潔癖と鋭敏

時々お邪魔させいてただいているyoshisugimoto さんのブログ「録音を聴く」に興味深い記事があった。図書館で借りたCDをリッピングする話。
どれも傷だらけのもので、希に音飛びがあると、聴取意欲が下がるという。同感である。
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CDはLPのようなスクラッチノイズはないかわり、一旦トラブルがあると、ほとんど修復は不可能だ。目視でわからないことも多い。LPなら、クリーニング、しまいには歯ブラシとか原始的な手作業で復活することもあるが、CDを歯ブラシでこすったって無駄である。
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そこで対策。以下引用。

そのひとつは借り直しだ。借り手の多い図書館の蔵書は複数部あることがある。返却する前に予約すれば同じ蔵書(CD)はもう1部借りられる。2部とも音跳びというのはよほど運が悪いということだ。複数部ある蔵書は限られているが、たいてい借り直せばOKである。

もうひとつはダウンロードサイトから音跳びのするトラックだけ購入するというもの。ちなみに借りてきた上のCDの最終トラックが音跳びするので、moraから購入した。1トラックだけで、260円ほど。AAC320kbpsだが、wav.と聴き比べてもまず絶対にわからない。1トラックだけAACというのも精神衛生上よろしくないので、フリーのオーディオ・コンバーターでwav.に変換しておいた。
潔癖な人は1トラックだけAAC320kbpsというのは許せないだろう。小生は大丈夫…

大事なのは二つ目。CDからWAVでリッピングすればそれは非圧縮。ところがダウンロードサイドは通常圧縮音源、ロッシーでAAC320kbps。容量はWAVに比べてずっと小さいが、音質的にはCD相当といわれている。yoshisugimotoさんの言われるように「まず絶対にわからない」だろう。
そのことを知らない人に音を聞いてもらっても、もちろん、わからない(と思う)。

「潔癖」というのは、たとえわからないとしても、音源の規格が揃っていないのは、どうにも我慢できないという体質のことだろうか。
これが生じるのは、音の違いよりも、これはロッシー音源であるという「情報」を知っているかどうかが鍵になる。
知っているかいないかで、はたして聞こえる音は変わってくるのか。どうだろう?
これ、かなり重要かも知れない。
なぜって、知らなければそのまま過ぎてしまうはずが、なまじ知っているために、無理にでも違いを聞き取ろうとする意識が働くからだ。
それで耳が研ぎ澄まされ、感覚は鋭敏となり、あるかなきかの差までが、聞き取れてしまう…かもしれないのである。
高度のオーディオファンというのは、こうした感覚をいつも研ぎ澄ませている人なのかもしれない。
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ネコパパはいつも寝ぼけてばかりで、音の良し悪しにはあまり鋭敏ではない。
演奏がいいと思えば目が覚めて、つまらないと思えは寝てしまう。
家で聞いていても、演奏会でもそれは同じである(目撃証言あり)。まあ、幸福なことだといえよう。

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コメント

コメント(12)
なくならない問題
自分のCD(本もそう)は大事に扱うのに、図書館のモノだと適当に雑に扱う利用者が少なくないからねぇ。
かつて私が勤務していた公共図書館では、利用者から指摘されて「CDの音飛びチェック作業」というのも当然あって、
「〇曲目の後半に音飛びアリ」というシールを貼ったり・・・。
本にも「〇ページに汚れアリ」「水濡れページアリ」と・・・。
事前に知らせないと、返却時に「濡らしたのは私じゃない」ってコトになり、
妙なクレームや誤解に繋がったりするので。

皆が大事に扱ってくれると、そういう作業に費やす人件費(税金)が減り、
資料代という予算が増えるんですけどねぇ・・・難しいわ><;)








ユキ

2021/03/20 URL 編集返信

yositaka
Re:なくならない問題
ユキさん
ええっ、図書館ってそこまでの作業をするのですか。

「CDの音飛びチェック作業」
「〇曲目の後半に音飛びアリ」のシール貼り。
「〇ページに汚れアリ」「水濡れページアリ」の断り書き。

そうすることで、返却時に未チェックの汚れ等があると、容疑者が特定できということでもありますね。図書館員にも利用者にも厳しいし、そのために人件費をかけている。凄みすら感じます。「潔癖」というのはそういうことかもしれません。
しかしですね。そんなお金を遣うなら、一枚でも多くのCD、一冊でも多くの本を購入して欲しい、と利用者としては思います。図書館には貴重な文化遺産もありますが、多くは消耗品ですから。

yositaka

2021/03/20 URL 編集返信

デジタル?
何とも凄いCDですね。
ガラケイ人間には、CD・PCの「クロック」と「ジッターノイズ」、ADC→DAC、PCへのリッピング~???です。
読み取り不良のトラックの交換は010110の配列が変わらなければ「判別不能」ですね。
昔のCDプレーヤは、4~5年でピックアップやトレーイのOリングが劣化しました。
CDの良さは、私は気持ち良い演奏を聴くと朝まで寝ているので起きていなく良いことです。

