スウィトナー/ドレスデンのモーツァルト、オリジナル音源がSACD化

2019/ 11/ 08
                 
過去の録音のSACD化に熱心なタワーレコードが、最近は東独エテルナ原盤の再発売にも乗り出している。はじめは比較的地味な音源が多く、とくに購買意欲をそそるものはなかったが、ここに来て、ネコパパにとって「本命」といえるセットの発売が予告された。

以下、タワーレコードのサイトより引用。
https://tower.jp/article/feature_item/2019/11/07/1110


モーツァルト: 後期交響曲集(第28-36番、38-41番) 全13曲
オトマール・スウィトナー 、 シュターツカペレ・ドレスデン

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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
<DISC1>
1. 交響曲 第28番 ハ長調 KV200、
2. 交響曲 第29番 イ長調 KV201、
3. 交響曲 第30番 ニ長調 KV202
<DISC2>
4. 交響曲 第31番 ニ長調 「パリ」 KV297、
5. 交響曲 第32番 ト長調 「序曲」 KV318、
6. 交響曲 第33番 変ロ長調 KV319、
7. 交響曲 第34番 ハ長調 KV338
<DISC3>
8. 交響曲 第35番 ニ長調 「ハフナー」 KV385、
9. 交響曲 第36番 ハ長調 「リンツ」 KV425、
10. 交響曲 第38番 ニ長調 「プラハ」 KV504
<DISC4>
11. 交響曲 第39番 変ホ長調 KV543、
12. 交響曲 第40番 ト短調 KV550、
13. 交響曲 第41番 ハ長調 「ジュピター」 KV551

【演奏】
シュターツカペレ・ドレスデン
オトマール・スウィトナー(指揮)

【録音】
Disc 1: 1974/1/2-3 & 1974/3/30 (Nr.28), 1960/6/6-9 (Nr.29),1974/10/29-30 (Nr.30)
Disc 2: 1968/4/29-30 (Nr.31), 1974/1/4-7 &1974/10/28 (Nr.32,33,34)
Disc 3: 1968/4/28-29 (Nr.35), 1968/5/18-19 (Nr.36),1968/5/19-20(Nr.38)
Disc 4: 1974/11/21-22 & 1975/3/17-18 (Nr,39,40), 1973/3/5-6(Nr.41) Dresden,Lukaskirche

【Original Recordings】Musikregie: Dieter-Gerhartdt Worm/Heinz Wegner/Reimar Bluth
Tonregie: Claus Struben(KV200,201,202,297,318,385,425,504,543)/Horst Kunze(KV319,338,550,551)

【マスタリング・エンジニア】クリストフ・スティッケル
【原盤】Berlin Classics

シュターツカペレ・ドレスデンの美しい響きを十全に活かした演奏としてアナログ時代から定評のある、スウィトナー指揮のモーツァルトの交響曲録音、全13曲を4枚に集成しました。スウィトナーのモーツァルト演奏は、ベルリン・シュターツカペレとの来日公演やN響との共演で示されている通り、ウィーンの情緒を感じさせる実に自然体でテンポ感が良いスタイルであるのは誰もが認めるところです。これらの録音はスウィトナーが弱冠38歳であった1960年6月収録の第29番からスタートし、68年4月に第31,35番、翌月に第36,38番と続き、少しブランクを空けて73年の3月から翌年にかけて残りの8曲が収録されました。アナログ最盛期の当時のETERNAによる名録音ということでも注目を集めた録音です。うち9曲を担当した名エンジニアであるクラウス・シュトリューベンによる収録が殊更素晴らしく、典雅な演奏に永遠の価値を与えています。今回の復刻は、演奏に加え、その元々の録音の優秀さを細部にわたるまで堪能できる出来です。スウィトナーは、番号の若い作品ではじっくりと歌い、後ろの作品では生き生きした躍動感溢れる演奏が特徴ですが、どの演奏も深い呼吸に根差しており、まさに自然体のモーツァルトを聴くことができます。これは、数あるモーツァルト録音の中でも秀逸であり、理想的なモーツァルト像を示していると言っても良いでしょう。

