音楽を楽しむ会・オペラの世界①モーツァルト

20200208174258fab_202007112247158dc_202202121624499fc_20230211220212a00.jpg
豊明市立図書館自主企画
2023年第2月11日(土)午前10時~12時 (毎月第2土曜日開催)

今月のテーマ オペラの世界①モーツァルト

< ドイツ・オペラ名曲集 >

今月から月まで、3回にわたってオペラを特集します。
と言っても、全曲は長いので、抜粋で聴くことになりますが、もし興味を持たれた方は、ネット環境がある方であればYOUTUBE等で全曲が聴けますし、NHKBSやWOWWOWでも盛んに放送していますので、まずは無料で聴けるものからお楽しみいただくのもいいかもしれません。
さて第1回の今回はドイツ・オペラです。これはドイツ語で書かれたオペラを指しています。
「音楽の国」と言われつつ、この分野でドイツ・オーストリアは、歴史的にイタリアに大きく立ち遅れました。ドイツ・オペラの始まりはハインリヒ・シュッツの『ダフネ』(1627)と言われますが現在楽譜は散逸して聴くことができません。続く作曲家はモーツァルトですが、彼も伝統にのっとってオペラは主にイタリア語の台本で書き、ドイツ語で書いたものは3作しかありません。
今回ご紹介する『フィガロの結婚』も、いまだ伝統にのっとり、イタリア語で書かれました。

1 「フィガロの結婚」序曲(モーツァルト)
ジョージ・セル指揮 クリーヴランド管弦楽団Ⓡ1963

モーツァルトが1786年に作曲したオペラ。古今のオペラの中でも傑作にして人気作です。リブレット(台本)は、ボーマルシェの戯曲を元に、イタリア人台本作家ロレンツォ・ダ・ポンテがアレンジ。
ボーマルシェの戯曲は問題作でした。
内容は貴族に仕える家臣フィガロの結婚式をめぐって展開するドタバタを通じて、貴族を痛烈に批判したもので、民衆には大人気でしたが、支配層には腹正しいものということで、たびたび上演禁止に。
このような作を取り上げ、神聖ローマ皇帝ヨーゼフ2世のお膝元、ウィーンで上演しようと企んだわけですから、大胆な二人です。これには策士ダ・ポンテの皇帝の懐柔が功を奏したとも言われていますが(ダ・ポンテが自伝でそう書いている)実際はどうだったのでしょう。。
初演はウィーンのブルク劇場で1786年5月1日に行われました。モーツァルト30歳。ひとまず好評を得たものの、当時としては3時間は長すぎたり、反対勢力の圧力があったりで、ロングランにはなりませんでした。しかし、当時オーストリア領だった隣国ボヘミア(現在のチェコ)の首都プラハでは、空前のヒットとなり、街中に歌が溢れ、モーツァルトの名も大いに高まったと言われます。
この「序曲」は、モーツァルトの曲でも一・二を争う人気作で、単独でもしばしば演奏されます。

2 「後宮からの誘拐」から「偉大な太守を讃えよう」(モーツァルト)
オトマール・スウィトナー指揮 レスデン・シュターツカペレ、ドレスデン国立歌劇場合唱団Ⓡ1962

モーツァルトが1782年に作曲した、三幕からなるドイツ語オペラ。『後宮からの逃走』とも。
台本はクリストフ・フリードリヒ・ブレッツナーが前年に発表した戯曲を、ゴットリープ・シュテファニーが改作したものです。原作者に無断だったことでひと悶着あったようですが…
ストーリーは、主人公の貴公子ベルモンテが、トルコ軍に拉致された恋人のコンスタンツェをトルコ人領主セリムの後宮から救い出すというもの。当時一世を風靡したトルコ趣味が、濃厚な面白いつくりになっています。
溌剌としたリズムと親しみやすいメロディにあふれ、台詞をふくめた上演時間もやや短め。