チャラン

2021/03/20 URL 編集返信

yositaka
Re:デジタル?
チャランさん
簡単に説明しますよ。
リッピングはCDのデータをそのままパソコンにコピーすることで、その際CDに記録されているCDDOデータをWAVという形式に変換しますが、これは容量も内容もCDと同じで大きなデータです。
そこで一般には、MP3とかACCとかの規格の不可逆圧縮データにするのです。
圧縮の方法は、ざっといえば可聴域以外の部分を削除することで、一度やると復元はできない代わりに、容量を節約でき、転送スピードも速いので、配信やストリーミングには広く用いられます。
あまり大きく圧縮すると、さすがに音に出ますが、圧縮率が少なければ、耳に感知できないレベルにとどまります。
MP3で320kbps、AACで256kbpsあればまず耳では聞き分けられないと言われています。
ちなみにDVDの音声はAAC256kbpsくらいが多いようです。

yositaka

2021/03/20 URL 編集返信

探求心(野次馬)
2年前再生方法不明の1930年のRCA録音機用レコードを再生した時。
微かな音をICレコーダのPCM44.1KHz(ロスレスWAV)とMP3 320kbps(ロッシーMP3)の両方で録音し編集に苦労しました。
音質・容量は…録音ノイズ除去・編集に必死でチェックしていませんでした。
理想的には、完全再生のロスレスが良いでしょうが成人病で耳鳴りのする私には分かりません。時間のない私は、連続した線のアナログレコードを楽しみたいしかし探求心が無くなると老化が進むし・・・。

チャラン

2021/03/21 URL 編集返信

Re:探求心(野次馬)
チャランさん
まさに探究心こそ、老化を防ぐに最高の手立てだと思います。
探求しましょう。

さて、その「連続した線のアナログ」ですが、アナログはなめらな曲線、デジタルは階段状の曲線で示された概念図のことと想像されます。
これについては、みっちさんがクロード・シャノンによる説得力のある理論を紹介しておられて、デジタルの場合も完全な曲線が再現されるのでまちがいないとのことです。
https://mitchhaga.exblog.jp/30324047/

ネコパパは理数系はだめなので、この記事の数式なども意味不明ですが、わかるのは、オーディオ好きが自分に都合の良さそうな理屈を半可通に述べるときは、眉唾で聞いたほうがよさそうだなということです。

要はシンプルな話、自分の耳を信じればいいのです。

yositaka

2021/03/21 URL 編集返信

こんにちは
チャランさん、ネコパパさん、

ロッシー圧縮でも320kbpsもあれば、音質は問題ないと思います。みっちも試してみたことがありますが、128kbpsではまだ音質の変化が聴き取れましたけれど、256kbps以上になると、ほぼ判別不能でした。(笑)それでもロスレスを選ぶのは、まぁ「一種の見栄」でありましょう。(爆)ただ最近はストレージ機器の価格が下がっているので、非圧縮のWAVでも、CDの1,000枚や2,000枚くらいでは、さほど問題にはならないでしょう。みっちは一応ロスレス圧縮のFLACかApple Losslessにしています。これだと、WAVの約半分の大きさになり、伸長すれば中身は全く同じです。

あとネコパパさん、DVDの音声ですけど、音楽DVDは映画DVDとは違い、みなLPCM(リニアPCM)だと思います。早い話が音楽CD相当です。サンプリング周波数がCDの44.1kHzに対して48kHzですけど(歴史的経緯による)、これは音質には影響ないと思います。なお、Blu-ray映画の音声は、なんだか難しい仕様なのですが、少なくとも最近のはロスレス圧縮みたいです。このあいだ買ったBBCドラマシリーズ「His Dark Materials」もそうなってます。5.1ch(6ch)です。しかし、だからと云って音質が良いかどうかとは別問題であることは、云うまでもありません。(笑)

