ぼうっとしているうちに、気が付くと、もうすぐに11月。2019年も残り少なくなりました。
ネコパパが今年からご案内を仰せつかった「音楽を楽しむ会」も、何とか予定通りのスケジュールをこなせそうです。
そんな折、図書館担当者のHさんから「2020年の計画をそろそろ」とメールが入りました。
ネコパパの胸算用としては、シリーズ「楽器の世界」は、継続。ヴィオラ、コントラバス、クラリネット、ホルンなど、まだ取り上げていない楽器もあるし、半分の6回分はこれでいけそう。
で、残りの6回は、2020年12月に生誕250年を迎えるベートーヴェンの特集。「楽聖」の足跡を年代順にたどって、代表作を紹介してみては…と考えていました。
ベートーヴェンの生誕250年というのは、ネコパパ個人的にも感慨深い。
1970年の生誕200年のときは、盛大でした。大阪万国博とタイアップした外来演奏家の来日ラッシュと重なりましたし、ネコパパがクラシック音楽に関心を持ち始めた時期でもありました。
TVの「NHKコンサートホール」でヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮NHK交響楽団のベートーヴェン交響曲チクルスが毎週放送されるのを楽しみに見ていましたし、初めてオーケストラの生演奏を聴いたのもあの年です。福村芳一指揮、名古屋フィルハーモニー交響楽団の、オールベートーヴェンプログラムでした。
準備を兼ねて、当時聞いた演奏の数々を可能な範囲で聞きなおしてみたい気がします。
ところがHさんから、メールで意外な提案が。
当図書館は2020年で創立40周年を迎えるので、11月あたりに本に関係した「文学と音楽」のような企画はできないでしょうか、とおっしゃる。
それは大きなテーマです。魅力的でもありますが、1回分ではとうてい、できそうにない。さて、どうすれば…
頭をひねった結果、一つのアイデアが浮かびました。
「文学と音楽」のテーマで、9月から11月まで3回分をやる。内容はクラシック音楽に特別なかかわりのある3人の作家を選んで構成する。その分、「ベートーヴェン」は内容を厳選して4回に減らす。
一通りの案を立てて、Hさんにメールを送ったところ、こんなご返事でした。
早速のご返答ありがとうございます。
やはりベートーヴェンは魅力的ですね。とても楽しみです。
40周年関連については、選定がすばらしいと思います。
どれも音楽と関係の深い作品が多い作家ですね。
回数も3か月分とっていただきありがたいです。
私としてはこの案でお願いできればと思います。
館長に確認後、また連絡させていただきます。
ありがとうございました。
…というわけで、とりあえず受け取っていただきました。
正式に決定したら、当ブログでも案内させていただきます。
さて、ここでクイズです。
ネコパパの選んだ文学に特別なかかわりのある作家、3人は、誰でしょう?
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コメント
おーっ、これは面白そうなテーマですねぇ。
みっち的に、すぐ思い浮かぶのは、トルストイ「クロイツェル・ソナタ」、ロマン・ロラン「ジャン・クリストフ」あたり、それにゲーテ「ファウスト」かなぁ。
ネコパパさんが何を選ばれるのか、興味津々です。(笑)
みっち
2019/10/31 URL 編集返信ゲーテでクラシックの大作曲家の作品を、
村上春樹で作品中に出てくるジャズなどの曲を、ボブ・ディランはノーベル文学賞受賞ということで選曲する。
おっと、これは私がやるんだったらというプランですね。
ちなみに私は村上春樹は好きではありません(キッパリ&笑)
不二家憩希
2019/10/31 URL 編集返信トルストイもロランもベートーヴェンと深いかかわりがありますね。
つくづく、文学への影響力が大きい作曲家でした。
ゲーテもベートーヴェンと親交がありましたが、貴族への態度をめぐって対立するカリカチュア的なエピソードが残っています。でも、みんな彼の詩で歌曲を書いています。当時の作曲家にとって、ゲーテはビッグネームだったんですね。
yositaka
2019/10/31 URL 編集返信おおっ、不二家さんもゲーテですか。歌曲や「ファウスト」がらみの音楽を取り混ぜれば、2時間は十分埋まります。取り上げるべきだったかなあ?
