音楽を楽しむ会・文学と音楽②宮澤賢治

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今回は台風が愛知県に最接近。
またも中止か、と思いましたが、わずかに南にそれたため、辛くも暴風警報は発令されず、無事実施となりました。とはいえ、激しい雨。そんななかで会場は満席の盛況となりました。お越しいただいた皆様、ありがとうございました。

2020年第5回 10月10日(土)午前10時~12時(毎月第2土曜日開催

今月のテーマ 開館40周年記念文学と音楽②宮澤賢治


今回は、文学と音楽の2回目として、宮澤賢治の愛した音楽をご紹介します。1910年代、20年代の古い音源も使用するため、ややお聞き苦しい点がありますことをご承知おきください。
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宮澤賢治(1896年8月27日 - 1933年9月21日)は、詩人、童話作家。仏教信仰と農民生活に根ざした創作を行い、ネコパパも「魂の耕し人」と敬愛する作家です。
作品中に登場する架空の理想郷に、郷里の岩手県をモチーフとしてイーハトーブ(イーハトーヴォ)と名付けたことでも知られています。生前はほとんど一般には知られず、没後、草野心平らの尽力により急速に作品群が知られるようになり、現在では海外にも数多くの読者が存在しています。

賢治は、生涯を通して音楽に深い関心を持っていました。全作品の三分の一に何らかの形で音楽が登場し、その数は382曲にのぼると言われるほど。
レコード・コレクターの嚆矢の一人でもあります。賢治の大量購入のおかげで、花巻の楽器店が、ポリドール・レコードから感謝状を贈られた事実は有名ですし、高音質のレコード用竹針を開発して、米ビクターに高く評価された逸話もあります。

1. 宮澤賢治 作詞・作曲 「星めぐりの歌」
編曲 榊原光裕

まずはじめに、花巻農学校教員時代(1921-1923年)作詞・作曲した、この曲から聞いていただきましょう。初期の童話『双子の星』で歌詞が登場し、晩年の『銀河鉄道の夜』にも登場する、賢治童話のテーマ曲ともいえる歌です。五音音階のやさしいメロディーがなつかしさを誘います。


2. ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」より
ロザリオ・ブルドン指揮 ビクター・コンサート管弦楽団 録音1916年
アルトゥール・ニキシュ指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 録音1913年
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 録音1926年

あゝ Josef Pasternack の指揮する
この冬の銀河軽便鉄道は
幾重の あえかな氷をくぐり 
(でんしんばしらの赤い碍子と松の森) 
にせものの金のメタルをぶらさげて
茶いろの瞳をりんと張り 
つめたく青らむ天椀の下
うららかな雪の台地を急ぐもの 
(窓のガラスの氷の羊歯(しだ)は 
 だんだん白い湯気にかはる) 
-冬と銀河ステーション

『繰り返し繰り返し 我らを訪れる運命の表現の素晴らしさ。おれも是非共こういうものを書かねばならない。』と言いながら書き出したのが『春と修羅』である。つまり このころ兄の書いた長い詩などは、作曲家が音譜でやるように 言葉によって それをやり、奥にひそむものを 交響曲的にあらわしたいと思ったのであろう。(宮沢清六の回想)

賢治とベートーヴェンの「運命」は、切っても切れない関係にありました。
少なくとも、3種類の「運命」を所蔵していたことからも、その傾倒ぶりが伺われます。彼が最初に手にしたのは、詩にも登場する、ジョセフ・パスターナックの指揮とされていたビクター黒盤4枚もの。現在では1.2楽章はロザリオ・ブルドン、3.4楽章はパスターナックの指揮であることが判明しています。二度目に入手したのは、世界初の運命の録音と長らく信じられていた、アルトゥール・ニキシュ指揮の演奏と推定されています。そして、いまも現物が残されている、若きフルトヴェングラー、最初の録音。
演奏の違いと、機械録音から電気録音への変化を音でたどる意味で、少しずつ聴き比べてみることにしましょう。最初の2枚が機械録音、フルトヴェングラーが初期の光学式電気録音です。

3. ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」より
ハンス・プフィッツナー指揮 ベルリン新交響楽団 録音1923年
ハンス・プフィッツナー指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団 録音1930年

