謹賀新年

2021-01-01 (2)
2021年の聴き初めバッハ。
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バッハ
教会カンタータ第147番~主よ、人の望みの喜びよ (ヘス編) R.1950/7/6-10
コラール前奏曲「イエス、わたしは主の名を呼ぶ」BWV639 (ブゾーニ編)R.1950/7/10
パルティータ第1番変ロ長調BWV825 R.1950/9/16

ディヌ・リパッティ(p)
ANGEL(TOSHIBA EMI)EAC60032/38 LP


リパッティは1917年ルーマニアのブカレスト生まれのピアニスト。50年12月2日没。4歳からピアノを始め、フロリカ・ムジチェスクに学び、ブカレスト音楽院に入学。34年のウィーンの国際コンクールで2位となりましたが、審査員のコルトーが抗議して辞表を提出、この後パリでピアノをコルトー、指揮をミュンシュ、作曲をナディア・ブーランジェに師事します。36年本格的デビューを果たし、またたく間に名声を博しましたが、33歳で悪性リンパ腫のため夭折…録音は多くが1947年から50年にかけて英Columbiaに行われました。

「パルティータ」第1番はスタジオ録音とライヴ録音の二種類を収録していますが、今日は1950年9月16日、彼の最後のリサイタルとなったブザンソン音楽祭でのライヴ録音を聞いてみました。その日、リパッティは医師の中止勧告を振り切って出演。すでにリンパ腫の末期にあり、後に妻が「まるでゴルゴダの丘に向かうイエス・キリストのようだった」と回想したほど体調は悪化していて、演奏中のショパンのワルツを中断し、控え室で注射をしてもらってステージに戻ったというエピソードも伝えられています。

リパッティの演奏スタイルは淡々として古典的。濃厚な表情を付けるタイプではなく、それはスタジオ録音でもライヴ録音でも全く変わりませんが、フレーズに対する強い思い入れが、時として肺腑をえぐるような強靭なタッチとして屹立するところに凄みがあります。
コロナ禍はウィルスとの戦いというより、人間の闇、社会の闇との戦いの様相を示しているとネコパパは思いますが、そんな今、人に生きる意味を伝えてくれるのは、このような音楽ではないかと感じています。


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コメント

コメント(14)
謹賀新年
明けましておめでとうございます。
昨夜は久しぶりに紅白歌合戦を見通しました。旭川出身の玉置浩二の「田園」(歌伴東京フィル)編曲がベートーヴェンの田園をひそかに(?)盛り込んでいました。
私的には、今年も歌詞がベートーヴェン以来の、愛、共に、であり続けていることを再確認しました。
しかし、氷川きよしには驚き。MISIAには感心。現代が脱欧入エスニックに行く、新しい流れも垣間見た気もします。

さて、今年は何から始めるか。ライヴァル(?)がバッハ、リパッティ。ウーン!
降参しました。
今年もよろしくお願いいたします。

シュレーゲル雨蛙

2021/01/01 URL 編集返信

yositaka
Re:謹賀新年
シュレーゲル雨蛙さん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。紅白歌合戦の「田園」、あれは、必ずやるだろうと思って見ていたら当たりでした。指揮者の柳沢さんも真剣に振っていました。
司会者連中はスルーでしたけれどね。まさか気付かなかったとか!?あの曲にどうして「田園」というタイトルが必要だったのか、やっとわかった気がします。先日シマウマ書店で買った柴田南雄「音楽にしひがし」を読みながらの「ながら視聴」だったので、細かいところはわかりませんが「エール」特集はしっかり見ていました。

ことしは対面での情報交換ができることを期待しています。

yositaka

2021/01/01 URL 編集返信

聴き始め
明けましておめでとうございます。
私は、例年聴き始めは、宮城道雄の「春の海」と決めています。
昨年ビクター「春の海」宮城道雄、ルネ・シュメーNK-3002 1951年頃の再発盤を入手し、ビクター「六段」宮城道雄・吉田晴風・牧瀬喜代子50526と併せ聴いています。
本年もよろしくお願いいたします。

