NHK-FMで「田園」を聴きまくる番組!

2020-12-27 (2)

この番組は事前に不二家さんからご連絡いただいてエアチェックしたものでした。エアチェックもやたらとしているし、最近はクラシック以外の昭和初期の歌謡曲や唱歌・童謡や現代音楽にも関心が向いているので、なかなか順番が回ってこず、やっと今日耳にした次第です。
これは「クラシックカフェ」の番組枠で続けているベートーヴェン特集の最終回でした。
最終回なら「第九」あたりを普通考えるところ「田園」を持ってきたところが渋い。
夏の「運命」聴き比べ特集に続く、ラジオならではのマニアックな企画で、「田園」には目がないネコパパには「猫に鰹節」の番組でした。

さて、どんな演奏が取り上げられたのか。幸いホームページには過去3ヶ月の放送内容が残されています。そこから引用しつつ、少々マニアックな演奏と音源に関するコメント★をつぶやいてみましょう。

12月10日(木) NHKFM 午後2時00分~ 午後3時50分

クラシックカフェ ▽ベートーベン特集(14)

アナウンサー 貞平麻衣子
楽曲

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 第1楽章」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)NBC交響楽団、(指揮)アルトゥーロ・トスカニーニ
(11分45秒)
<RVC RCCD-1004>
★1952年録音。意外に抑えた開始だが、展開部以降はトスカニーニらしいキレっぷりが際立ってくる。フレーズの終わりをクレシェンド気味にすぱっと切るイキの良さが見事。CDはRVC初期国内盤を使用。これが世界初のCD化だったはず。

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団、(指揮)ウィレム・メンゲルベルク
(0分35秒)
<PHILIPS 30CD-304>
★冒頭から、テンポが目まぐるしく変わって怪しい雰囲気をかきたてる、まさにメンゲル節。テレフンケンのスタジオ録音ではなく、いっそう表情の濃厚な1940年ライヴを選んでいるところも、ディレクターの嗜好を感じさせる。規格番号の30CDとは3000円のCDという意味。こんな古い時代のライヴでも、CD初期の1980年代はこれほど高価だった。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ウィルヘルム・フルトヴェングラー
(0分45秒)
<クラウン PAL-1026>
★1944年戦中ライヴ。あまりにも遅く暗い出だしに、観客も戸惑っているみたいなざわつきが。禍々しい雰囲気。ベートーヴェンよりも指揮者の個性を聞く演奏。CDは昔懐かしいクラウン・パレット盤だ。音源は出処不明で板起こしとも言われる。悪名高い「第8」の偽盤と組み合わされていたものである。なぜ、わざわざこれを?
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)コロンビア交響楽団、(指揮)ブルーノ・ワルター
(0分40秒)
<CBS/SONY 35DC79>
★ワルターならやはりこの1958年盤か。何気ない開始のようで、既に一音一音に叙情の呼吸が感じられる。ファン垂涎のCD初期盤を使用しての放送。ディレクターは、ジョン・マックルーアの信奉者か?品番の35は3500円の意味。これでさえも、当時のCDとしては安い価格設定だった。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ヘルベルト・フォン・カラヤン
(0分35秒)
<ポリドール F26G29021>
★1962年録音。機能美とメタリックな駆動力が感じられる、音楽よりは壮年期のカラヤンの野心にほだされる感じ。F26G29021は、カラヤンの奥様の油絵がジャケットに使われていた、再発エディションのCDだ。随分昔の気がする。26は2600円の意味。当時の感覚では廉価盤。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)カール・ベーム
(0分37秒)
<ポリドール POCG-9468>
★1971年録音。弱音の抑制された響きで始まるが、これこそ、続く仰ぎ見るように壮大な立体建築の音楽への布石だ。POCG-9468は2800円の再発盤。上記カラヤン盤もそうだが、当時のDGは廉価盤にはオリジナルジャケットを使わせなかった。2800円でも「安いCD」と思われていたのである。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)バイエルン国立管弦楽団、(指揮)カルロス・クライバー
(0分32秒)
<ORFEO C600 031 B>
★1983年ライヴ録音。冒頭から舞い上がるようなクラクラ感がある。こうして並べると、この人はやはり際立った個性派だった。生涯ただ一度演奏した「田園」である。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から 冒頭部分」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ロシア・ナショナル管弦楽団、(指揮)ミハイル・プレトニョフ
(0分33秒)
<ユニバーサル UCCG-4363>
★冒頭の僅かな部分で聴かせるテンポの激変ぶりは、「奇をてらう」という言い方がふさわしい。ここだけを聞くと、メンゲルベルクのテンポ変動と酷似している。違いは、響きのコクがなく、オーケストラに本気度が薄く「奇矯な指示に従って演奏している」感じが残ること。

