もこ もこ もこ

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文研出版 1977年04月

表紙から緑色の謎の物体が。背景は黄色。このあざやかさが、まず見る人の気持ちをひきつけます。なんだかしらないけれど、がばっと開いた口でのみこまれそう。
開いたら、いきなり第一画面「しーん」。
話はずれるけれど、これ、ネコパパが授業で「擬態語と擬音語」の違いを説明するときによく使いました。「しーん」は音が出ないでしょ、だから擬態語、ってね。最近見たチコちゃんの番組では「本当にそういう音がしているから」という答えでした。そりぁ、まずい。
次は、地面に小さなまるいものが出てきて「もこ」
その次は「もこもこ」と大きくなり、右ページには「にょき」と別の形のものがあらわれます。
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そして二つは「もこもこもこ」「にょきにょき」と大きくなり
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左の「もこ」が表紙のもののように大きな口をあけて、右のものを「ぱく」とのみこみます。
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「もぐもぐ」と食べると、オレンジ色だった「もこ」は黄色い色にかわります。
そしたら黄色い「ぱく」のさきっちょに「つん」があらわれて…
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画面はどんどん変化していきます。ついには、大きな真っ赤の、おそろしいくらいのすがたになって「ぱちん」とはじけ……
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発売当時は、大人たちに当惑で迎えられたと言われますが、子どもたちの心を一瞬でつかみ、ずっと版を重ね続けています。日本の生んだ、絵本の古典といっていいでしょう。
古書店のブログでは「汚れたり破れたりした古書が多い」ことが報告されています。

なぜ、そうなのか。
この絵本は、抽象的ではあっても、「ナンセンス」ではない。そこに理由があると、ネコパパは思います。つまり、ここにあるのは「誕生」から「成長」「滅び」「再生」に至る普遍的なドラマであって、それがここでは、一つの無駄も隙もなく展開されている。
生きることの原理、物語の原理、世界の原理が、まさに「抽象」されて、しかも美しく、楽しく軽やかなイメージとして差し出されていると思うからです。

「しーん」も「もこ」も「ぎらぎら」も「ぱちん!」も「ふんわふんわふんわふんわ」も、いままさに、この宇宙のどこにでも起こっていること。それがみんな、気持ちの良いリズムと、心に触れる言葉と、鮮やかで明るい色彩で描かれる。普遍は美しい。普遍は軽やか。
これから人生を歩みだそうとする者たちにとって、こんな愉しい「励ましのかたち」って、あるでしょうか。

子どもと読み合うときには、その場の気分でいいんです。
速いテンポで軽やかに読むのもいいし、読み手と聞き手が、思い思いに声を出し合うのもいいですね。ネコパパは、ちょっと年を取ってきたせいか、最近は間を取って、ゆっくりゆっくり読んでいくのが好きになってきました。
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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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