亡き友と聴いた曲⑥フォーレのレクイエム


もしも、この曲を知らなかったとしたら…
人生、どれだけ大きな損失だっただろう。
そう思わせる音楽がある。
これも、そのひとつ。
人生に、安息のひとときをもたらす音楽。


フォーレ:レクイエムOP.48

第1曲 イントロイトゥスとキリエ
第2曲 オッフェルトリウム
第3曲 サンクトゥス
第4曲 ピエ・イェズ
第5曲 アニュス・デイ
第6曲 リベラ・メ
第7曲 イン・パラディスム

■アンドレ・.クリュイタンス指揮
■サン・トゥスタッシュ聖歌隊および管弦楽団
■マルタ・アンジェリシ(S)ルイ・ノゲラ(BR)
■モーリス・デュリュフレ(ORG)
■EMI
■1951年録音



亡き友は、決まってこのレコードのB面をかけたっけ。
おかげで、フォーレのレクイエムというと、天使のようなソプラノの歌声が今もすぐに思い浮かぶのだ。

その最初の曲は
第4曲「ピエ・イエズ」。
オルガンの静かな響きにささえられて、ソプラノ独唱がひとり、安らぎの歌をうたう。


Pie Jesu Domine,
dona eis requiem, dona eis requiem,
Pie Jesu Domine,
dona eis requiem, dona eis requiem…

慈悲深き主イエスよ 彼らに安息を与えたまえ
彼らに安息を  永遠の安息を与えたまえ…


第5曲 「アニュス・デイ」。
ヴィオラの合奏が広々と舞い上がるような主題を奏でると、テノール声部が柔らかに歌いだす。
しかし中間部では、寄せては返す変化に富んだ展開となり、一気に熱を帯びる。
その頂点で、第1曲「入祭唱」の冒頭が現れ、聴き手をはっとわれに返らせる。それは優しさと荘重さが調和した壮大な音楽。

第6曲「 リベラ・メ」。
作曲家の腕の見せ所だった劇的場面である「怒りの日」を、フォーレはわずか16小節、胸中によぎる一瞬の不安のように表現する。
そして、音楽は一気に浄化に向かい、第7曲 「イン・パラディスム(楽園へ)」に。
オルガンのスタッカートのリズムにのって、一歩一歩階段を登っていくような音楽に、聴き手は心をときめかせる。
歩みの果てに待っているのものは、悩みも悲しみも乗り越えた、広々と、曇りのない時間と空間…。


In Paradisum deducant Angeli
in tuo adventu suscipiant te Martyres,
et perducant te in civitatem sanctam Jerusalem.
Chorus Angelorum te suscipiat,
et cum Lazaro quondam paupere
aeternam habeas requiem.

天使達が、(あなたを)楽園へと導きますように。
あなたが着くと殉教者達が出迎えて、
あなたを聖なる都に導き入れますように。

あなたに永遠の安息を。



作曲者ガブリエル・フォーレの言葉。


「私のレクイエムは、死に対する恐怖感を表現していないと言われます。
「死の子守歌」と呼ぶ人もいます。
しかし、私には、死はこのようなものと感じるのです。苦しみというより、永遠の至福の喜びに満ちた開放と…」


この曲が好きだった君にも、いまはこの曲に描かれた「安息」があるのだろうか。

…心から、そう願う。

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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