「田園」というと「セロ弾きのゴーシュ」にでてくる「第六交響曲」が思いうかびます。長編詩「小岩井農場」も、この曲から得た着想で書かれたと言われています。最後まで手元に置いていた 数少ないレコードでもありました。花巻の賢治資料館に展示された賢治のチェロの前に その「田園」のSP盤はいまも置かれています。
指揮者は、ドイツの著名な作曲家でもあったハンス・プフイッツナー。彼の「田園」のレコードは、当時広く愛聴され、1923年、1926年、1930年と三回も録音されました。のんびりとした音の流れが、田園風景を散策する気分を高め、賢治の自然と音楽に対する感覚を感じ取ることができます。

4. ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」~第2楽章抜粋
ジョセフ・パスターナック指揮 ビクター・コンサート管弦楽団 録音1912年

花巻農学校教員時代に、舞台劇の伴奏音楽として使用したり、「銀河鉄道の夜」のクライマックスに登場したりと、これも、賢治のお気に入りの曲でした。
賢治はハミルトン・ハーティ指揮の全曲盤も所蔵していましたが、それが発売される以前から、今日お聞きいただく、ジョセフ・パスターナックの指揮した抜萃盤を愛聴していたと推測されています。SP片面の短縮版で、旋律優先の、か細い音のレコードですが、聴いているうちに、いつの間にか、賢治が聴いていた時間に引き戻されるような気持ちに誘われます。

5. 宮澤賢治 作詞 ドヴォルザーク 作曲 「種山ヶ原」
編曲 榊原光裕

「種山が原」は なだらかな北上山地の丘を見渡す高原で 賢治のお気に入りの場所でした。「風の又三郎」の舞台でもあります。そんな愛着が「新世界」のメロディにつけた歌詞からも伺われます。これは有名な堀内敬三の歌詞「遠き山に」よりも以前に書かれたものです。

6. ライヴリー・ステイブル・ブルース(馬小屋のブルース=愉快な馬車屋)
オリジナル・ディキシーランド・ジャズ・バンド 録音1917年

「ぼくは 小太鼓の係りでねえ。セロへ合わせてもらって来いと云われたんだ。」
「どこにも小太鼓がないじゃないか。」
「そら、これ」狸の子はせなかから棒きれを二本出しました。
「それで どうするんだ。」
「ではね、『 愉快な馬車屋』を弾いてください。」
「なんだ愉快な馬車屋ってジャズか。」-セロひきのゴーシュ

これは世界で最初のジャズレコードと言われているものです。
アメリカでは、100万枚の大ヒットとなり、日本にも輸入されたようです。当時こうしたレコードを扱っていたのは東京銀座の大きなレコード店だけだったらしく、賢治は上京時に手に入れたのかもしれません。彼は、輸入盤のタイトル「Livery Stable Blues」を自分で翻訳して、「愉快な馬車屋」にしたのだと考えられます。
ゴーシュは「小太鼓の係り」の子狸と共演し、自分のリズムの欠点をつかみます。この様子は、まさにジャズでいう「ジャム・セッション」。今からおよそ100年前のジャズ草創期、「セロひきのゴーシュ」は日本の文学史上初めて「ジャム・セッション」を描いた記念すべき作品、と言えるかもしれません。

■蓄音機コーナー■
7. リスト ラ・カンパネラ
イグナッツ・ヤン・パデレフスキー(ピアノ) 録音1926年

「銀河鉄道の夜」のふたりの主人公、ジョバンニとカンパネルラの名は曲名から取られたという仮説があります。賢治の愛聴していたピアニスト、パデレフスキーの弾く『ラ・カンパネルラ』は、軽やかで優美な可憐さと、崩したリズムによる独特の魅力をもっています。それは主人公の少年のキャラクターによく似合っているように思われます。

■蓄音機コーナー■
8. ベートーヴェン エグモント序曲
ジョセフ・パスターナック指揮 ビクター・コンサート管弦楽団 録音1926年

パスターナックの演奏で「エグモント序曲」を。この曲は賢治最愛の妹トシに先立たれた空虚感を歌った詩「風(かぜ)林(ばやし)」に登場しています。

《ああおらはあど死んでもい》
《おらも死んでもい》
  (それはしよんぼりたつてゐる宮沢か
   さうでなければ小田島国友
      向ふの柏木立のうしろの闇が
      きらきらつといま顫えたのは
      Egmont Overture にちがひない

