THE GREAT COLLECTION OF VOCAL STANDARDS!

行きつけの大須の中古レコード店GHで発見。

決定盤 スタンダード・ボーカル大全集

発行 CBSソニー・ファミリークラブ 1984
監修 山口弘滋 巻頭言 野口久光 青木啓
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通販用のLPボックスセットで、20枚組。店頭にはバラで並べてあって、そのうちの一枚に、セット全体の解説書が添付されていた。
1984年というと、そろそろCD時代だが、この企画はLPとカセットだけだったようだ。

この種のセットものは中古では捨て値になることが多く、リーズナブルだが、別冊解説書がなければ価値は半減する。1枚あたりの単価はたいへん安いので、好きなものだけ買って帰ろうとしたが、どうも気が咎める。数を数えるとぴったり20枚。
思い切って、全部買うことにした。すると店主が「ボックス、ありますよ。必要なら差し上げますけれど」と言うのだ。まあ、バラでは運搬にも手間取るし、本来の姿も見たいので、頂いて帰った。
ボックスに入れると、これはそうとうな大物だ。
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音源は米コロムビア、RCAが中心で、これにリプリーズのフランク・シナトラ盤が2枚と、アトランティックのオムニバス盤が2枚加わっている。こうしたレーベルをまたいだ選曲が通販独自の売りだった。もっともこの企画ならヴォーカルに強い米デッカとキャピトルはいれて欲しいところだが、いろいろ事情もあったのだろう。
編成は、前述シナトラが2枚、トニー・ベネット、ペリー・コモ、ビリー・ホリディがそれぞれまるごと一枚を割り当てられていて、あとはオムニバス。全体で60人もの歌手が登場している。
登場回数の多い人を列挙してみよう。

アンディ・ウィリアムズ
ジョー・スタッフォード
エラ・フィッツジェラルド
キャロル・スローン
ドリス・ディ
ジャッキー&ロイ
ザ・ハイ・ローズ
カーメン・マクレエ
クリス・コナー
メル・トーメ
サリナ・ジョーンズ
ヘレン・メリル
テディ・キング
ローズマリー・クルーニー
サラ・ヴォーン
リー・ワイリー
マット・デニス
ダイナ・ショア
リナ・ホーン
ルイ・アームストロング…

曲数は280曲。
通常LP1枚に収録するのは12曲が基準だが、これには14曲ずつ入っていて、全体で40曲も多い。これも通販ならではの「掟破り」かも知れない。
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解説書は80ページで、1曲ごとの解説の他、英文歌詞、アーティスト、作詞・作曲家辞典に、曲目索引まであり、そのすべてを山口弘滋が一人で執筆している。280曲の歌詞がすぐに検索できるというだけでも、貴重な資料で、たいへんな仕事をされたと思う。
筆者はジャズ・ヴォーカルの本を何冊も出している、実績ある音楽ライターと思われるが、ネットにもほとんど情報がないのは不思議だ。

今日、蓄音機仲間のLINEにスマホ収録をかねて何曲か聞いてみたが、音質盤質に問題なし。
早速、こんな絶品も発見した。

解説ともども、じっくり楽しんで拝聴していきたい。


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コメント

コメント(8)
CBSソニー通販の全集
ネコパパさん、LP20枚良く購入されましたね。CBSソニー・通販は、あまり聴いていないと思われますので音質・盤質も良いと思います。さらに60名の詳細な解説書付きとくれば・・・欲しくなりますね。
FCPA726「枯葉」、729「二人でお茶を」、816「マック・ザ・ナイフ」等々誰を取り上げているのか、又通販ならではの聴き比べがあるのか興味津々です。
男性歌手(ナット・キング・コール、べラフォンテ、ブラザーズ・フォー・・・)は、あるのかな~。
PS:ナット・キング・コールは、キャピトルでしたね。

チャラン

2021/02/21 URL 編集返信

yositaka
Re:CBSソニー通販の全集
チャランさん
監修者の山口氏がジャズ・ヴォーカルの専門家だけあって、この全集はポップス寄りの歌手は避けているようです。したがって、取れば取れるはずのべラフォンテや、プレスリー、ニール・セダカ、ブラザーズ・フォーなどは選ばれていません。ペリー・コモやトニー・ベネットを積極的に選んでいるのは、彼らを境界線上と見ているのだろうと思われます。ジャズよりの選曲ということで、当時としても渋い企画です。米デッカ、キャピトル、そしてできればベツレヘムあたりも入れて欲しかったと思いますが、それだと20枚では収まらないでしょう。

yositaka

2021/02/21 URL 編集返信

ヴォーカル全集。
新聞で通販の広告がよく出ていましたね。
結構値段も高かったような、おぼろげな記憶ですが。
(どういう人が買うんだろう?)といつも思っていました。
良く言えば網羅している、悪く言えば寄せ集めだし。
ただし質はとても高い。
その歌手の熱心なファンならオリジナル発売のLPを買うと思われるからです。
私は定価では、まず買わないでしょうね(笑)

