ネコパパ、新しい顔を手に入れる

1月某日、新しく開店したという中古レコード店を教えてもらったネコパパ、喜び勇んで愛車に飛び乗り出かけました。コロ難儀の緊急事態宣言の中、不要不急の外出をみなさん自制していると見えて、名古屋中心部はいつも混雑気味の国道もとても走りやすく、ナビの指示もスムーズに指定住所に進みます。
ネコパパは車の運転が苦手で、スピードもあまり出せない。
ところが渋滞や信号待ちは嫌いで、長くなるとどうしてもイライラしてくるのです。でもこれなら大丈夫。
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目的のお店はビルの2階にあります。駐車場も近くて、中心地に近い割にはリーズナブル。さっそく車を止めてお店のドアをあけました。
ところが、ウキウキしすぎて開店時間よりも45分早かった。なぜか顔なじみの店長さんに「すみません、12時半からなんです」といわれて、苦笑いのネコパパ。それではちょっとランチを済ませて、と思いながら、また1階へ…で、そこから1分しないうちに、わけがわからないことになっていました。何かにぶつかったようで、おでこに激しいショックが。
痛みはない。いつものそそっかしさに起因する前方不注意だ。道端にあったフェンスの角に右眉の上をぶつけたようだ。またまた恥ずかしいことを…と思ったのですが、おかしい。
なぜか目の前が真っ赤。眼鏡を取ると、赤いゼラチンをつけたスポットライトみたいな色に右側が染まっています。
こりゃいかん、出血しとる。
慌ててハンカチを取り出して患部を抑えるも、とても追いつかないくらいの出血がつづく。
救急車を呼ぶか。いや、このコロナ禍、救急車じゃたらい回しで、即座に受け入れてもらえるかどうか。ならば、自分で運転して近くの病院に?
そうしているうちにも、出血はつづいて、マスクをとってみればこれも血染め。上着にもぽたぽた落ちてくる。こりゃ、自力じゃダメだ。
…で、またもビル2階の開店前のレコード店に飛び込むネコパパ。
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まあ、お店の皆さんには大変ご迷惑をかけました。
病院の検索。タクシーの手配。新しいマスクにテッシュボックス…
幸い、迅速・的確なサポートと手配のおかげで、およそ15分後には、近くの外科病院の診察室で処置を受けていました。
初老の医師が、熟練の技でてきぱき処置をしてくださるので、不安感はありませんでしたが、
「これは…深いですね」「かなり出血したでしょう。動脈1本切れてますよ」「目のすぐ上で、危なかったな」
独り言を言いながらの作業される。
ネコパパも、ここに至って、ようやくのことで、恐ろしくなったのでありました。
「終わりました。6針です。縦傷なので少し残りますけど、目立つような傷じゃないので安心してください」と先生。
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運悪く、その日は健康保険証を所持していなかったので、気恥ずかしくもスマホでアヤママに連絡、事故発生から1時間後には、ガーゼにテープをおでこに貼ったネコパパは、アヤママと連れ立って病院を出たのでした。
現場のレコード店前へは、ほんのわずかの距離だったので徒歩で向かい、あらためてお礼を言って、何か一枚買って帰るつもりでしたが、流石にその気持ちにはなれなくて、駐車場に止めた愛車をアヤママが運転して帰宅した…と、こういうわけです。

ネコパパ自宅近隣にある医院に紹介状を書いていただいたので、翌日から4日ほど通院しました。
事故当日は、なんのこれしき、と平然としていましたが、
翌日、鏡を見ると、目の下まで紫色に腫れていました。「当然こうなりますよ。数日でもとに戻るので安心してください」との医師の言葉に胸をなでおろす。「目が無事で良かったですねえ」と重ねて言われました。

事故からちょうど一週間で抜糸となり、そのときには紫色の腫れもほぼ回復していました。一週間ぶりに勤務に出ると「大丈夫でしたか」と、教員仲間に声をかけられました。外目にはほとんどわからないくらいだったようです。
ですがまあ、本人にはわかるわな。
週末にはお世話になったレコード店に出かけて、あらためてお礼をして、ようやくじっくりと商品棚を探索させていただき、なかなかの品揃えであることに驚きました。
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入手した一枚。シューリヒト指揮のシューマン「ライン」交響曲、英国盤。これは特別の一枚になりそうです。

