があったことが、あとで調べて判明しました。さすがにこういうことは、大阪ならではという気がしました。
大阪中央図書館へは、おそらく再訪問の機会もあるでしょうから、次回は2軒ハシゴといきたいものです。
yositaka
2023/03/23 URL 編集返信三階にあるのですか? 三階と記されているHPの電話であの店に繋がったです。確かめておきます。
神戸のjamjamやM&Mやjavaあたりが行動範囲でした。大阪は以前各地の古書店、日本橋のレコード屋、オーディオ屋あたりがたまーに行く程度でしたが、新コロ難儀以降、仕事以外で淀川向こうの店に入ったのは初めてです。そろそろコロナ冬眠の終わりかな。また参りましょう。
シュレーゲル雨蛙
2023/03/23 URL 編集返信https://www.kobejazz.jp/jazz_report/vol127.html
https://www.kobejazz.jp/jazz_report/vol92.html
このサイトをこらんください。
二軒とも紹介されていました。
おしゃれな雰囲気なら「bird/56」ですが、魔窟の魅力は「トップランク」という気が…さて雨蛙さんが電話されたのはどちらのお店だったのでしょう?なんかこれだけで富安陽子さん好みの異界のファンタジーのネタになってしまいそうです。いずれにしても、行ってよかった!
いつか神戸のお店も紹介してください。神戸で発表会や学会が開催されると、出かける言い訳ができるんですが。チャンスをうかがいます。
yositaka
2023/03/23 URL 編集返信購入してから行方知れずになっていたV-disc536が出てきました。
A面は、ホーギー・カーマイケルのボーカルとピアノ 演奏でスターダスト他
B面は、カルメン・カヴァッラーロのピアノ 演奏でダンシング・イン・ザ・ダーク他
1945年11月録音 豪華オリジナルの良い演奏です。
戦争のいい悪いは別にして米国では前線の兵士に飛行機からV-discを投下し聴かせる。片や竹やりを用意・鉄拳や精神棒で敢闘精神を注入されたとの証言・・・親・教師が子供に・・・上級生が下級生に・・・指導のもと体罰を与える。私の子供の頃は、それが安易に当り前とされていましたね。
チャラン
2023/03/25 URL 編集返信V-discはたしかに戦勝国アメリカの余裕を象徴する物品でした。
それが占領下の日本国内に大量に出回り、ラジオ放送とともに日本の大衆音楽を育てる一助となったことはなかなか数奇なことです。カーマイケルの「スターダスト」も、そうして育ったプロモーターやミュージシャンが芸能界の大海に乗り出す足掛かりとなった名番組「シャボン玉ホリデー」のラスト・テーマとして有名になったのでした。いろいろな意味で日本にとって忘れがたい記憶が刻印された盤ですね。
50年前「トップランク」のマスターは難波の中古店に何度も足を運んで2ダースものV-Diskを発掘したそうであります。
yositaka
2023/03/25 URL 編集返信