このCDを聴いている。
『ヴィキングル・オラフソン~ドビュッシー&ラモー』
1)ドビュッシー:《選ばれし乙女》から 前奏曲
ラモー:
2)鳥のさえずり
3)リゴードン1, 2 &ドゥーブル
4)ロンドー形式のミュゼット
5)タンブーラン
6)村娘
7)ロンドー形式のジグ1&2
ドビュッシー:
8)《版画》から 雨の庭
9)《子供の領分》から 人形へのセレナード
10)《子供の領分》から 雪は踊っている
ラモー:
11)優しい嘆き
12)つむじ風
13)ミューズたちの語らい
14)ドビュッシー:《前奏曲集 第1巻》から 雪の上の足跡
ラモー:
15)喜び
16)一つ目の巨人
17)ラモー/オラフソン:芸術と時間
ドビュッシー:
18)《前奏曲集 第1巻》から 亜麻色の髪の乙女
19)《前奏曲集 第2巻》から 水の精
ラモー:
20)《第5コンセール》から キュピ
21)《第4コンセール》から 軽はずみなおしゃべり
22)《第4コンセール》から ラモー
23)めんどり
24)エンハーモニック
25)メヌエット1&2
26)未開人たち 27) ジプシーの女
28)ドビュッシー:《映像 第1集》から ラモーを讃えて
ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)
Deutsche Grammophon CD 4837701
Rec.2019年8月 レイキャヴィーク
ピアノソロは苦手なネコパパだが、最初のドビュッシー「選ばれた乙女」前奏曲の密やかにしみる音色がたまらないと思っていたところへ、間髪を入れず続くラモー3曲。速い曲は思い切りの快速、遅い曲はじっくりと歌う。
そしてなにより、鍵盤と指が全く一つになっているかのようになめらかで、楽器の介在を全く意識させない、自在な音の動きに耳が離せなくなる。
弾いてるのはヴィキングル・オラクソン。
アイスランドの若手ピアニストだ。アイスランドといえば愛知万博の時、ネコパパの勤務していた市が、この国と提携したというので、使節団が勤務校を訪問したり、パビリオンの展示に協力したりと、ちょっとした繋がりをもった。交流レクチャーのVTRで見た、人口の少ない、自然と人が自然に調和して生きている国ーといっても人口35万人の都市国家だがーの印象が目に浮かぶ。
そのとき見た情景と、ジャケット写真に見る、ビル・エヴァンスを思わせるクールな風貌、そしてこの素敵なピアニズムがひとつのイメージとして重なり合う。
アイスランドの人名には姓がないという。
ヴィキングルが彼の名、オラクソンは父の名だそうだ。まるでファンタジーの登場人物のようである。
1984年2月14日 生まれで36歳。若い。
「レコード芸術」の広告か何かでこのジャケット写真を見たとき「これは只者ではない」と直感したのだが、どうやら的中したようだ。
ドビュッシーはネコパパの最も好きな作曲家の一人で、この人の曲だったらピアノ曲でも喜んで聴くのだが、本当にいいと感じられる演奏にはめったに出会わない。でもこのCDに含まれた「雨の庭」「人形へのセレナード」「雪は踊っている」と、続けて演奏される3曲は、どれひとつを取っても、これまで耳にした幾多の演奏の印象を雲散霧消させるような音楽だ。
一方のラモーも、バロック時代の作曲家ながら、ネコパパはピアノで聴いてこその「珠玉の作品」と思い、宮沢明子とアンジェラ・ヒューイットを大切に聴いてきた。ところが、ヴィキングルの演奏は、ちょっと大げさかもしれないが、目眩がするほどの鮮やかさ。これまでの価値観を揺さぶられる。
このアルバム、LPでも発売されるとのこと。2枚組で価格はなかなか高い。ショップで見かけたら大変だ。
- 関連記事
-
スポンサーサイト
コメント