ネコパパ、ヴァイオリンとオルガンのデュオにトキめく。

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古賀智子さんの演奏会には、アヤママと時々出かけます。
娘・テンチョウの幼い頃の遊び友達でした。豊田市内で開かれていた保育グループでしりあったのです。もちろん、二人ともその頃のことは覚えていないのですが、アヤママの保育仲間との繋がりはいまも続いているのです。
これまでにピアノトリオ、ヴァイオリンとピアノのリサイタルを拝聴しましたが、今回はオルガンとの組み合わせというめずらしいものです。豊田市駅前のある文化集合施設「参合館」。豊田市コンサートホールはその10階にあり、1998年の開館時は設置が間に合わなかったオルガンも、2003年には稼働して、荘厳な響きを聞かせています。

さて演奏が始まります。最初の曲クライスラーは、智子さんがステージ、由理江さんが頭上のオルガン演奏台にと、上下に分かれたセッティング。ヴァイオリンの奏でる名旋律に、天井からオルガンの音が降り注いでくるような、ふしぎな感覚でした。
次はヴァイオリンの独奏で「シャコンヌ」。
智子さんのヴァイオリンは音がくっきりと明瞭で、すみずみまで鳴りきった自信のある音です。ここでは冒頭から、通常よりもかなり速いテンポで、音を切らず、間を詰めてぐんぐん進めていく解釈で、一気に弾ききったという感じ。後に行くほど力感がみなぎっていきます。
続く3曲はオルガン独奏。
最初の「前奏曲とフーガニ短調」は、バッハお得意の編曲もので、原曲は無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番の「フーガ」です。その前が同じ曲集の「シャコンヌ」ということで、ヴァイオリン繋がりの選曲なのでしょう。聴きながら、頭の中ではヴァイオリンの旋律線が響いてくるという「脳内デュエット」が展開しました。
淡々と穏やかなコラール前奏曲に続いて初めて聞くシューマンのオルガン曲が演奏されました。これが想像されるような地味で内向的な曲ではなく「ライン交響曲」第1楽章を思わせるような壮麗でスケールの大きな曲だったのに驚きました。

休憩を挟んで最後の曲は、フランクのヴァイオリン・ソナタ。
これはショスタコーヴィチと並んで、ネコパパのもっとも好きなヴァイオリン・ソナタです。ヴィオラやチェロで弾かれることも多くそれぞれ独自の魅力がありますが、ヴァイオリンとオルガンのための編曲というのは初めて聴きます。
今度は智子さんがステージで弾くのではなく、オルガン演奏台のあるステージ上のバルコニーに並んでの「空中デュオ」です。最初のヴァイオリンによる主題提示の背後にオルガンが響くのはちょっと違和感もありましたが、そのあとオルガンに引き継がれて主題が展開するところでは、ピアノ的なタッチの粒立ちの代わりに、深々と響く音の絨毯が敷き詰められるような面白さが感じられ、これもなかなかと思っているうちに、次第に耳に馴染み、心地よく思えてきました。
そういえばフランクはピアノにも長けていたものの、長く教会オルガニストも務めた「オルガンの人」でした。この曲のピアノパートにもオルガンの音が潜んでいたのかもしれません。演奏は後に行くほど好調に。第2楽章ではヴァイオリンの挑みかかるような鋭い曲想がやわらかすぎるようにも思いましたが、第3楽章に入ると音圧も高く歌い上げも濃厚さを増し、フイナーレのコーダで冒頭のテーマが戻り、おおきく高揚するところは、まさに天上の響きと言ったらいいのでしょうか。感動的なエンディングでした。

アンコール曲はおなじみのバッハ/ウィルヘルミ編「G線上のアリア」。
カザルスの例を出すまでもなく、オルガン伴奏もよく似合う曲です。智子さんはここでも「シャコンヌ」と同じく、情に流れず、速いテンポでさっぱりと弾ききります。
彼女のイメージするバッハの音楽とは、そういうものなのかもしれません。でも、そこがネコパパにはちょっと物足りない気もします。

で、アヤママの感想は「高所恐怖症だと、あの場所では演奏できないねー」でした。

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コメント

コメント(2)
オルガンとの共演
オルガンの演奏者の都築由里江さん、いつもお世話になります「とよたクラッシック音楽同好会」の都築**様の御親戚の方かなと思いましたが、違っていたら御免なさい。
都築由里江さん、改修後の愛知芸術劇場の初代専属オルガニストですね。
参合館でのオルガンは天空から調べが降り注ぐようで良かったとの事、松坂屋のオルガンをエスカレータでチラツとしか聴いたことしかない私にはうらやましいです。
又、巨大なオルガン前とステージで演奏した古賀智子さん、恐怖に耐え力一杯弾かねばならず大変だったと思います。

チャラン

2021/04/30 URL 編集返信

yositaka
Re:オルガンとの共演
チャランさん
>松坂屋のオルガン
日本にパイプオルガンが普及したのはデパートに設置されたことがきっかけらしいです。
東京の三越です。
1929(昭和 4)年 欧米視察中の三越専務取締役・小田久太郎が,アメリカ・フィラデルフィアにある百貨店を訪問し,店内に設置されているシアターオルガンに感動して三越本店にも備え付けることを考案。ニューヨークのウーリッツァー社ショールームで同社製のオルガンを購入。1930(昭和 5)年 三越 7 階ギャラリーにオルガン設置。5 月 28,29 日に初公開演奏。6 月 9 日,木岡英三郎による演奏が JOAKラジオで中継。11 月 15 日,連続 10 回の「大パイプオルガン演奏會」シリーズの第 1 回目「大バツハ代表的名作演奏の夕」開催…

名古屋の芸文のオルガンもいい音ですよ。8月7日(土)中部フィルのコンサートでは都築由里江さんがサン・サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」のソリストとして登場します。参加を検討中です。

yositaka

2021/04/30 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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