年賀状にあった蓄音機「音楽を楽しむ会」でのデビューをたのしみにしています。

チャラン

2021/01/01 URL 編集返信

yositaka
Re:聴き始め
チャランさん
今年もよろしくお願いします。宮城+シュメーの「春の海」は、IKさんも入手され、先程victor J1-81で再生された動画が「音聴箱愛好会」のLINEに入ってきたので家電オーディオ1号で聞いたところ、大変な高音質でした。
また、木製ホーンを使用した「6段」もいい音でこなれてきたと思います。スマホ買ったらぜひ参加を。
いま調子をみているColumbia117は、今のところ「音楽を楽しむ会」では使わない予定です。移動が大変で、身体負担も大きいからです。ウィル愛知の会でも、その後皆さん、腰を痛めました。後から来るのが怖いのです。

yositaka

2021/01/01 URL 編集返信

あけましておめでとうございます
 あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

コロナ禍で「ウィルスの変異種発見」というニュースを聞くと
(おぉ、SF小説、SF映画みたいな展開だなぁ)と思ってしまいます。
あぁ、我ながらなんと呑気な心構だ。
でもピリピリしていても仕方ないので、まぁこれくらいで良いのでは?
とも思っています。


不二家憩希

2021/01/01 URL 編集返信

yositaka
Re:あけましておめでとうございます
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
変異種ができやすい性質はウィルス一般にあるもので、それによって毒性が薄められて収束に向かうとも言われています。
なので、人間にとって都合の良い変異なら大歓迎です。なかなかそう上手くはいかないでしょうが…
ニュース報道、特にマスコミは、基本的に人間を揺さぶり不安を煽る方向に向かいがちで、公共放送NHKだってそういう体質とは無縁ではないと思います。日頃から自分のアンテナ、自分の判断のものさしを磨いておくことが大事だと思っています。煽られようが、呑気に構えることも、決して間違いとは言えないですね。

yositaka

2021/01/01 URL 編集返信

謹賀新年
紅白は、「エール」のメンバーが出ている時を除き、チラ見でしたね。

昨年秋のこと。日本航空・JALは、機内や空港でのアナウンス「Ladies and Gentlemen」の呼び掛けを廃止しました。
これは性的マイノリティーの方々に配慮したものだそうです。
ランドセルの色や制服など学校現場での対応もすすんでいる中、「紅白歌合戦」って何?
出場者の顔ぶれを見ても無理が。
「紅桃白」でしょ。未だに源平合戦からの呼び名を引きずっているのかな。


(ちあきなおみや弘田三枝子、五輪真弓、布施明などが出場しなくなって、全集中で観なくなりました。勝敗をつけることも意味ないし。)

紅白の間、ノルウェーの天才歌手アンジェリーナ・ジョーダンの歌を中心に聴いていました。。

彼女がが9歳の時の歌です。
Angelina Jordan - I Put A Spell On You 
https://www.youtube.com/watch?v=nwFloCPXzCs


NHKは何故、両声ボーカリストのマリアセレンさん(ハルカさん)を選ばないのかな。本人が断っているなら分かるけど。
https://bonblo.com/mariaseren/

美術研究室アトリエキノチッタ(ひきこ杜)

2021/01/02 URL 編集返信

yositaka
Re:謹賀新年
ひきこ杜さん、今年もよろしくお願いします。
言われてみれば、「紅白」なんていまや時代遅れ、といいますか歴史的産物かもしれませんね。第1回は昭和20年年末のラジオ番組で「紅白音楽試合」と題され、曲目も童謡やクラシックも含むオールジャンルな内容で、プログラムとしては、現代のものよりむしろ新しいかもしれません。
無形の歴史遺産として残すのであれば、原点に返るのもいいかも。メディアもラジオだけにすれば、経費も節約されます。
と思う一方、私個人は見流しとはいえ現代のポピュラー音楽に触れる年に一度の機会になっています。テレビを囲み家族団らん共通の話題あり、という60年代の風景が、年に一度だけ蘇るというのも悪くはない気がします。
とはいえ性的マイノリティの問題に関しては、無神経にならないよう心したいところです。

yositaka

2021/01/02 URL 編集返信

謹賀新年
ネコパパ様、明けましておめでとうございます。
いつも素敵な記事を楽しみにいたしてます。
今年が良い年となりますように。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

よしな

2021/01/02 URL 編集返信

yositaka
Re:謹賀新年
よしなさん、
こちらこそよろしくお願いします。
私の知見の及ばないバロック以前の作品や現代音楽まで、幅広い音楽を取り上げたブログをいつも楽しみに拝読させていただいています。ことにルネサンスあたりとなるとほとんど未知の分野で、勉強させられることばかりです。今後もぜひご健筆で!