みっち

2021/03/21 URL 編集返信

yositaka
Re:こんにちは
みっちさん
いやあそうですか。DVDの音楽情報はCDと同等とはね。
再生環境がCDと比べるとどうしても落ちるので、音質もそうだと感じていたのかもしれません。ただ、図書館の会で毎度再生しているDVDの音を聞いていると、CDとはちょっと違うように思うんです。一言で言うと、グラマラス。その質感が、圧縮音源に近いと感じられたんでしょう。

ロスレスに行きたがるのは「一種の見栄」とは、なかなか鋭い一言です。
ネコパパにはその「見栄」がないから、同じ音質なら、少しでも容量が少ない方がお得と思うんです。PCは概ね、低容量データのほうが使い勝手がいいですし、外付けハードディスクも長持ちしますし…

yositaka

2021/03/21 URL 編集返信

Re:Re:こんにちは
音楽DVDにも2種類ありまして、2ch音声だけのもの、2chと5.1ch音声の両方入ったものがあります。比較的マイナーな音楽DVDは2chのみのものが多く、メジャーなタイトル、例えばアバドのルツェルンでのマーラー9番のDVD(arte盤)とか、ブルックナー7番(EuroArts盤)などは2chとDolby Digital 5.1とDTS 5.1が入っています。ものによっては、2chとDTSだけのもありました。(ロイヤル・オペラのドン・ジョヴァンニ、OpusArte盤など)
2chが入っていないものは見たことがないです。

それで音声フォーマットですが、2chの方はすでに述べたとおり、話は簡単で、音楽CDと同じLPCMです。
5.1chの方、Dolby Digital 5.1とDTS 5.1はロッシー圧縮音源で、音質はDTS>Dolby Digitalとされています。いまさらですけど、5.1chというのは、4chサラウンドステレオにセンタースピーカーとサブウーファーをそれぞれ1chずつ足したものです。
2chと5.1chの両方が入っている場合は、たいてい2chがデフォルトの音声になっていると思います。

みっち

2021/03/21 URL 編集返信

コンピューター・ハードとソフトの進化
視覚的に私なりに理解するとPCの画像曲線を拡大していくとギザの線になるので美しいプロポーションかミミズの這った跡の感覚の境目は音像では、サンプリング周波数の密度、ロッシー圧縮では320kbpsですかね、でもこの理論は、コロンビアがPCM録音を開発、ルー・オテンス+SONYのCD以前から言われていた事ですね。PS:(理想の無限:現実の有限)
それよりも理論を可能にしたコンピュータハードの進歩は素晴らしいですね 昔CANONのフロッピー(スチル)カメラRC-250の画像をPCに取込んで編集しましたがFDには保存できずビデオテープに保存しました。(HD1MB=1万円がらUSB64GB=4千円以下の世界へ)
今では、音源の規格が百花繚乱ですが規格(デジタル)により音質が変わるわけでなし元の演奏を再現してくれれば良いですね。
1部屋分のレコードが、USBメモリースティック1個に収まる・・・音声で機器がコントロール出来るガラケイがスマホに変わるように私には、ハードルが高いですが何故変換出来るのか興味があります。(汗)

チャラン

2021/03/21 URL 編集返信

yositaka
Re:Re:Re:こんにちは
みっちさん
DTS 5.1はマルチチャンネルですか。
チャンネルが増えればそれだけ容量が増えるのでロッシーになるわけですね。
そういえば、SACDもマルチチャンネルつきのものが以前は多かったし、遡れば70年代初頭の4チャンネル騒動に行き着きます。
マルチチャンネルの歴史は古く、映画での試行は、おそらく1940年のディズニーアニメ映画「ファンタジア」の立体録音システム「ファンタサウンド」が最初で、完全な再現ができたのは、ひとつの劇場だけ、90個のスピーカーを使って上映されたそうです。
マルチチャンネルは音楽再生の見果てぬ夢なのかもしれません。でも、一般家庭への普及が難しいのは、今も変わっていない気がします。

yositaka

2021/03/21 URL 編集返信

yositaka
Re:コンピューター・ハードとソフトの進化
チャランさん
>1部屋分のレコードが、USBメモリースティック1個に収まる
それどころか、ストリーミングならその数百倍が、保存も不要で利用できるのだから進歩というのはすごいです。
ところがそんな時代なのに、片面3分、両面6分、重さ250グラムの黒円盤にこだわるわけは何でしょう?人間これ不可解です。

yositaka

2021/03/21 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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