アメリカ映画に出てくる悪党(ヴィラン)には、かなり深刻な事情で、顔がすっかり変わってしまう、というのがある。
「バットマン」のジョーカーとか、トゥーフェイスとか。
「スター・ウォーズ」のベイダー卿もそうかな。ネコパパはヴィランどころか、小心者のイエネコに過ぎないけど、3センチの縦線1本入った「新しい顔」を期せずして手に入れたわけです。
悪党たちのような「命懸け」で手に入れたものじゃない。多分。でもこれって、案外、なにか意味があるのかも。異界へのパスポートとか。
この年齢になってリニューアルというのも変たげれど、新しい顔のネコパパの活躍に、これからもご期待ください。
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コメント

コメント(16)
お気をつけて!
大変でした。結果ご無事で何よりです。
ぼくは階段を気を付けないとと最近何回かありました。つい急いで一段飛ばしをして踏み外しそうになったことが。
あ、こりゃいかんと思いました。
名古屋時代、皆既日食の日に、授業中、黒板に書きながら後ずさり、教壇を踏み外し転倒。左肘脱臼し、救急車で搬送されましたが、喉元過ぎれば熱さを忘る。
蛙頭の悲しさです。年を自覚しないと、と思いつつ、ここまで来てしまいました。

ネコパパ様も、どうかお気をつけて!

シュレーゲル雨蛙

2021/02/08 URL 編集返信

+思考
直ぐに病院が、受け付けてくれて良かった。
例会を欠席するメールを頂いた時は、「?」でした。
翌週抜糸後、お逢いした時は、言われなければ気がつかなかったです。
「6針縫って目立たない」「紹介状をかいてくれた」腕が良く、術後のケアをして下さる先生で良かったですね。
ネコパパさん、あいかわらずの「+思考」で安心しました。

お礼にロンドンのシユーリヒトですか、またネコパパさんらしい。
お店の店主懐かしかったでしょう。「最近盤が、出てこない」と嘆いておられました。
私も店頭に出る前の値付け品のジャケが気になりをかけてもらい購入しました。

チャラン

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:お気をつけて!
シュレーゲル雨蛙さん
ご心配かけました。
階段は、私も怖いです。つま先でちょちょちょちょっと昇降する癖があり(猫足と妻に言われる)おまけに足の形が三角形に近いため、子どもの頃からよく踏み外しました。この年になるとさすがに危険なので、昇降時はかかとを必ず付けるように「意識」しているのですが、何しろ歩行は無意識の部分が多いので…今回もそうでした。自分の行動にはいつも疑いを持って生活しなければと思います。

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:+思考
チャランさん
ご心配かけました。店主のKさんとはこれですっかり懇意になってしまいました。
手際のよい采配でいいや医者さんを紹介していただけたのはラッキーでした。
お店に駆け込んだりが12時ちょっと前、病院到着が12時15分、午前の診療時間は12時30分前で、ハリウッド映画並みの攻防戦(?)の結果、最速の対応ができました。人生何が起こるかわかりません。「+思考」は昨日思いついたので、記事になりました。

お店には「おっ」と思うようなものがかなり出ていましたが、次々に売れているようです。しかし値付け前の品は漁らないように!

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

旗本ネコ侍
うん、これは大変でしたね。それにしても、ぶつかった対象ははっきりしていないのですか。
思いの外に深い傷、でも、その後大事なくてなによりでした。

>翌日、鏡を見ると、目の下まで紫色に...

内出血した血が固まって黒くなったんでしょう。太腿の肉離れでも、ふくらはぎから足首までまっ黒くなってギョッとしますが、人間の身体ってうまく修繕されるもんです。

>異界へのパスポートとか...

これは、まさしく天下御免の向こう傷、今後は、何かあったら「ええい、この眉間の傷が目に入らぬか」ですなぁ。(笑)
とまぁ、冗談が云えるのも、経過良好だったおかげです、本当によかった!

