チェリビダッケ指揮ブルックナー第8交響曲INリスボン

驚いた。YouTubeでこんなのも聴けるんだ。セルジュ・チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。ブルックナーの交響曲第8番。
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知る人ぞ知る、ってやつです。
1990年代から、グリーンヒルだったかな、非オーソライズド盤として、ディスクショップに並んでいたものです。最近は遺族の了解も出ているのでしょう。正規盤として発売されています。タワーレコードの惹句によると「チェリビダッケの最高傑作にしてブルックナー演奏の頂点、とまで賞賛される伝説の名演」で、普通のCDのほか、XRCD、SACD、LPでも発売される。クラシックファンにとってはちょっとした「お祭り」です。
これがあっさりとYouTubeにアップされている。
音質も、うちの家電オーディオで聴く限りでは、十分良好です。今朝、他の動画を見ていたら、特に検索していないのに、偶然これに繋がっちゃって、そのままずっと聴いてしまいました。

ネコパパは同じ演奏者による1990年の日本公演のTV放送を見て、これはとてもすごい、異形のブルックナーだと思いました。テンポは遅く、微に入り細を穿ち、なによりも、座って叩いているのに大変な凄みのあるティンパニの打撃にいかれた。当時のミュンヘン・フィルのティンパニ奏者、ペーター・ザードロの名を世に知らしめたコンサートでした。
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で、この『伝説の』リスボンはその4年後、1994年4月23日の演奏です。

東京演奏とリスボン演奏の違いを言及できるといいんだけど、そこまでは真剣に聴いていない。
基本的には同じような「遅いテンポで微に入り細を穿つ」演奏。あくまで一聴した感じでは、リスボンの方がわずかに音が軽く抜けて、浮遊感があると言えるかもしれません。

実を言えばネコパパは、チェリビダッケのブルックナー、進んで聴きたいと思うほうじゃないんです。なぜなんだろう。これまで書いたことなかったっけ。では少しだけ。「考え」をもつのは大事なことだと思うから。

テンポの遅い演奏は、いつも書いているように、決して嫌じゃないんです。けれども、チェリビダッケの作り込み、彫琢したオーケストラの音そのものが、言い方は難しいけれど、表面を「秘伝のタレ」で光らせたような感じがあって、どうもそれが、ネコパパの好むブルックナーの「好みの味」とは違うみたいです。
この演奏で言うと、例えば第3楽章のアダージョ。テンポは遅いのですが、音そのものはやや軽くて抜けがいい、爽やかとさえ感じられる響き。それが耳には心地よくても、どこか地に足がつかないといったらいいか、空虚な感じが漂っている気がする。敢えて言うと、表層の美感にとどまっている。
フイナーレでも、サードロの名技と相まって、雄渾な部分、強い音が出良いる場面はかっこいいけれど、音楽が落ち着いてくると「それ」が気になってくる。

もちろん、これはネコパパ個人の好みで、ひとつの「絶対」あるいは「極北」に達した表現なのは間違いなく、いったん聴き始めれば、有無を言わせず惹き込まれてしまうわけです。
これもまた事実。
音楽というのは簡単に善し悪しを言えるものじゃない、好き嫌いも。だから面白いんですよ。

興味をお持ちの方は、ご一聴を…



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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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