村上春樹は、クラシックでもいけます。彼の小説は…苦手な部分もあるけれど、エッセイの類は結構好きなんです。
ボブ・ディランは彼自身が優れた音楽家だから…クラシックとのかかわりもとっさには思い浮かばないですね。
yositaka
2019/10/31 URL 編集返信ネコパパさんの熟慮したテーマと選曲今から楽しみにしております。
チャラン
2019/11/01 URL 編集返信さてクイズの答えは、
1.野村胡堂 「銭型平次捕物控」で有名な作家ですが、「あらえびす」の筆名にて多くの音楽評論を書いています。
2.五味康祐 「柳生武芸帳」などで有名な作家ですが、「西方の音」など音楽随筆作品も多い。オーディオマニアとしても知られていました。
3.小林秀雄 文芸評論家ですが「モオツアルト」での「悲しさは疾走する」は有名なフレーズ。
というところですか。日本の作家・評論家でまとめて見ました。
koh da saitama
2019/11/01 URL 編集返信ヴェルレーヌはフォーレやドビュッシーの歌曲になりました。
サンセバスチャン
2019/11/01 URL 編集返信ハルコウ
2019/11/01 URL 編集返信コメントありがとうございます・娘夫婦と孫二人も埼玉県の住人、これも何かのご縁でしょう。
オーディオへの傾倒で名高い野村あらえびす氏と五味康祐氏に文学的な音楽評論の嚆矢と言える小林秀雄氏とは、そうそうたるメンバーですね。ま、
この三人ならそれこそ1年分は必要かと。しかし。
野村氏を扱うにはネコパパのSP収集では及ばず、
小林氏を扱うにはコメントの仕方が難問で、
五味氏に関しては、優雅独尊的な趣味の傾向にやや抵抗を感じるところもあって、いずれもネコパパの手には負えそうもありません。は今後の参考にさせていただきたいと思います。
yositaka
2019/11/04 URL 編集返信3人とも世界文学の有名人ですね。シェイクスピアは後世の作曲家が多く題材にしています。ヴェルレーヌはフランス近代音楽との関係が深く、ドビュッシーやフォーレが彼の詩につけた歌曲は、実はネコパパの愛聴曲です。
一方、バイロンという人はちょっと馴染みがないんです。ネコパパの文学嗜好はかなり偏っていますね。こんなんで「文学と音楽」なんてできるんでしょうか。不安になってきました。
yositaka
2019/11/04 URL 編集返信シェイクスピアを上げられたのはこれで三人目。ということは、この人の作品には誰もが「なるほど」と思う一般性があるってことですよね。
ゲーテの名も皆さん上げられますね。確かにたくさんの作曲家が彼の詩や劇を取り上げていますからねえ。私も「ファウスト」は頑張って読みましたし、グノーのオペラ「ファウスト」も好きな作品なんですが。
ワーグナーは…確かにあの巨大な楽劇にテクストを付けるくらいですから凄い文筆家ではあると思います。
yositaka
2019/11/04 URL 編集返信あと、プルーストは音楽愛好家で、自宅にカペー四重奏団を呼んだり、作品の中にはヴァントゥイユという作曲家を登場させていて、モデルがフォーレかフランクかと言われます。
サンセバスチャン
2019/11/04 URL 編集返信「イタリアのハロルド」は2月の会で取り上げる予定なので、バイロンについても触れることができそうです。
プルーストが個人的にカペー四重奏団を雇って演奏させた話は有名ですが、はたしてそれは事実なのか、確かめなければとずっと思っている間に時間が過ぎてしまいました。ネットでざっと見た限りでは、ガストン・ブーレの四重奏団が呼ばれたことは確実ですが、カペー四重奏団については、推測の域を出ないようです。プルースト作品は短編をいくつか読みましたが、「失われた時をもとめて」は未読。人生の残り時間を考えると、今後もちょっと読めそうにありません。
yositaka
2019/11/05 URL 編集返信トルストイは作曲もしていたんですか。知りませんでしたねえ。セルバンテスは「ドン・キホーテ」一冊でいろいろできそうですが、まあこれはR・シュトラウスかチェロ関係で…
「魔笛」は台本としては支離滅裂なところがありますけれど、現代的とも言えるかもしれません。でも台本作家シカネーダーは文学者というより山師でしょうね。ワーグナーもそうかもしれない。
yositaka
2019/11/05 URL 編集返信toyobero
2019/11/13 URL 編集返信大学時代に入り浸っていたS荘で『墓に唾をかけろ』のハヤカワ文庫をかじり読みしたことを思い出します。
「この世で2つだけ存在し続けるものは何か? それは可愛らしい少女と一緒にいて感じるような愛、そして、ニューオーリンズとデューク・エリントンの音楽だけである。それ以外のものはただ、ただ醜いだけなのだ…」
yositaka
2019/11/13 URL 編集返信