謎多き新譜、2枚。

またしてもブルーノ・ワルターの新譜が登場するそうです。
こういう、学生時代に感じたような期待感が65歳のネコパパにも残っているのが嬉しい。
ブラームス:ドイツ・レクイエム 作品45

ブルーノ・ワルター(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)
エジンバラ音楽祭合唱団
録音:1953年9月8日エジンバラ音楽祭、アッシャーホール、エジンバラ(ライヴ)
Produced by Epitagraph

内容は、残念ながら新発見の音源ではない。
ネコパパ架蔵の、このCDと同じ録音のようです。
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これは、放送番組のアナウンスが入ったあと、演奏に移るという、ラジオ放送のエアチェックなのが歴然のディスクでした。でも演奏の内容はあまり印象に残っていません。録音も聞きづらかったし、そもそも曲があんまり好きではない。
ネコパパには、余白に入った1947年のヨハン・シュトラウス3曲の方がよほど感銘深いものでした。
販売元の説明によると…

ワルターの深く、激しく、重々しい情念のもと、ウィーン・フィルは強靭かつしなやかに美音を響かせ、ゼーフリート、フィッシャー=ディースカウは感動的な歌声!ワルターとの共演は初めてとなったフィッシャー=ディースカウはこのとき28歳。ワルター自身のピアノでリハーサル、指導を受けたときの思い出を『自伝』で語っています。音楽祭のため編成された合唱団はイギリスのコーラスの伝統に裏打ちされた立派なもの。第2曲の葬送行進曲、第6曲の「怒りの日」ではオーケストラ、独唱、合唱が一体となった凄まじい迫力の盛り上げを見せ、これを聞くとワルターが最後の年にNYPとセッション録音を残したものの、「ざらついた合唱と混濁したオーケストラの音」(『ブルーノ・ワルター~音楽に楽園を見た人~』エリック・ライディング&レベッカ・ペチェフスキー共著、高橋宣也訳、音楽之友社刊2015年)への不満から、生前はレコード発売を許可せず、お蔵入りにした理由もわかるというものです。
★1953年9月8・10日、エジンバラ音楽祭でオール・ブラームスのプロ(ほかに「悲劇的序曲」「ハイドン変奏曲」)で行われた2日間の初日の録音。この音源の発売は、これまで一般には入手しがたい米ワルター協会のLP、同系WINGレーベルのCD、アンドロメダのCDしかありませんでした。エピタグラフ・レーベルの発売はラジオ中継された放送原盤より復刻されたテープからのCD化で、一般市販での発売、国内盤初登場になります!
音質は復刻につきまとうノイズこそ少し残っているものの、高域の伸び、低域の重厚さ等、比較的良好で鮮明な音。しかも“高音質CDの決定版”であるUHQCDで発売!限定発売となっておりますのでお早めにお求めください。

ほお。ラジオ中継された放送原盤より復刻されたテープがもとになっているらしい。このWING盤がエアチェックだとしたら、より優れた音質になっている可能性がありますが、この「放送原盤」とはどういうものなのか。演奏会を録音したテープではない、ということなんでしょうね。1953年だから、まさかディスク録音ってことはないでしょう。なのに原盤とあるのはどういうことでしょう。
以前、アメリカの放送に使用したという直径40センチの放送用ディスクというのを見たことがありますが、もしかしてそういうものなんでしょうか。
もっと詳しい情報が欲しい。

それと、ワルターじゃないけれど、同じレーベルからこんなのも発売されるらしい。
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ニューイヤー・コンサート1954

クレメンス・クラウス(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1954年1月1日 ムジークフェラインザール(楽友協会大ホール)、ウィーン(ライヴ)
Produced by Epitagraph


DISC 1第1部
ヨーゼフ・シュトラウス:
・剣と琴(ワルツ)
・ルドルフスハイムの人々(ポルカ)
・とんぼ(ポルカ)
・休暇旅行で(ポルカ)*
ヨハン・シュトラウス2世:
・わが家で(ワルツ)
・新ピツィカート・ポルカ*
・ハンガリー万歳(ポルカ)*

DISC 2 第2部
ヨーゼフ・シュトラウス:
・天体の音楽(ワルツ)
・5月の喜び(ポルカ)
・おしゃべりなかわいい口(ポルカ)*
ヨハン・シュトラウス2世:
・クラップフェンの森で(ポルカ)
・春の声(ワルツ)
・狩りのポルカ*
・常動曲
・美しく青きドナウ(ワルツ)
ヨハン・シュトラウス1世:
・ラデツキー行進曲

これも見覚えある。同じキングインターナショナル傘下のインディーズ・レーベル「オーパス蔵」が出していたものだ。これは、ネコパパ架蔵。
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当盤のライナーノーツには、いつまで待っても音源が出ないので、待ちきれなくなってLPから復刻した、と記載してあった。初めのうちは歪が目立つけれど、全体的にはまずまず聴きやすい音質で、クラウス最後の出演となったニューイヤー・コンサートの様子が伝わってきたと思う。ただ、繰り返し聴いて楽しみたいという気持ちにはなれず、棚の肥やしになっていた。
ここにきて、ついに製作者の故・安原氏の熱望していた音源が発見されたのだろうか。

