ネコパパ、黄昏のH堂に出かけ「運命の一枚」に出会う

今月31日の閉店が告知された大須のH堂レコード展に出かけました。
もしかして「三密」?と訝ったけれど、そこそこの人手でした。1時間ちょっと、店内を見回ることができました。
昨日作ったばかりのLINEグループ「エジソンラヴァーズ」にも、早速行かれた方がおられて、写真を送ってくださいました。

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店内の様子は、3月に訪れた時とほとんど変わっていないように見えます。
閉店セールを告知する赤いチラシがあちこちに貼られている以外は。
クラシック、ジャズLP、SPと見て回り、入手したのはLPを4枚とSPを3枚でした。

とりあえず今回は、LPの方だけ紹介しておきます。SPはまたいずれ、ということで。

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最大の収穫は、最後の1枚…なんだか「運命の一枚」に出会った気分でした。

1972年メトロポリタン・オペラ・ガラHighlights From Metropolitan Opera Gala Honouring Sir Rudolph Bing」のライヴ録音。
US-DGG 2530 260

A面の最後に、16分間にわたって、R・シュトラウスの楽劇「サロメ」の最後の場面が演奏されています。サロメを歌うのはビルギット・ニルソン。指揮はカール・ベーム。
当時このコンサートはNHKでテレビ放送され、高校生だったネコパパは、それをカセットレコーダーで録音しながら視聴していました。
同じクラスだった亡き友が、翌日、これに熱狂的に感動したことをネコパパに告げ、間をおかずにベーム指揮の同曲全曲LPを入手。数日後友の自宅でそれに聴き入りました。

LPのサロメはギネス・ジョーンズで、ニルソンとはかなり雰囲気が違っていました。
こちらもハンブルク国立歌劇場でのライヴで、ベームの指揮も熱演ながら、メトではもっと凄まじいバックを付けていたように思い、それはエアチェックテープを聴き直しても同じように感じたのでしたが、なにしろそれは内蔵マイク録りの劣悪な音、確信は持てない。それが今日、ネコパパの目の前に出現して48年ぶりに再聴できたわけです。
高校生の耳は侮れない。記憶とぴったり一致します。
これは有名な1967年のバイロイト録音「トリスタンとイゾルデ」に聴けるニルソンとベームの壮絶を思わせる。
よりによってこういう日に、「タイムマシン」のような一枚に出会えたというのは、運命の糸というものでしょうか。


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コメント

コメント(4)
運命の糸。
ペンデレツキと三善晃がありますね。
良い傾向です(笑)

想像していたよりもこじんまりとしていて綺麗なお店ですね。
アイドル、歌謡曲等の品揃えもあるようですね。
この世界もマニア・ファンが多数いるんですよね。

>運命の糸というものでしょうか。
そういうことはあると私は思っています。
科学的には立証が難しいのですが。
長年、頭の隅にそのアイテムを置いておくと時間が経って当人が忘れた頃に巡り合う。
不思議な力は現実にあるようです。
それは物だけではなく人でも起こります。
この世には不可思議な力が流れていますね。

不二家憩希

2020/05/11 URL 編集返信

yositaka
Re:運命の糸。
不二家憩希さん
ストラヴィンスキーやシェーンベルク、シュトックハウゼンの音楽は高校生の時、この友人の家で初めて聞いたのです。まあ世の中にはいろいろな音楽があるものだと思いました。

ペンデレツキは最近なくなりましたね。まだあまりわかっていませんが、このヴァイオリン協奏曲は曲がぐんぐん入ってくる。1976年ですから、スターンもとっくに盛りを過ぎているはずなんですが、初演となると力が入るんでしょうか。スクロヴァの指揮ともども素晴らしい演奏です。三善晃はピアノ協奏曲を聞きました。本庄玲子のピアノ、若杉弘指揮読響で1970年録音。クラシックの普通のレパートリーにしていい力作と思います。

Opera Galaですが、あまり出ない盤のようです。まさしく不可思議な力で引き寄せられた感じ。長年通ったお店からのプレゼントと思って大切にしたいと思います。

yositaka

2020/05/11 URL 編集返信

昔の記憶
コメント、ありがとうございました。

4枚のLPの中では、三善晃とMETガラを聞いておりました。
三善晃は、タワレコが復刻してくれた2枚組CDで、ビクター原盤でしたから、多分同じ音源だろうと思います。
METガラは、NHKがBSで再放送したもんだろうと思いますが、映像をDVDに落としたものが残っています。
ニルソンとビングは、ギャラをめぐって色々と逸話を残した仲みたいで、お互いにそのやり取りを楽しんでいたようなところもありそうです。
それを反映したような映像であったように記憶しています。

それにしても昔の記憶が鮮明なのに、諸々の事情から食事記録をつけるようになったら、昨日、何を食べたか、なかなか思い出せないようになりました…

gustav

2020/05/20 URL 編集返信

yositaka
Re:昔の記憶
gustavさん、お久しぶりです。
三善晃、ヴァイオリン・ソナタにすっかり驚いてしまい、いろいろ聴いてみたくなりました。どの作品も期待を裏切らぬ傑作ぞろいです。60年代の日本の現代音楽、もっと演奏されるべきですね。

METガラコンサートは、いろいろな年のものが出ているみたいですが、私はこれと、バーンスタインがレオノーレ序曲第3番だけを振って退散した回が記憶にあります。三大テナーが出演した、1983年のものです。

最近の記憶がすぐになくなるのは私も同じです。忘却力がどんどん強化されて、ストレスがありません。
ただ、無くしものを探すのには莫大な労力がかかります。これは困るし、呆れます。
一方、昔の記憶を鮮明にたどるのは楽しいですね。60年以上生きると、いろいろなものが貯まるようです。モノは捨てても過去は捨てたくありません。このレコードを聴いて当時の空気が蘇ったのは、何とも懐かしく嬉しい時間でした。

yositaka

2020/05/20 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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