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”から“第3楽章、第4楽章、第5楽章”」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)ウィルヘルム・フルトヴェングラー
(19分00秒)
<キング KICC90831/43>
★1954年5月23日の録音。フルトヴェングラーの「田園」は、後半だけ聞くと至極まっとうな解釈に思える。テンポの動きの大きなドラマティックな演奏。たた、ベルリン・フィルの音は重い。録音の鮮度がいいと思ったら、使用していたのはあのRIAS放送オリジナルマスターを使用したaudide盤だった。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”~第5楽章から」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)フィルハーモニア管弦楽団、(指揮)オットー・クレンペラー
(0分51秒)
<EMI CC33-3245>
★クレンペラーのフィナーレは、ポーカーフェイスで淡々と進むので、部分的に聞くとちょっと地味。でも木管の鮮明な透明度の高い響きはやはり独特で、曲想にも相性がいい。CDは初期の国内盤。品番の33は価格3300円という意味である。

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”~第5楽章から」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)コロンビア交響楽団、(指揮)ブルーノ・ワルター
(0分53秒)
<CBS/SONY 75DC604/6>
★コーダに近い、長く伸ばすフレーズでワルターは大きな「強弱の波」を付ける。この指揮者としてはむしろ例外的なロマン的表情だと思う。でも、ここだけ取り出して聞くと、恣意的に感も感じられる人もいるだろう。これはやや危険な取り上げ方かもしれない。75DC604/6は2巻に分かれたベートーヴェン交響曲全集の第2巻で3枚組7500円。あれ、最初に出てきた同じ演奏のCDは35DC79だったのに。同じ演奏を取り上げるのに2種類のCDを使っているのは不可思議。この2種類のマスタリングは同じもののはずだが…

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”~第5楽章から」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)バイエルン国立管弦楽団、(指揮)カルロス・クライバー
(0分43秒)
<ORFEO C600 031 B>
★すごい勢いで突き進んでいく。向かうところ敵なし。どこを切っても、彼はカルロス。

「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”~第5楽章から」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)大阪フィルハーモニー交響楽団、(指揮)朝比奈隆
(0分56秒)
<EXTON AVCL-84005>
★カオスのような音の渦に、木管パートも押し流されてしまう。そこに強い金管の雄叫びが、かぶる。この人の演奏は、一部分だけじゃ駄目だ。このAVCL-84005には2000年の、時期を接した大阪、名古屋2種類の「田園」が収録されている。ネコパパは名古屋公演の方を会場で聞いた。感動的な演奏会だった。
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「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”~第5楽章から」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)セルジュ・チェリビダッケ
(1分04秒)
<EMI TOCE-55043>
「交響曲 第6番 ヘ長調 作品68“田園”」
ベートーベン:作曲
(管弦楽)ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、(指揮)セルジュ・チェリビダッケ
(51分06秒)
<EMI TOCE-55043>
★全曲通しの一枚に選ばれたのは意外なことにチェリビダッケだ。1993年ライヴ録音。テンポ感はフルトヴェングラーに近いが、決して「異様に遅い」演奏ではない。主眼はドラマでなく音の丁寧な彫琢にあり、蕩蕩と流れるオーソドックスな演奏で、曲自体にじっくり耳を傾けることができた。

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コメント

コメント(2)
面白い番組でした。
昔はCDが今よりずっと高かったですよね。
まさか現在のような価格になるとは当時は思ってもいませんでした。
どういうわけかメンゲルベルクのフィリップス盤は特別高かったです。
マタイ受難曲とかは他の指揮者の盤が安くなっていったのに、メンゲルベルク盤だけは取り残されたように発売当初の高いままでした。
私は(レコード会社の担当者が価格改定をサボっているんだろうな)と思っていました。
それにしてもメンゲルベルクは最高です。

田園を聴きまくるという番組内容は面白かったです。
全曲がかかったチェリビダッケも思っていた以上に良かったです。
遅いだけではない良さがあるように感じました。
さすが巨匠だと思いました。

不二家憩希

2020/12/28 URL 編集返信

yositaka
Re:面白い番組でした。
不二家憩希さん
そういえば、メンゲルベルクのファンでしたね。番組では一部分だけでちょっと物足りず、久々にフィリップス盤を聴いてみました。
ちょい聴きのつもりが、やめられなくなり全曲聴いてしまいました。この指揮者の演奏は、今も斬新で、素晴らしいものと改めて感じました。
フィリップス・レーベルというとLP時代から廉価盤になるスピードが早いイメージがあり、このメンゲルベルクもLPではずっと1200円~1000円でした。ところがなぜかCD時代は、ちょっと割安のセットものにはなったものの、単体の廉価盤としては出なかった気がします。不思議ですね。

なかなかマニアックな番組でしたが、こういうのを喜ぶ人は、案外多いのでは。ベートーヴェン以外の名曲もとりあげて欲しいなと思います。

yositaka

2020/12/28 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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