懐かしのオペラ歌手-謎の復刻盤。

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名古屋大須で手に入れた2枚組LP。
未使用に近い盤が100円。ジャケットの雰囲気からしていかにも大須らしい。そう思って面白半分に入手したのだが、非常に聴きごたえがあった。チープな外観からは想像できない、音質の良さ。
1枚目A面のエンリコ・カルーソーは音量レベルは低めだが、SPで再生しているみたいな生々しい音がする。
よく出回っているオーバーダビング盤ではなく、ちゃんとオリジナルの機械録音の音で入っている。
B面のジーリの声は、音量も上がって一層素晴らしい。2枚目のシャリアピンも。「蚤の歌」も「ヴォルガの舟歌」も日本録音のピアノ伴奏版ではなく、オーケストラ版なので古いビクター盤のはずだ。
シャリアピンのマスネ「エレジー」は初めて聴くが、歌唱も録音も、感動的だ。
とにかく、復刻の状態が良好なのが驚きで、表面ノイズや針音は残されているが、音の情報量が大きいので、あまり気にならない。同時期の東芝GRシリーズの、ノイズを除去した古めかしい感じの音とは対照的だ。

発売はテイチクでメトロノーム・レーベルとある。発売年は書かれていない。
テイチクがメトロノーム・レーベルでクラシックのSP復刻盤を出していたのは、記憶を辿ると1970年頃。この盤も、ジャケット裏の価格のところに1973年のオイルショックを受けた「値上げシール」(2000円→2600円)が張ってあることから、それ以前の発売で間違いない。
ただし出たのは、ワルターの1920年代のワーグナーなど、ほんの数枚だった。今考えてみれば初復刻の貴重なものだったが、ジャケットも(ご覧の通り)ダサく、何となく怪しく感じていた。案の定、売れなかったらしくすぐに廃盤になっていた。
誰が、どんな方法で復刻したのか、マニアックな情報は一切書かれていない。
解説は音楽評論家、宮沢縦一氏で、歌手の来日時のエピソードなどが紹介された面白い内容だが、音源については触れていない。ネコパパの買ったものにはついていなかったが、ネット検索すると帯には「オリジナル原盤による」と書かかれている。「オリジナル原盤」とはなにを指しているのか、よくわからないが「音質には自信があるぞ」といいたげな惹句ではある。
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70年代後半、テイチクはドイツ・ハルモニア・ムンディやMPS、インターコードなどと契約してクラシックの分野に本格的に乗り出すが、こうしたSP復刻盤は出さなかったようだ。
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コメント

コメント(4)
なんか大須ぽいです!
見たことないです。雰囲気あるジャケットです。
音がよいというのも、よかったです。
テイチク(帝国蓄音機)といえば(記憶で書きますが)、五味康祐曰く碁敵は憎さも憎し懐かししみたいな碁敵の間柄だというオーディオマニア、奈良に住んでいた南口(名前失念)という人の会社だったかと。その時代のものでしょうか。

シュレーゲル雨蛙

2023/02/10 URL 編集返信

yositaka
Re:なんか大須ぽいです!
シュレーゲル雨蛙さん

1931年(昭和6年)2月、吉川島次と南口重太郎が合資会社帝国蓄音器商会を設立。本社・工場を奈良県奈良市に、事務所・録音スタジオを兵庫県川辺郡川西町(現在の川西市)花屋敷においた。1934年に帝国蓄音器株式会社に改組…(ウィキ)とのことですから古い会社ですね。たしかに出自は奈良です。演歌・軍歌が主力だったのにクラシックをはじめたのは、1951年(昭和26年)重太郎氏死去を受けて二代目の 南口重治が新社長に就任したとき行われた米デッカとの契約が1969年に切れて洋楽の販路が亡くなったことが背景にあるのかもしれません。それにしても、ウィキにはクラシックを販売していたことには全く触れていませんね。

さらに検索すると1971年に当盤と同じUDL規格でクラシック1000円盤を一挙発売し、同時にSP復刻も始めていたことがわかる広告が出てきました。
https://blog.goo.ne.jp/hirochan1990/e/7537868884928c99a979dbe2801b9074
この「歴史的名盤シリーズ」の第2弾以降にワルターのワーグナーも出たわけですね。以上から「懐かしのオペラ歌手」も、発売は概ね1971年か72年で、歴史的名盤シリーズと同じスタッフが復刻したと思われます。

yositaka

2023/02/10 URL 編集返信

Re: Re: なんか大須ぽいです!
> 広告が出てきました。
あ~、面白い。ところで、このご紹介のブログの URLに、「hirochan」が入っていますね。“あの”HIROちゃんさんとは別の方のようですが…。
ジョージ・ハーストのベートーヴェンは Pye原盤でしょう。ティボール・ヴァルガのベートーヴェン(ホルヴァート指揮! )やモーツァルトは…どこかな。
ヴァントのバルトーク、マクサンス・ラリュー四重奏団は、Harmonia Mundi(まだ独仏分かれる前の? )原盤でしょうか。Harmonia Mundiの日本国内発売を始めたのはテイチクでしたね。
このあとくらいに、Pye原盤のバルビローリをいっぱい出してました。

> 解説は現在も活躍している音楽評論家、宮沢縦一氏で、
宮沢縦一氏は、Wikiを見ると 1908年生まれで、さすがに 2000年に91歳で逝去されています。
昭和34年刊の『オペラ対訳全集』(平凡社)には、「オペラ夜話」を連載していて、『オルフェオとエウリディーチェ』を収載する第1巻には、日本最初のオペラ公演が、明治36(1903)年の当該作品だったことが書いてあり、一般に知られている知識のようですが、私は初めて知って「へぇ~」と思いました。

へうたむ

2023/02/12 URL 編集返信

yositaka
Re:Re: Re: なんか大須ぽいです!
へうたむさん


このブログ、更新は少ないですが、内容は大変貴重なものが多く、いつも期待して訪問しています。
この広告時に出たキラキラ銀色ジャケットの1000円盤は覚えがあります。よく見ると、日本コロムビアの「ダイヤモンド1000シリーズ」と同音源が入っていていいのかなあ、と思いました。原盤はSTEREOTAPEとなっていて、やはり日コロと同じなんです。多分確信犯で、このリストにはありませんが、ヨゼフ・クリップス指揮の盤は指揮者名がワルター・リヒター(!!)になっていた記憶があります。
いくつもの会社と契約するのはヤバいんじゃないでしょうかね。

ティボール・ヴァルガのベートーヴェン、ヴァイオリン協奏曲は後に中古で買いました。ジャニーヌ・アンドラードのチャイコフスキーも。こういうのは、本当の掘り出し物です。ヴァルガの指揮したディヴェルティメントがあったことは全く忘れていました。捜査対象です。ほかにも巌本真理四重奏団のテイチク・オリジナル録音も入っていました。

>宮沢縦一氏は、Wikiを見ると 1908年生まれで、さすがに 2000年に91歳で逝去

そうでしたか。どうやら、別の人(宮澤淳一氏)と間違えていたようです。訂正します。

yositaka

2023/02/12 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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