3 「オイリアンテ」~「狩人の合唱」(ウェーバー)
4 「魔弾の射手」~「狩人の合唱」(ウェーバー)

「魔弾の射手」はウェーバー34歳の時に書かれ1821年初演されたドイツ・オペラで、稀に見る成功をおさめ「最初のドイツ国民オペラ」と絶賛されました。民話的な物語に、素朴で力強いドイツ的な活力あふれる音楽が支持されたのでしょう。この「狩人の合唱」は、ホルンを多用したオーケストラの扱いも独創的です。
この成功に気を良くしたウェーバー、2年後の次作「オイリアンテ」でも同様な合唱曲を書いていて、さらにパワーアップしています。ただ、こちらは中世騎士物語風のストーリーと旧スタイルのオペラ・セリアに近づけた堅苦しさに新鮮味がなく、オペラとしては不発でした。

5 「ウィンザーの陽気な女房たち」~「月の出の合唱」(ニコライ)

オットー・ニコライはウィーン・フィルの創設者としても有名な作曲家、指揮者。
1849年作のこのオペラはニコライの最後の作品で、大成功を収めました。シェイクスピアの喜劇に基づく3幕物で、バレエを伴う幻想的な雰囲気のオペラです。
「月の出の合唱」は冒頭で歌われるもので、真夜中の森の月夜の情景を歌うもの。終わり近くで真夜中の12時を告げる鐘の音が聴こえてきます。

6 「ローエングリン」~婚礼の合唱(ワーグナー)
7 「タンホイザー」~大行進曲と合唱(ワーグナー)
以上5曲 オトマール・スウィトナー指揮 ベルリン・シュターツカペレ、ベルリン国立歌劇場合唱団Ⓡ1978

「ローエングリン」は1850年初演。「歌劇王」(楽劇王?)ワーグナー、最後のロマンティック・オペラと呼ばれる作品。
第3幕冒頭の「婚礼の合唱」は、オペラを離れても宏親しまれている、あのワーグナーの「結婚行進曲」です。
婚礼を終えた貴族の花嫁エルザを寝室に導く場面転換の音楽ですが、直後に怒る悲劇的な場面との鮮やかな対比を生み出しています。
その一つ前の作品「タンホイザー」は、1845年に作曲されたワーグナーのロマンティック・オペラ時代を代表する人気作。これは騎士たちの歌合戦の開幕を告げる「見せ場」の音楽で、トランペットのファンファーレに導かれて入場する群衆が、芸術と漁師を讃えて合唱するというもの。


■蓄音機で聴くクラシック■

8 「フィデリオ」~アリア「悪者よ!どこに急ぐのか」(ベートーヴェン)
キルステン・フラグスタート(ソプラノ)ユージン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団Ⓡ1937

「フィデリオ」はベートーヴェンが完成させた唯一のオペラです。堅物のベートーヴェンは当時世俗的なイベントだったオペラには相性が良くなく、本作も三角関係や愛欲の泥沼とは全く無縁の、道徳的?オペラになっています。
ストーリーは、主人公レオノーレが「フィデリオ」という名で男性に変装して監獄に潜入し、政治犯として拘禁されている夫フロレスタンを救出するというもの。1805年に第1稿が初演されて以来、何度も改稿が重ねられ、最終的に1814年に今日残る決定稿が初演されました。これからお聴きいただく最も有名なフィデリオのアリアは、「フロレスタンを殺してしまおう」という総督と牢番の相談を物陰で聴いたレオノーレが「悪者よ、どこへ急ぐのだ」と怒り、やがて「来たれ希望よ」と切々と歌いあげられます。20世紀最高のワーグナー歌手と言われたフラグスタートの歌唱でお聴きください。

< 映像で楽しむ、オペラ「フィガロの結婚」>

9 「フィガロの結婚」(モーツァルト)から

 「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」
 「愛の神よ、救いませ」
 「恋とはどんなものかしら」
 「とうとう嬉しい時が来た~恋人よここに」~フイナーレ

