ディ・ムジカンテンのオール・モーツァルト・プロを聴く。

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名曲喫茶ニーペルングのマスターのご厚意でチケットをいただきました。
あちこち常連さんの顔が嬉しいコンサート。ザ・コンサートホールは久しぶりでしたが、会場はコロナ禍が一段落したせいもあるのか、かなりの人出でした。
小編成のオーケストラなので、この会場にオール・モーツァルト・プロは良く似合います。

1曲目は少年モーツァルトの躍動するオペラ序曲…ですが、ちょっとこじんまりしすぎた演奏で、客席まで音が飛んできません。これは肩慣らしという感じです。
次のクラリネット協奏曲は、冒頭から生き生きと音が出ます。指揮者の白川氏は打楽器でということもあって、リズムの切れが良くフレーズも短い。爽快なサウンドです。ソリストの藤本氏は第1楽章はきっちりとまじめな演奏ぶりでやや硬さも感じられたのですが、第2楽章からはずっと柔軟になり、最後の音にフェルマータをつけて一瞬の間のあと、すぐにフィナーレに突入します。そのフィナーレの生きの良さが素晴らしくて、すっかり聞き惚れてしまいました。
クラリネット協奏曲は晩年の傑作ですが、演奏は難しいと思います。贅沢な意見を申し上げるなら「ふつうに良い」演奏では、みんな同じように聞こえて、新鮮味がないのです。言葉にしにくいことですが、何か、あっと思うような、特別なものが欲しくなる。じゃあお前の好きなレオポルト・ウラッハのレコードにそういうものがあるのか、と言われたら、具体的に言えなくて困ってしまうのですが、ウラッハの場合は、彼が吹いているだけで特別になってしまうので、これは例外とします。
でも、今回の藤本氏の後半の演奏にはその「特別」が聴こえたように思えます。
アンコールも素敵でした。
オーケストラのベース二本と、スネアドラムとシンバルをドラムセットにしつらえた白川氏を従えての「貴方の思い出」。素晴らしく気の利いたスイング・ジャズのアンコールに、客席は大喝采です。

休憩を経て最後の曲は『ジュピター』。
モーツァルト最後の交響曲は、彼としては壮麗を意識した、堅く突っ張ったところもある曲です。そのためか、彼の音楽の魅力である、そこはかとなく変転する感情の変化、いわゆる「疾走する悲しみ」が聴きとれる瞬間が、決して多くはない。「いい曲」だけれども、好きな曲かと言われれはうーんと思ってしまうんですよね。
でもこの日の『ジュピター』は、リズムの切れの良い指揮が曲にあっているのか、アクセントの聴いた、活発な演奏で楽しめました。第3楽章からフイナーレにかけての木管・金管を前に出した華やかな音色感も聴きものでした。展開部の繰り返しがあったらいやだなあ、と思っていましたが、スパッと一度で切り上げました。よかった!
アンコールは、第3楽章をもう一度…

「ディ・ムジカンテン」の演奏会もこれでかなりの回数聴いたことになります。当初は、いかにもアマチュアという感じのぎこちなさがありましたが、継続は力、近年は技術的な瑕疵がほとんど気にならなくなってきたのは、素晴らしいと思います。当初からの課題と感じてきた、弦楽、特にヴァイオリンの音量の不足も今回は相当に改善されていました。これからも応援していきます。
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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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