yositaka

2021/01/02 URL 編集返信

リパッティ!
yositakaさん、2021年今年もよろしくお願いします。 それから
チャランさん、(この場から失礼しまして)よろしくお願いします。

リパッティ・・・いいですね。なぜだか好きなピアノ弾きです。このバッハの曲・・・リパッティのオムニバス盤(東芝)で聴いてますが、何かしらいいんですよね。どこが・・・とうまく言えないのですが、やっぱり、純粋に歌おうとしている感じの清冽なタッチ・・・みたいな感じかなあ。yositakaさんも<強い思い入れが、時として肺腑をえぐるような強靭なタッチとして屹立するところ>と表現している、そういう感じかと思います。力任せに強いという感じではない、しかし、くっと芯のある切れのいいタッチから生まれる粒立ちのいい音色・・・品格がありますよね。などと勝手に思ってます(笑)

bassclef

2021/01/04 URL 編集返信

yositaka
Re:リパッティ!
bassclef君、このコメント欄ではお久しぶりです。
そういえば、以前ネコパパ宅での聴き会でリパッティを持参されたことがありました。浩瀚なジャズファンでもあり、プレイヤーでもあるbassclef君が、ここ数年来クラシックも相当な猛者となり、ついに奥義のリパッティまでも、と思ったものです。
そこで拝聴したのも渋くて、ショパンのワルツ集のなかでもとびきり情感豊かな第10番ロ短調だったような…
これは、どれをとっても素晴らしい全曲演奏の中でも、究極の逸品。

>くっと芯のある切れのいいタッチから生まれる粒立ちのいい音色

リパッティの良さを伝える言葉はなかなか浮かばないけれど、さすがです。誇張のない彼のピアノの核心は、まさにその「芯と切れ」だと思います。テープ録音以前の古い音でも十分伝わるからすごいんです。
…なんて、はやく直に会って口角泡を飛ばしたいですね。今年もよろしく!

yositaka

2021/01/04 URL 編集返信

謹賀新年
遅まきながら、今年もよろしくお願いいたします。

リパッティの当該曲は、『Great Pianists of the 20th Century』で持っています。
> 肺腑をえぐるような強靭なタッチ
このタッチと、彼の人生を思い浮かべると、気軽に聴けないピアニストなんです。

> コロナ禍はウィルスとの戦いというより、人間の闇、
> 社会の闇との戦いの様相を示している
全くおっしゃるとおりですね。“あぶり出されて”います。

> 玉置浩二の「田園」(歌伴東京フィル)編曲がベートーヴェンの田園を… by 雨蛙先生
こういうバージョンがるのでしょうか、YouTubeで聴きました…テレビがないもので;;。
なかなか噛み合ってます。

大晦日の『第九』は、声楽の入るところからのみ、ライナー盤で、新春聴き初めは…あ、忘れました^^;;。

へうたむ

2021/01/05 URL 編集返信

yositaka
Re:謹賀新年
へうたむさん
今年もよろしくお願いします。
Great Pianists of the 20th Centuryは何枚か持っていますが、聴きやすいマスタリングだと思います。例えば、リヒテルのベートーヴェン集は1曲ずつ違うレーベルの録音を寄せ集めたものですが、続けて聞いても違和感なくまとめているのはなかなかの技術と思いました。

それにしてもリパッティのピアノ…淡々としているのにグイグイ惹きつけられるこの力は何なんだろう、と思いますね。録音が残されたことだけでも良かったと思います。

玉置「田園」、ベートーヴェン生誕250年を狙って、意図的に編曲を依頼したんじゃないかと思いました。もともとタイトル以外に共通点はないはずなので、アクロバット的なアレンジです。司会者連中がそれについて完全スルーだったのは、プロデューサーもアレンジャーもがっかりしたでしょうね。

大晦日の『第九』、結局聴いたのは「教授の大みそか」で掛かったカラヤンの47年盤SPだけでした。不調期のものなのでどうかと思いましたが、意外に粗削りな熱気があって聴かせる演奏でしたね。第4楽章だけで7面という有難みもあります。一面ごとにゼンマイを30かいくらい巻き、針も交換する。ちょっと魔よけの儀式みたい。

yositaka

2021/01/05 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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