みっち

2021/02/08 URL 編集返信

動脈!
動脈まで達する傷とは!
「痛くてどうしようもない」ということではなかったのが幸いでしたね。
血が出続ける、それも目の近くとは大変なことです。
顔面は人の急所ですからね。
近くに親切な人がいて良かったですよね。


不二家憩希

2021/02/08 URL 編集返信

お大事に!
ネコパパさん、久々に当ブログ覗いたらこんな事件が起きていたのか!
コロナ禍、たらい回しにされても仕方がないのに周りの方の協力と手際
の良い医師の処置で事なきを得ましたね。顔とか頭の外傷は出血がひどい
場合が多いからビビってしまいますよね。軽傷の部類ですよね。

IK

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:旗本ネコ侍
みっちさん
いやあ、相手はフェンスの支柱の角です。
見知った場所でないため、きょろきょろしながら歩いたのが原因でしょう。ネコパパのやりそうなことです。

>人間の身体ってうまく修繕されるもんです。

その通りですが、その再生力も近頃衰えを感じています。今回一週間で再生したのは対応にスピード感があったためでしょう。ラッキーでした。
「異界」にもいろいろあります。
今回は幸い何事もなく「こちら」に留まれましたが、異界との狭間はどこにでもあるなと実感した経験でした。

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:動脈!
不二家憩希さん
それが、不思議なことに痛みはゼロ。
麻酔が切れたらきっと激痛が、と待ち構えていたのですが、それもありませんでした。一定のところを超えると痛点も麻痺するのか、となると、死の瞬間は快感の極みのはず、なぜなら人は一度しか死ねないからだ、と誰かが言っていた話も案外当たっているかもしれません。
動脈が切れたと聞いて、思わず「椿三十郎」のラストシーンを思い浮かべ、横で見たかったと思ったのは不謹慎でしょうね。
ご心配おかけしました。

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:お大事に!
IKさん
ありがとうございます。
なんとか軽傷で済みました。なんだかんだ言って頼りになるのは日本の医療です。
事故から一週間過ぎて普通に生活していても、ときどきなんか不思議な気分になりますね。そのせいもあるのか、読みかけたまま長いあいだ放置していた、500ページもある児童文学史の本が一気に読めてしまいました。昨日は何年かぶりに絵も描いたし…新しい顔の力なのかもしれません。

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

6針通過は愛聴盤か
愛聴盤にとってみれば、顔面を何度も針が縫うように走り去っていくのですね。

美術研究室アトリエキノチッタ(ひきこ杜)

2021/02/08 URL 編集返信

yositaka
Re:6針通過は愛聴盤か
ひきこ杜さん
いやあ、これは痛い。
特に蓄音機は高針圧だから、針が縫うように走るたびに、擦り切れているはずです。ネコパパの顔もかなり擦り切れてきたということなのでしょう。

yositaka

2021/02/08 URL 編集返信

お大事に
こんばんは。

おくればせながら,たいへんでしたね。お大事にしてください。
ぼくも,5年ほど前,自転車で転んでアゴを6針縫いました。
お仲間ですね。
ぼくの場合は,半年ほど周辺部の感覚がなかったのですが,その後もどってきました。
神経も修復されたんだなと,感心しました。

リキ

2021/02/12 URL 編集返信

お大事に。
あ、チラッとお書きになっていた件ですね。

これはたいへんでした~。
顛末、ドラマになっておりますね。

「耳」=音楽に注意が向き過ぎると、目のほうが疎かになるのでしょうか…。
私は、もう30年以上前になると思いますが、中古レコード店でセットものを棚から取り出そうとした時だったか、メガネをお落とし、今と違ってガラスのレンズだったので、見事に割れ、1ヶ月分のバイト代がトんでしまった経験があります。

お大事に m(_ _)m。

へうたむ

2021/02/13 URL 編集返信

yositaka
Re:お大事に
リキさん、ご心配かけました。
そうか、リキさんもあの時は大変でしたね。
私の場合も、対応が迅速だったからよかったものの、遅れていたらまずいことになっていたかもしれません。事故の瞬間は痛みがないせいもあって、自分自身にあまり危機感がなかったのですが、考えてみたら痛みがない方がやばいのかもしれません。一寸先は闇、お互いに気をつけましょう。まだまだ人生が欲しいですからね。

yositaka

2021/02/13 URL 編集返信

yositaka
Re:お大事に。
へうたむさん
ネタにするまでにちょっと時間がかかりました。朝起きたら、オチを思いついたので書くことができました。恥ずかしい身辺報告といっても、面白さは大事ですから。
>中古レコード店でセットものを…
あるある。
そういう場合は、メガネが身代わりになってくれた、とプラス思考で考えましょう。
しかし、棚は怖いですね。
名古屋近辺では少ないですが、東京のDU店などに行くと、壁に獲物がありますからねえ。神保町のR社もそうですね。
今後は年齢も考えて、無理はしないで店員さんにとってもらうことにしましょう。

yositaka

2021/02/13 URL 編集返信

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yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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