…とし子とし子
野原へ来れば
また風の中に立てば
きつとおまへをおもひだす
おまへはその巨きな木星のうへに居るのか
鋼青壮麗のそらのむかふ
 (ああけれどもそのどこかも知れない空間で
  光の紐やオーケストラがほんたうにあるのか
  ・・・・・・・・・・・・此処あ日あ永あがくて
          一日のうちの何時だがもわがらないで・・・・・・
  ただひときれのおまへからの通信が
  いつか汽車のなかでわたくしにとどいただけだ)

9. スメタナ 交響詩「モルダウ」
ヤニック・ネゼ・セガン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 収録2016年

北上川の岸辺を描いた『銀河鉄道の夜』の原点と言われる詩に『薤露青』があります。東北最大の流域面積をもつ北上川は、高低差の少ない、悠揚としたたたずまいをもった川です。賢治はスメタナの交響詩「モルダウ」にこの故郷の川のイメージを重ねていたようです。

みをつくしの列をなつかしくうかべ
薤露青の聖らかな空明のなかを
たえずさびしく湧き鳴りながら
よもすがら南十字へながれる水よ
岸のまっくろな くるみばやしのなかでは
いま膨大なわかちがたい夜の呼吸から
銀の分子が析出される
  ……みをつくしの影はうつくしく水にうつり
    プリオシンコーストに反射して崩れてくる波は
    ときどきかすかな燐光をなげる……

10. ストラヴィンスキー 組曲「火の鳥」より
小澤征爾指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 収録1993年

賢治所蔵のレコードのなかに、この曲の1919年版組曲がありました。
彼が生涯最初にクラシック音楽に触れる機会を作ったといわれる、盛岡高等農林学校の恩師でドイツ語教授だった、玉置邁に贈呈したものです。オスカー・フリート指揮ベルリン・フィルによる1928年録音です。
これはストラヴィンスキーがディアギレフのロシア・バレエ団のために書いた野心的な音楽で、1910年の初演。賢治が14歳の時です。当時としてはバリバリの現代音楽で、よほどのクラシックファンでも、聴いた人は滅多にいなかったでしょう。賢治のマニアックな好奇心に驚かされます。
激しいリズムが沸騰する「カスチェイの凶悪な踊り」など、岩手の伝統芸能「鹿踊り」の躍動感を愛した賢治には、強く共感できる音楽だったのかもしれません。

さて、次回は…村上春樹です。

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コメント

コメント(12)
オタクっぽさ全開。
私は宮沢賢治のことを殆ど知りません。
学校で習ったはずなのに忘れているようです。
正直あまり好みではないのだと思います。
ひとつには「今で言うところの”オタクっぽさ”プンプンのキャラクターが、気に食わないのだと思います。
これは子供の頃からそう感じていました。
自分もかなりのオタクなのに!(笑)

ストラヴィンスキーの火の鳥を持っていたとは、当然知りませんでした。
頭というかセンスが新しい人だったんですね。
見直しました。

不二家憩希

2020/10/10 URL 編集返信

宮澤賢治の聴いた音楽
盛況でしたね。宮澤賢治の作品が、当時の音楽から創作の基になっていることが良くわかりました。
・「星めぐりの歌」作詞と童謡の様な歌唱は、大地に根を張って天空を見上げるようでしたが最後のヴィブラートは、録音場所のせいかエコーが掛かったようで・・・でもよかったです。
・宮沢賢治が、聴いた機械式~電気式録音のレコード特に(愉快な馬車屋)英語の専門家から添削を受けましたが、機械式録音のビクトローラの片面盤は、現在のディキシーランド・ジャズと変わらないですね。
・映像のオケは、楽器配置に目が行って困りました。小澤征爾の直線的な指揮と精悍な顔は、踊っているようでした。「ウ~ン、演奏をおぼえていない」
ネコパパさん、よくこれだけの音源を入手されましたね「ご苦労様」そして解説「感謝」です。

