雑誌「ミュージック・エコー」付録盤を聴く②

音楽雑誌「ミュージックエコー = Music echo」(学習研究社1970年10月~1975年まで月刊で刊行)に付録として添付されていた17cmLPを中古レコード店で発掘。
未CD化と思われる貴重な録音が含まれているようなので、ジャケットの両面をスキャニングして紹介することにした。今回はその第2回。
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第34号。
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ダベザックの「アランフェス」は細い糸のような繊細な響きが特徴で、スペインのローカル色を感じさせない。若き荘村清志の商品3曲も貴重だが、ちょっと生真面目で硬い演奏。時間的には「アランフェス」全曲でもよかったのでは。
注目は、第2期のラインナップが掲載されていること。
今度は演奏者の記載がある。亡き立川清登のナレーションによる「世界民謡の旅」なんて、ぜひ聴いてみたい。
さらに面白いのは「第1期曲目と同じ曲目のレコードは新しい演奏家による新しいレコードです」とあること。なんとなく日本語がおかしいが、要は同じ曲の再録音をしているということだ。確認してみると「運命」、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、「第九」終楽章、「新世界」が再録音ということになる。
ベートーヴェンの朝比奈録音は、シリーズでは再録音だった。それにしてもこの種の啓発雑誌なら、普通は曲目を増やそうとするもので、第1期の曲目標を見ても、基本レパートリーがまだまだ漏れている。なのに同じ曲の再録音とは…マニアックな編集スタッフである。

第36号
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唱歌・童謡・歌曲をとりまぜて8曲も収録。
室内オーケストラを伴った編曲は気品があり、清澄な歌唱とともに聴きごたえがある。ただ「荒城の月」が演奏だけなのは拍子抜けだし、林が「ペチカ」で譜面通り「ペーィチカ」と歌わずに「ペチカ」としているのも気になる。
解説は、みんなひっくるめて「ナツメロ唱歌」などと、適当なことを言っているが、各曲の出典などのデータがきちんとしているのは良い。

第38号
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オンマイク収録の生々しい録音で、演奏もそれを意識してか、タッチの粒立ちが冴えている。
青山タウンホールで、ベーゼンドルファー使用と、菅野沖彦録音を思わせるデータだ。宇野功芳が解説を執筆。ミュンヘンの緯度が北海道とかわらないところから、ドイツ人は活動的というより思索的、ロマンティストが多いと言ってみたり、ショパンのノクターンについて、歯の浮くようなコメントがあったり、実に面白い。

第39号
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朝比奈隆の「第九」、大阪フェスティバルホールでのライヴ盤。
これの全曲盤は、学研が「交響曲全集」として1973年12月に発売しているので、おそらく同時期か。CD化はずっと遅れて、1985年11月に学研によってなされたが、短期間で廃盤になっている。その後グリーンドア音楽出版、現在はナクソス仲介のタワーレコード版全集で現役。
解説は宇野功芳で「このような名作を朝比奈の名演で聴けるとは、なんという幸せであろう」と記している。
さすがにこういう曲になると、17cmLPで聴くには忍耐が必要で、あんまり幸せじゃない。「運命」も同様。演奏はCDで拝聴しましょう。

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コメント

コメント(6)
ポップスもあり。
ミュージックエコーはクラシックだけの雑誌ではなく、ポップス系の音楽のページもかなりありました。割合は50:50かクラシックが多めという感じだったように思います。
絶妙の配分だったように思います。
谷山浩子さんが17歳の時に誌面のポップスの作曲コンクールで入賞し付録のレコードに録音されたそうです。

誌面で扱われたポップスはエレクトーン教室で教材で取り上げられるような感じの穏健なものでした。

不二家憩希

2020/08/10 URL 編集返信

yositaka
Re:ポップスもあり。
不二家憩希さん
表紙の雰囲気からしてオールジャンル、しかも学習雑誌の範囲は超えないスタンスと思われますね。ヤフオクの出品物をみると、確かにそんな感じの健全雑誌で懐かしいみつはしちかこの連載漫画ものっています。
実物を手に取りたいとは思いますが、さすがに50年前の雑誌となるとそれなりの価格です。焦らず気長に出会いを待つとしましょう。

yositaka

2020/08/10 URL 編集返信

名曲ライブラリー第1期
レコードを処分しようとしていたら Music echo名曲ライブラリー13「ギター名曲集」
ギター独奏=荘村清志があります。
曲目A面 1.ガボット バッハ 2.魔笛の主題による変奏曲 モーッアルト
  B面 3.禁じられた遊び スペイン民謡 4.アルハンブラの思い出 タルレガ
     5.スペイン舞曲 グラナドス 
ジャケット裏面 曲目表「上記の表は作曲家年表とその代表的作品で、echo名曲ライブラリー第1期の全容です。」
クラッシック・ギターが、好きで何気なく100円で購入しましたがネコパパさんのおかげで・・・です。

チャラン

2020/08/11 URL 編集返信

yositaka
Re:名曲ライブラリー第1期
チャランさん
第13号というと早い時期ですね。1972年11月号でしょうか。
第34号のB面が1970年9月7日とやや古いデータで、曲目も重なっているので、再利用でしょう。
このギターの録音は大変鮮明だと思います。
こういう出版社系の音源はよほどでないと日の目を見ないので、処分はやめたほうがいいですよ。どうせ二束三文どころか、値段がつかないかもしれませんし。

yositaka

2020/08/11 URL 編集返信

続名曲ライブラリー第1期
>このギターの録音は大変鮮明だと思います。→その通りです。ネコパパさんの感想通り、奏者の若さも録音しています。
Music echoは、ソノシートでなくビニール盤を付録にしています。
指揮・演奏家も出来る限り日本人を採用している。担当者の意気込みをかんじますね。

レコード盤の処分は、収納スペースを確保する為スチール棚にある国内盤の内日本人演奏以外の盤を考えています。
超重量盤も一部ありますが、引き取って貰えない盤と抱き合わせで処分します。

チャラン

2020/08/12 URL 編集返信

yositaka
Re:続名曲ライブラリー第1期
チャランさん
>ソノシートでなくビニール盤を付録に
ソノシート(フォノシート)も、終わったメディアなので知る世代も少ないでしょう。
輪転機でプレスできる極薄塩化ビニール素材ということで、出版社系に重宝されました。1960年代が全盛期、カセットテープ登場とともに衰退しました。でも2005年まで東洋化成では作られていたようです。

>レコード盤の処分
道楽の悩みは収納場所です。
物理的に限界が来るので、やむなく処分に至りますが、ネコパパ基準は
1 ダブり買い
2 もう聞かないかな
3 これは自分よりもふさわしいオーナーが持つべき(ネコに小判)
ですね。我が家には高価な貴重盤などないので、中古店に持込みです。

yositaka

2020/08/12 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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