物語論って②


キャンベルが各地の神話から抽出構成した物語の構造を解き明かした本。
このほうが『千の顔をもつ英雄』よりもわかりやすいとのことだ。
この表紙は、見覚えがある。
ブックショップ「トムの庭」http://homepage2.nifty.com/tom-garden/index.htmで見て、手に取ったような…
高価だ。
買うべきか。
まずどこかで中身を見てからにしよう…。


大塚英志の本や、有名なサイト「松岡正剛の千夜千冊 」の『千の顔をもつ英雄』上下ジョゼフ・キャンベルの詳細な紹介文
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0704.html
を参照して、自分なりの覚書を作ってみた。


世界の英雄伝説に共通する構造


(1)「セパレーション」(分離・旅立ち)
(2)「イニシエーション」(試練・通過儀礼)
(3)「リターン」(帰還)。


それをさらに詳しく見ると…


(1)セパレーション 旅立ち


①「冒険への召命」=主人公が冒険のたびに出発する使命・運命・前兆がもたらされる

②「召命の辞退」=しかし主人公は意図的にそれを避けるか、読み取れないものとしてしりぞける。

③「超越的な援助」=超越の力を持つものが、偶然のように主人公を支援する。いったん冒険を受け入れると、意外な幸運がやってくる。その援助者は小人・老人・老婆の姿をし、意地悪な態度を取ることが多い。

④「最初の越境」=冒険への最初の境界を越える。それを守る者と対峙し、切り抜ける。

⑤「闇への航海」=さらに闇の深遠に。「胎内回帰」ともよばれ死の危険を伴う冒険に突入する。


(2)イニシエーション 試練・通過儀礼 


①「試練の道」=試練が次々に続く。 

②「女神との遭遇」=ひょんなことから大きな母性的なものと出会い、至福感を体験しつつエネルギーを充電する。

③「誘惑する異性」=異性の誘惑を断てない主人公が描かれるとともに、事件の真相がエディプス的な父性に基づくものであ
ることが発覚する。

④「父との一体化」=脅威の対象が父であったことを知った主人公が描かれ、それを超える成熟を監督することが暗示される。

⑤「アナザー・ワールド」=主人公は父がつくった国を体験する。王の国・神の国・ユートピア・アルカディア・老いた国・不老の国・魔王の世界・別世界

⑥「終局の恩恵」=大団円。不滅・勝利・獲得・謎解き、物語の終息。はじめて世界の全貌があかされることが少なくない。


(3)リターン 帰還


①「帰還の拒絶」=主人公は故国への帰還の旅立ちをするにあたって、収穫物を持ち帰らなければならないのだが、その困難を予想していったん拒否される(あるいは期待される戦利品がない)。

②「呪的逃走」=押し付けられた戦利品から逃げ出したくなり、呪いを振り払って逃走。

③「外界からの救出」=逃走が進むには、外部的な超常力が加わる必要がある。外力が手をさしのべる。

④「帰路の境界」=彼岸から此岸に戻ろうとして、さまざまな境界を逆方向に進行しなければならない。いわば「時間・空間の旅」の試練。

⑤「二つの世界の導師」=ついに空間と時間の仕切りを越えて帰還。これまで仮の姿であった登場人物たちの真の姿が明らかになるとともに、自分自身自覚していなかった主人公の真の姿もあきらかになる。

⑥「自由と本性」=故郷に戻ると、そこは新たな王国・共同体としての活気を取り戻し、祝祭の場面が繰り広げられる。



孫引きなので、正確とはいいかねるが、
なるほど!『スター・ウォーズ』そのままだ。

監督ジョージ・ルーカスは、大学時代キャンベルに物語論の講義を受け、強く影響され、自身の映画づくりにほぼ原型のまま導入たのだという。
初期三部作を思い出してみると、確かに大塚の言うとおり、映画の展開がそのまま浮かんでくるようだ。
ダース・ベイダーの出自を描く後期三部作(時系列で言えば初期三部作に先立つものだが)もまた、
「旅立ち」から「試練」の途中までのヴァリエーションして見るならば、
一致する部分が多いと思われる。暗黒面に傾斜する敵役なので、「主人公=英雄」のモチーフはそのまま当てはまるものではないが…

しかし、そうであるとしても、そこには「構造しかない」のか。問題はそこだ。

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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