チャラン

2020/10/10 URL 編集返信

yositaka
Re:オタクっぽさ全開。
不二家憩希さん
宮沢賢治はオタクの神様といえる人物ですね。作品、ことに詩は「言葉で音楽をやろう」という無謀な試みで「理解しよう」という頭ではついていけない作品群です。センスが新しいというか、ぶっとんでいて当時はほとんどの人がついてこれませんでした。好みは当然分かれるでしょう。私も宗教色の強いものは苦手で、ことばあそびやナンセンスの部分に面白さを感じます。
賢治のレコード収集の研究が進んできたのは1995年以降で、ごく最近です。ストラヴィンスキー、リヒャルト・シュトラウス、ドビュッシー、ラフマニノフまで聞いていたことがわかってきました。1933年には亡くなっていることを考えると、驚くというか、呆れます。

yositaka

2020/10/10 URL 編集返信

yositaka
Re:Re:オタクっぽさ全開。
チャランさん
「宮沢賢治の聴いたクラシック」という2枚組CDがあるので、これでいいかと思ったのですが、自作やジャズがない、それにCDは大正時代のものばかりで音が貧弱。というわけで本日のような選曲になりました。賢治の所蔵盤研究が最近大いに進んみ、個人的興味でフォローしていたので音源収集はずっと気をつけていました。でもパスターナックの盤など、見つけるのは「運」しかありませんね。「馬車屋」は黒崎教授のおかげです。まさに最初からディキシーランド・ジャズ。このスタイルは当時もう出来上がっていたのでしょう。
「星めぐりの歌」は名曲で、ドラマ、映画、演劇に多く使われています。今回のヴァージョンは歌は綺麗だったけど…個人的にはより素朴なスタイルの録音があればと思います。

yositaka

2020/10/10 URL 編集返信

バレーの「火の鳥」
改めて家で、ネコパパさんの「火の鳥」を視聴すると素人の私には、聴きどころは、金管・打楽器のアップで分かりやすかったです。
バレーは、「火の鳥」にかぎらず一度も生で見たことがありません旧来の横に流れる動きから、縦に飛跳ねスピンする躍動感のある動きですかね、踊っているような小澤征爾さんの指揮振りからそのように感じました。

無料のYouTubeを検索して曲と踊りの一致を検証しましょうか。高い強制の視聴料を払っているNHKが、やるなら・・・でもNHKを見無くなった私には、視聴料高いですね。
また、ネコパパさんの神経を逆なでてごめんなさい。

チャラン

2020/10/11 URL 編集返信

yositaka
Re:バレーの「火の鳥」
チャランさん
小澤征爾の指揮は明確でこういうストレートな踊りなら舞踏感覚も確かです。ウィンナ・ワルツだと、ちょっと…なんですが。驚くのは身体的に厳しい最近でも、その点では全く衰えを知らないことです。
バレエは何度か見ましたが、民間団体のものは伴奏はほとんどが録音です。オケ付きの本格的なのはウィーン国立歌劇場でみた「くるみ割り人形」だけ。指揮者は名フィルにもよく来ているステファン・ショルテスで、席はピットの指揮台のすぐ後ろで指揮もよく見えました。
N国という政党もありますが、一般人が本気で視聴料パスするならTV処分しかありません。ネコパパ単身赴任の時は6年間TVなしでした。時々くるNHKに「ないですよお」というのは痛快なもんです。

yositaka

2020/10/11 URL 編集返信

教えてください
高学年の教科書に登場する作家・作品なので、
図書室には沢山の氏の本があります。
が・・・余り動かないのよね><;)
コーナーを作って音楽と一緒に紹介できれば、
興味を持つ子も増えるのかも^^)と、
ブログを読んで学習させていただきました。

一つ、小学生レベルの質問なのですが、
宮沢賢治は、レコードを沢山買って聴けるだけの
「お金」には困らない人生だった・・・と、
そう理解して良いのでしょうか。
当時のレコードって贅沢品ですよね。