不二家憩希

2021/02/21 URL 編集返信

yositaka
Re:ヴォーカル全集。
不二家憩希さん
現在もよく見ますよ。こういう企画。主にCDですが、新聞広告を見て、強気の定価に驚きます。
「ストリーミング」や「サブスクリプション」が普及したとは言っても、使いこなしている層は一部、まだまだ実体メディアへの需要は大きいのでしょう。そんなわけで、クラシックや懐メロものは、中古店には山のようにあります。でも、ジャズヴォーカルのような渋いのは初めて見ました。で、衝動買いです。
この分野に詳しくない私には、懇切丁寧な解説書がありがたい。
それに、前の持ち主の書き込みが面白い。各曲の演奏時間と、面ごとのトータルタイムが、綺麗に鉛筆で書きこんである。これはおそらく、カセットに全曲ダビングして聞いていたのでしょう。そういえば、昔はみんなそうやって聴いていました。

yositaka

2021/02/21 URL 編集返信

Re:Re:ヴォーカル全集。
前の持ち主の書き込み有りですか。
しかも丁寧に書かれている。
それは掘り出し物でしたね。
中古本の線引き、書き込みを嫌がる人は多いようですが、私はなんとも思いませんし、
時に有り難いと思っています。
線引き、書き込みがあると値段も大きく下がって言うことなしです(笑)

ヴォーカルものは私は踏み入れないようにしています。
入り込んで抜け出せなくなるかもしれないからです(笑)
ですが先週のNHK-FM”夜のプレイリスト”で小柳ルミ子さんがジュリー・ロンドンのベスト盤をかけていました。
とても良かったです。
危ない、危ない(笑)

不二家憩希

2021/02/22 URL 編集返信

yositaka
Re:Re:Re:ヴォーカル全集。
不二家憩希さん
古書や中古盤の書き込みは面白いですよ。ときには持ち主あての私信のハガキが栞がわりに挟んであったりして、興味がつきません。

タイミングの記載については、今のリスナーには注釈が必要かもしれません。
1980年代には「貸レコード店」というのがあって、よく利用されていました。借りたレコードは、当然のようにカセットにダビングするのですが、当然レコード会社としては面白くありません。
そこで防止策として、それまでは記載していた一曲ごとの演奏時間の表記をなくした時期があったのです。この全集が出た1984年はその時期に当たるんですね。それで、自分で計測して書き込んだというわけです。
こんなのは、CD時代では考えられない、地味で手間取る作業です。けれどそれもまた、当時の一つの音楽文化だったんですね。

>ヴォーカルものは私は踏み入れないようにしています…入り込んで抜け出せなくなる
そうかもしれませんね。でもまあ趣味ですから、抜け出せないのも楽しみのうちです。それに安いものしか買わないので。

yositaka

2021/02/22 URL 編集返信

Re:Re:Re:Re:ヴォーカル全集。
>防止策として、それまでは記載していた一曲ごとの演奏時間の表記をなくした時期があったのです。

おぉ、そんなことをしていたんですか!(驚&呆れ)
知りませんでした。
姑息なことをしますね。(当然の行為なのかもしれませんが)
ただの意地悪、嫌がらせに感じます。
定価で購入したお客の利便性よりも、自らの権利の主張というか攻撃というか。
何時まで経っても幼い業界ですね。
マトモな業界人も沢山おられるとは思いますが。

細かく記載があるところを見ると前オーナーさんは丁寧に盤を扱っていたことでしょう。

不二家憩希

2021/02/22 URL 編集返信

yositaka
Re:Re:Re:Re:Re:ヴォーカル全集。
不二家憩希さん

>ただの意地悪、嫌がらせ
演奏時間表示が突然なくなったときは、まあ理由は想像できましたが、コンチクショウと思いましたね。LPは高いので、友人どうしてダビングし合うのはごく普通のことでしたから。
もっとも、倉田喜弘氏の「日本レコード文化史」(岩波現代文庫)などを読むと、レコード業界の歴史は、海賊盤との戦いと、著作権の確立の歴史だったことがよくわかります。

これは市井の人々の感覚とは大きくずれていたと思いますし、今もそうでしょう。音楽文化とお金の問題は一筋縄ではいきません。未来永劫もめ続ける気がします。

yositaka

2021/02/22 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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