ドイツ・ロマン派のヴァイオリン・ソナタをライヴで

2019/ 11/ 17
                 
11月15日はアヤママとコンサートに出かけました。場所は名古屋栄・電気文化会館地下のザ・コンサートホール。

これです。

古賀智子_チラシ(1)

演奏者は娘や息子が通った幼稚園で一緒だった方で、公民館に集まって活動する自主的な子育てグループの、メンバーのお子様です。
その後、ネコパパ家が転居したため、母親同士は旧交がありますが、そこで育った子どもたちはお互いをすっかり忘れているという、面白い縁です。

古賀智子さん。愛知県出身。東京藝術大学を卒業後渡独し、カールスルーエ音楽大学大学院とデュッセルドルフ音楽大学大学院を優秀な成績で修了されて、2017年帰国。
ドイツで学んだ、注目の若手ヴァイオリニストです。

プログラムはドイツ・ロマン派のソナタ2曲を中心とした渋いもので、ドイツで磨いた技を存分に披露しようという意欲の感じられるものでした。

最初のストラヴィンスキーは、バレエ音楽「プルチネルラ」から編曲したもので、チェロとピアノで演奏されることが多い曲ですが、今回はヴァイオリン。
古典的な形式の中に、斬新な音楽を潜り込ませる「新古典主義」は、ネコパパが好む作曲様式です。さて演奏は、きっちりと清潔感のあるもので、もう少しリズムを強調して、軽みのある曲想を際立たせるようなところも欲しい気がしましたが、まずは小手調べという感じでしょうか。

次のシューマンは冒頭から気分が一変して、この作曲家らしい「ふつふつと湧き出る情感の流れ」が溢れ出る演奏でした。
ピアノ伴奏とよく溶け合った、厚みのある「響きの帯」に身を任せる快感。中低音よりの音色のさじ加減が、いかにもシューマンの音楽にぴったりなのです。
ネコパパはシューマンの室内楽にあまり馴染みがなくて、この曲も初めて聴いたのですが、とても素敵な音楽と思いました。
シューマンの音楽は、横の流れと縦の流れを対比させて、面白く聴かせようとするといった「構成感」があまり感じられず、情緒に流されていくことが全て、みたいなところがあるので、演奏次第で退屈になることもあるのですが、古賀さんの演奏は共感度が高く、短く感じられました。

後半1曲目のヴィニャフスキも初めて聴いた曲です。
グノーの歌劇「ファウスト」に題材をとったもので、歌心に満ちた序盤から技巧的な見せ場が連続し、最後は有名な「ワルツ」を最高音で歌わせます。
非常な難曲と思われますが、華やかさよりも丁寧さに力点を置き、技巧を目立たせない、悠々たる演奏が楽しめました。

そして、メインのブラームス。
このソナタ第2番は、交響曲第4番よりも後の作曲で、晩年の諦念と寂しさが漂う名作です。
第1楽章のテーマは、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」に出てくる「優勝の歌」にそっくりで、両者のライバル関係を考えるととても興味深い。
ここでも古賀さんはシューマン同様、共感に満ちた演奏を繰り広げ、楽章を追うに従って、ますますじっくりとした歩みを深めていきました。フィナーレでは、遅めのテンポを最後まで崩さず、たっぷりと余韻を残して弾き終えたので、会釈するまで「拍手なし」の状態が続いたくらいです。

アンコールは、シューマンの「ロマンス」。
この選曲がまた渋い。心にしみとおるようなメロディックな小品で「ドイツの秋」をテーマにしたようなコンサートを締めくくったのです。

正直、ヴァイオリンとピアノの二重奏という地味なジャンルで、これだけの中身の詰まった音楽が聴けるとは思いませんでした。
古賀智子さんの今後の活躍を心から応援したいと思います。
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