今回の復刻に際して、マスターテープはレーベルからウィーン在住のマスタリング・エンジニアであるクリストフ・スティッケル氏のスタジオに空輸し、アナログ領域でのマスタリングを行った上で、デジタル化にあたってはSACD層用のDSD化とCD層用のPCM化を別系統で行い製品化。この企画では、現在考えられる限り理想的な方法でのマスタリングを実現しました。その効果は著しく、マスターテープに残されていたクオリティを極めて忠実に再現することが可能となり、さらにアナログ領域のみでのマスタリングとダイレクトDSD化が、より音質的に効果をもたらしています。従来と比較して驚くほど鮮明で解像度が高くなったことにより、演奏に対する更なる評価が期待できるほどの出来です。尚、解説書には今回使用したオリジナルのアナログ・マスターテープの外箱の写真も掲載してあります。

引用終わり。

これはネコパパにとって生涯の愛聴盤のひとつ。
録音年代には開きがあるが、録音場所は同じルカ教会。おそらく録音機材も変わっていないのだろう。音質は統一感があり、演奏はスウィトナーとしても、ドレスデン・シュターツカペレとしても、前人未到の出来ばえと思える。緊張感と熱気と魅惑の音色に満ちた、熟成したワインのようなモーツァルト演奏が記録されている。



既出のCDはベルリン・クラシックスの輸入廉価盤で出ていて、それはもちろん架蔵している。

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これはドレスデン時代のスウィトナーの代表的な演奏を網羅した、便利なボックスセットだが、音にあまりこだわりのないネコパパの耳でも、十分な音質とは思えない。
これだけを聴いていれば気にならないのかもしれないが、学生時代にフィリップス、エンジェル、ドイツシャルプラッテンとレーベルを分けて出されていた国内盤LPで馴染んだ音に比べると音がぎらついていて、すっきりしないのだ。

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最近東京で入手した東独エテルナ盤の「プラハ」「ジュピター」と比較すると、差は一層大きい。
これはVGランクの傷物で(美品は高価)、ノイズの多さには閉口させられたが、音自体は生きており、特に「ジュピター」は、演奏自体のイメージが変わるくらいの鮮烈な印象を受けた。

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これがSACDでは、どんな音で聴けるのだろう。
宣伝文の「アナログ領域でのマスタリング」の意味がよくわからないことや、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「セレナータ・ノットゥルナ」などのオリジナル・カップリング曲が外されているといった疑問点があり、過度な期待は禁物とは思うが、やはり聴いてみたい誘惑には勝てなさそうだ。
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コメント

基本的にはリマスタリング等やSACDなど高音質を謳ったものの再発ものはスルーするのですが、このスイトナーのモーツァルトにはお気に入りだけに心が動いています。
欲しいです(^^
謎のマスタリング
パスピエさん
あまり期待すると、駄目だった時がっかりするのでそこそこに留めますが、うちの家電オーディオでもSACDは案外心地よい音でなってくれることがあるのです。
それも、マスタリングエンジニアの耳と腕にかかっていると思いますけれど。

「アナログ領域でのマスタリング」という言葉には、どうも引っかかるんです。
これが例えば3チャンネルに分かれたマスターテープを2チャンネルに改めて作り直す「リミックス」ならわかるんですが…私の理解では「マスタリング」とはデジタル段階でする作業のように思うのです。
このタワーレコード独自企画のエテルナ・レーベルSACD化シリーズは第4弾で、宣伝惹句は第1弾(ザンデルリングのマーラー)の時から変わってないですね。アナログ・テープから直接(PCM化する工程ぬきに)DSDに録音した、というのが売りなんだろうと思ってました。

>「アナログ領域でのマスタリング」という言葉には、どうも引っかかる...

エテルナにマルチチャンネルのソースが残っていて、それを新たに2チャンネルにトラックダウンしたとはちょっと信じがたいです。
テープのイコライジングとか、音をいじるところはすべてアナログ回路で行い、デジタルは使ってないよ、という程度の意味なのでは。
イコライザーを通した時点で
みっちさん
マスターテープを再生しながら、例えばアナログ・イコライザーを通して音を整音し、それを編集は不可能と言われているDSDに直接変換した、ということでしょうか。
でもそれって、通常行われている24BIT PCMに変換して整音したのちDSD変換するという通常の方法よりも「良い」と言えるんでしょうかねえ。

イコライザーを通した時点で、既に「マスターテープの音」とは違っていますよね。

まあ、24BIT PCMにしても同じことかもしれないですが…
いずれにしても「結果次第」で、「方法」自体がウリになるとはちょっと思えないんです。