★今回の音源は、1989年に日本のMUSENKURANZ(ミューゼンクランツ)というレーベルから世界初出音盤(LP)として発売されていました。このLPの盤おこしでOpus蔵が2004年にCDを発売(OPK-7006/7)。じつはMUSENKURANZはエピタグラフ・レーベルの主宰者がおこした自主制作LPのレーベルでかつて主宰者がクレメンス・クラウス・アーカイヴより入手、ラジオ中継収録の放送原盤から作られた音源であることが判明、今回、このLPのマスターテープがついにCD化されます!
実況中継番組収録のため曲間での猛烈盛大な拍手や曲目紹介のアナウンスが入りますが、当時の様子を伝えて貴重。臨場感も抜群です。

またしてもマスターテープではなく「放送原盤」。アナウンスも入っているというのだから、やはりディスク形態かもしれない。ただしこのCDの元はそれから作られた「音源」という。音源って、テープなのかディスクなのかデジタルデータなのか。
こちらも情報があるようで、ない。
もっと驚きなのは、「オーバス蔵」が板おこししたプライベート盤というのが、同じキングインターナショナル傘下の「エピタグラフ←エピタフォン←ドリームライフ?」レーベルの主宰者が作ったものだった、という衝撃の事実。

…というわけで、今度ばかりは早まった「ポチ」は避けたいと思います。しばし、様子見。
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コメント

コメント(6)
こんな録音あったのですね・・・
こんばんは。
クレメンス・クラウスのニューイヤー・コンサートのライブ盤も一部は持っているし、デッカ盤のセッションでのLPとCDもあるし、ワルターも含め、今回は我慢ですね。
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウとVPO とのドイツ・レクイエム…こんな録音があるとは知りませんでした。興味はありますが・・・

HIROちゃん

2021/04/24 URL 編集返信

yositaka
Re:こんな録音あったのですね・・・
HIROちゃんさん
「ドイツ・レクイエム」はヨーロッパでは大変好まれる曲のようですね。確かに美しい曲ですが、録音が良くないと…これはあくまでワルターを聴くために入手したものです。一般のファンが喜ぶかは微妙です。
クレメンス・クラウスのニューイヤーコンサートは、オーストリア放送協会か、ウィーン・フィルのアーカイヴズに残されているはずです。実際に、正規音源からの「剣と琴」「五月の喜び」の2曲が、ソニーから出ている「ニューイヤーコンサート・コンプリート・ワークス」ボックスセットに収録されているんです。
私としては謎の「放送原盤」などではなく、マスターテープからの商品化を望みたいところです。
なにしろこれを含むクラウス6曲を入手するために、この23枚組を買ったくらいですから…どうも私は、執着するごく一部のものに対しては「〇〇は持っているから我慢する」というストッパーが利かないようです。

yositaka

2021/04/24 URL 編集返信

放送原盤
BBCは世界各国の放送局にライブ録音の音源を提供するため、テープによる配付ではなくLPレコードをプレスして送っていたと聞いたことがあります。

ROYCE

2021/04/27 URL 編集返信

yositaka
Re:放送原盤
ROYCEさん、そうなんですか。BBCは1940年代後半から放送録音にテープを使用したらしいのですが、それは放送後すぐにディスク原盤にダビングして、テープ自体は再利用したと聞いたことがあります。
フルトヴェングラーのベートーヴェン第2や、ワルターのベートーヴェン第九、マーラーの「巨人」などが保管用ディスクを元にCD化され、市販されていますが、ちょっと残念な音質になっています。
とすると、ダビングの時に他国に送るための放送用ディスクも作成されたのかもしれませんね。そのプレスしたレコードが残っていると面白いですね。本国保管のディスクよりも音質が良いかもしれません。

yositaka

2021/04/27 URL 編集返信

「BBCトランスクリプション・サービス」という、放送用同業者向けの音源配布について
以下にBBCが配布したレコードの情報があります。

https://blog.goo.ne.jp/kikuo-takeuchi/e/5df3dbb7c222d54714942f544798d393

ROYCE

2021/04/28 URL 編集返信

Re:「BBCトランスクリプション・サービス」という、放送用同業者向けの音源配布について
ROYCEさん
大変参考になる情報ですね。ありがとうございます。レーベルはメモ程度ということですが興味深いのは「具体的なプログラムは最初のアナウンスで紹介される」と書かれていることです。
このLPには、曲の前にアナウンスが入っているわけですね。この情報は重要です。もしこうした放送用ディスクが多く現存しているとすると「アナウンスあり、即エアチェック」とは言い切れないことになるからです。

yositaka

2021/04/28 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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