クヌート・スクラム(バリトン、フィガロ)
イレアナ・コトルバス(ソプラノ、スザンナ)
フレデリカ・フォン・シュターデ(ソプラノ、ケルビーノ)
ベンジャミン・ラクソン(バリトン、伯爵)
キリ・テ・カナワ(ソプラノ、伯爵夫人)

ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 指揮 ジョン・ブリッチャード 演出 ピーター・ホール
収録 1973年グラインドボーン音楽祭


時は18世紀、舞台はスペイン、セヴィリャのアルマヴィーヴァ伯爵の館。
伯爵の従者フィガロと、同じく伯爵家の女中スザンナの結婚式当日の話です。フィガロはスザンナから驚きの事実を聞きます。それは、二人の主人である伯爵が、スザンナを誘惑しているというのです。フィガロは怒って、伯爵をこらしめる作戦を考えます。
第1幕の最後は、女好きが過ぎて伯爵の怒りを買い、軍隊行きを命じられた小姓ケルビーノをフィガロがからかって「ケルビーノ、いざ勝利へ!軍隊へ!」と歌い上げる有名なアリアが歌われます。
第2幕が始まると、伯爵夫人が登場。夫の愛が冷めてきたことを悲しんでアリア「愛の神よ」を歌います。
そこへフィガロとスザンナがやってきて、伯爵に一泡吹かせる作戦を練ります。それはケルビーノにスザンナの服を着せて、伯爵を驚かせようというものでした。そこへ「恋とはどんなものかしら」と能天気に歌うケルビーノが登場。スザンナがケルビーノに女装をさせますが、その途中で伯爵が現れて大混乱。作戦は失敗します。
第4幕では新たな変装作戦が目のくらむようなスピードで展開します。屋敷の裏庭でスザンナは伯爵に気があるふりをして 「とうとう嬉しい時が来た」と歌います。スザンナと密会する約束をとりつけた伯爵は、スザンナの服を着た伯爵夫人をスザンナと思い込んで誘惑します。夫人は何も知らない伯爵に正体を明かし、驚いた伯爵は深く反省して夫人に陳謝。夫人は寛大に夫を許し、一同めでたしめでたしとなります。


さて、次回もオペラ特集です。
五年 豊明市立図書館音楽を楽しむ会2023第3回ネコパパチラシ_page-0001


関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメント(2)
オペラを視聴する
ネコパパさん

今回初めてオペラを熟睡せずに視聴出来ました。
私は、今まで極端ですが言葉やストーリが分からずまるで「英語の歌舞伎」を視聴している感じでした。
日本語訳のオペラは、文法やイントネーションが、曲に合わず古い文語調の甲高い歌声に辟易していました。
今回、映像の的確な字幕とネコパパさんの解説により情景が分かり美人・イケメンの役者を観たければ目を開け、流れるような演奏は、目を閉じて聴いていいました。(けして爆睡していません)
又、字幕により言葉が分るとイタリアとドイツのオペラの違いを聴き比べしたくなりました。
次回は、オペラの120分は長すぎますので元合唱部の幽霊部員は、短い歌曲を聴きたいですね。

チャラン

2023/02/12 URL 編集返信

yositaka
Re:オペラを視聴する
チャランさん

毎度ご来場、ありがとうございます。
まあ『フイガロ』の台本の良さとスピーディな展開は、オペラでは例外的と言って言い出ですから。ちょっと長いけれど、オペラ入門にはぴったりだと思います。デアゴスティーニ『オペラ・コレクション』DVDの字幕も、なかなかセンスがあっていいですね。昔NHKで放送された時の字幕に比べてこなれていると思います。

次回は後半は『セビリヤ』ですが、前半はバラエティに富んだ選曲を考えています。

yositaka

2023/02/12 URL 編集返信

コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

ご訪問ありがとうございます

月別アーカイブ

検索フォーム

QRコード

QR