村上春樹のクラシック熱は、続く。

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雑誌「Brutus」は、2号続けて村上春樹の特集。今度が2冊目だ。
前号の特集「読む」も面白く、村上が書く行為についてかなりの枚数のエッセイを寄稿しているだけでなく、彼にとって特別な51冊の蔵書についてコメント付きの紹介をしているのが面白かったし、凄かった。作家は書くことが商売とはいえ、雑誌一冊分の原稿だけでこれだ。しかもそのひとつひとつが、プロの文章で、適当なものなど一つもない。かなわない。

そして今回は「聴く」を中心にした特集号。よく売れているという『古くて素敵なクラシックレコードたち』については、拙ブログでもご紹介したけれど、
今度はその続編として22曲101枚分を掲載している。ちょっと引用してみよう。

モーツァルト「クラリネット五重奏曲」の紹介文。

(ライスターの音は)ウィーン葉の音とは結構違って聞こえる。音がしっかりしているというか、音楽の形式や構造がよりクリアに見える。しかしその分、連綿とした(あるいはなよっとした)ウイーン情緒のようなものはそこには求め難い。あくまで持ち味の違いだ。小ぬか雨のふる午後にはウラッハを聴いて、すかっと快晴の朝にはライスターを聴く…なんてわけにもいかないだろうしな。

シューマン「ピアノ協奏曲イ短調」。

リパッティがカラヤン指揮のフィルハーモニア管弦楽団と共演した伝説的レコード。実に姿勢が良い。背筋がびしりと伸びた品格のある演奏だ。強靭なタッチと、優しくそよぐような弱音がどこまでも自然にすらりすらりと行き来し、音色は自由自在に変化を遂げ、その律動は一本の筋を通したまま終始崩れることがない。

う、うまいなあ。
こうして書き写しているだけで、ネコパパ、自分の文章がうまくなったような錯覚に陥るぜ。
写真に写っているリパッティ盤が、ネコパパ架蔵のものと同じ、古い東芝のボックスセットだというのもなんとなく嬉しい。
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この調子なら、すぐに単行本の2冊目も出てしまうだろう。
これでクラシックLP盤の売れ行きが一挙向上、というわけにはなかなかいかないだろうけれど…でもちょっとくらいは期待したい。
再生装置についても言及があるかと思ったけれと゛残念ながらそれはない。表紙の写真には、なかなか立派なスピーカーが映っているけれど…何かな?

ほかにも、小説の中に登場した音楽についてのインタビューや、絵画・Tシャツコレクションのことなど、村上主義者垂涎物の記事が並んでいる。「食べる」は、素朴なアメリカンスタイルのメニューがいかにもこの作家らしい。興味がおありの方は、お早めにどうぞ。
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2021/10/30 編集返信

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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