こわーい はなし

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すずき出版1994.10.10

こわーい、って表紙で震えているのは、あれあれ、おばけです。
扉は、おそるおそる歩いている、うさぎ。

雪の降る日に迷子になった、ちいさなおばけ、うさぎに出会って
「もしもし、ちょっとおたずねします」
と笑顔でたのんだら、びっくりしたうさぎは「きゃあ~たすけて~」と、家に駆けこみます。

家にはうさぎの家族が四匹。おばけに出会ったうさぎが「おおきなめだまで ぎろりとにらんだー」とおばけのことを話します。
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話を聞いたじいさんうさぎ、奥にいたばあさんうさぎに話を伝えます。「やまのおばけは おおきなくちで にやりとわらって そのすごいこと…」
ばあさんうさぎは、孫たちに「やまのおばけのおおきなくちは、ぎざぎざとがった はがいっぱいだ」と話します。
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それでまごは かあさんに「ぎざぎざのはで ながーいつめで つのまであるって」話します。
かあさんはとうさんに「あなた たいへん!おばけがでたの。つのがはえてて めだまはみっつー」
2021-10-06 (3)
ちょうどそのとき、とおりかかったちいさなおばけ、その話をきいて…

語り伝えられていくうちに、話に尾ひれがついて、怖さが盛られて、針小棒大。
絵本のおばけは、でも、ちっとも怖くない。読んで聞かせると、子どもは大喜びで、なんどでも読まされちゃう。せなけいこの描くおばけは、子どもにとって最高の友達なんです。
幼児のための「しつけえほん」の体裁でつくられている「ねないこ だれだ」(福音館1969)から、それはちっとも変りません。
子どもはおばけが大好きなんです。

でも、大人が読むと、ちょっぴり怖いかな。
これは「噂話」のこわさや、情報モラルの問題を暗示する作品のようにも思えてくるからです。もしかしたら、差別意識への問題提起を読み取るひともいるかもしれない。
1994年の作品だから、ネット時代到来よりもずっと前の作品なんですけれどね。
シンプルな表現だからこそ、普遍的な含意を読み取ることができる。

子どもと絵本を読み合う楽しみは、大人なりのメッセージを絵本から受け止める大事な時間でもあるのです。
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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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