ユキ

2020/10/11 URL 編集返信

機械式録音
こんにちは

最初期のレコード録音は電気増幅なしで、アコースティックに行なわれたと知ったときは驚きました。オーケストラさえも全員が集音器の前に集まって演奏したとか、録音はダイレクトカッティングで、
シュトローヴァイオリンなど、特殊な効果を狙った楽器かと思っていたら、この頃の録音のために指向性を持たせた楽器だと知ったのも意外でした。
20世紀終わり頃まで、この音溝を刻むという方式が続き、よくハイレベルな技術に進歩させたものだと、これも驚きです。

michael

2020/10/11 URL 編集返信

Re:教えてください
ユキさん
賢治童話は相性がありますから、図書館側としても準備が必要だと思います。
まずは個性的な絵本。小林敏也の絵本がネコパパのイチオシです。それから、ますむらひろしの漫画版。音楽からのアプローチなら高畑勲監督のアニメ「セロひきのゴーシュ」が素晴らしい。昔から出ている岩崎書店版の童話全集は、今だと「一見さん」は手に取りにくいでしょうね。つばさ文庫や青い鳥文庫が身近かもしれません。

賢治の生家宮沢家は、花巻では指折りの資産家でした。長男の賢治は後継を期待されたのですが、まったく家業にには馴染めなかったようです。
しかし宮沢家は、この風変わりな長男の個性を認め、生涯彼に経済的支援をし、教師時代も月給60円は生活費に回ることは一切なく、すべてレコードや書籍の購入に費やされました。
賢治というと「清貧」のイメージがありますが、その粗食を旨とした生活スタイルや、自分を鞭打つようなオーバーワークは、あくまで自発的な活動で、外から見れば、経済的な苦労一切なしの「やりたい放題」とも言えるわけです。

yositaka

2020/10/11 URL 編集返信

Re:機械式録音
michaelさん
今回は機械録音から電気録音へという録音史も「裏テーマ」として忍び込ませました。ラッパ収録の様子も写真でお見せしました。1910年代のビクター・コンサート管弦楽団の音は確かに貧弱ですが、聞き手を音に集中させたり、メロディーを全身で追わせたりする強引な力みたいなものも感じられます。
また、演奏者の力量次第で音質が決まるようなところもあります。1916年のブルドン指揮よりも、1913年のニキシュ指揮のほうが音がいい。こんな原始的な録音方式でも、ベルリン・フィル当時から別格のスーパー・オケだったことが分かるのですから、大したものです。

yositaka

2020/10/11 URL 編集返信

そこまで裕福&ストローヴァイオリン。
宮沢賢治は実は貧乏ではなかった、ということはどこかで読んで知っていましたがそこまで裕福だったんですね。質素を標榜しつつも一方ではSP盤のコレクションが出来るほどの贅沢をしていた。
私は子供心にもこの人が発するインチキ臭さを感じていたのだと思います。
ですが、そうした事実を隠さずに公表する猫パパさんの姿勢には敬服します。
普通宮沢賢治ファンに限らず屁理屈を並べて養護する人が多いんです。

コメント欄を読んでいてストローヴァイオリンの存在を知ることが出来て良かったです。
古い楽器なのに未来的なデザインで洒落ていると感じました。
このブログを読んでなかったら一生知らなかったことでしょう。

不二家憩希

2020/10/14 URL 編集返信

yositaka
Re:そこまで裕福&ストローヴァイオリン。
不二家憩希さん
人に聖人君子のイメージを見るのは勝手ですが、私などはその教科書的印象がじゃまをして、賢治の良さを知るのにずいぶん回り道をしてしまいました。賢治は聖人君子でもなんでもなく、才能と環境に恵まれ、家族の支援でそれが生かせた普通の人です。
そんな実像を知ることで、私はより率直に、作品に接することができるようになったわけです。
「家の反対を押し切って」というイメージもありますがこれも正確ではなく、父との論争も、人間の在り方をめぐる学者的な哲学論争のような内容だったようで、結局宮澤家は、家族を上げて賢治の生き方を認め、支援したわけです。当時としては実に風変わりな一族だったと言えるでしょう。

電気を使わない機械録音は音量が勝負で、金管に比べて音量の低い弦楽器は不利でした。そこで爆発的音量を出させるために開発されたのがシュトローヴァイオリンだったのですね。
それにしても録音に取りつかれたような、当時の技術者の執念には驚かされます。

yositaka

2020/10/14 URL 編集返信

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Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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