頭がギターでいっぱい

2019/ 10/ 29
                 
11月の「音楽を楽しむ会」は、楽器シリーズでギターを取り上げます。
それなりに音源は架蔵しているものの、まとめてご紹介するとなると試行錯誤の連続です。

まずは、ギターという楽器の起源からやってみたい。となると、ギターよりも古い楽器のリュート、ビウエラとの比較も必要かも知れない…と思ったら、なかなか面倒なことになりました。

ダウンロード

リュートは撥弦楽器の一種で、主に中世からバロック期(16世紀後半から17世紀初頭)にかけてヨーロッパで用いられた古楽器群の総称で、

Vihuela1842511.jpg

ビウエラ はルネサンス期、15世紀初めから16世紀半ばのイベリア半島、イタリアの一部と中南米で用いられたギターの祖先ともいえる弦楽器とのことです。

一方ギターはスペイン起源の楽器で、ヨーロッパ中世後期の楽器であるguitarra latina(=くびれた胴と4本の弦をそなえた楽器)をもとにして、16世紀初期に派生したものだそうです。

いずれも並行して用いられていたようで、ウィキなどの情報から類推すると、リュートが最も古く、リュートとビウエラは時期は重なるが地域が異なっている。そしてギターはビウエラが普及していたスペインを起源にしているようです。

チャランさんから、レナータ・タラーゴのビウエラ演奏を収録したLP「ビウエラとギター」(独Archiv)をお借りしたので、

428.jpg

その中の一曲、ルイス・ミランの「パヴァーヌ」を、アンドレス・セゴビアが現代ギターで弾いているパブリックドメイン音源と比較してみました。

 (2)

すると…なーるほど。音の違いがはっきりと聴き取れますね。


リュートとギターの比較には、うってつけの録音がありました。バッハのリュート作品全集。ナルシソ・イエペスがリュート、ギターそれぞれのヴァージョンで全曲録音していたのです。

リュート版は、Archiv。これは国内盤CDの一枚ものを架蔵していました。

100_UPC00028947975632.jpg

ギター版はDG盤です。こちらはLP。録音時期はリュート版が1972~73年、ギター版が1973年とあるので、並行してすすめていた企画のようです。

2019102912110902c.jpg

選んだのは「リュート組曲 ハ短調 BWV 997」から「フーガ」。楽器による音の違いは、これも明瞭に分かります。これだけで、随分時間を取ってしまった。


ギター特集ですから、近代ギターの名曲、タレガ、ソル、アルベニスの曲は一通り並べないと…と思ってあれこれ聞いていると、セゴビア、イエペス、ぺぺ・ロメロ、ジョン・ウィリアムズ、同じ曲でも、当然のことながら随分演奏スタイルが違うことに気づきました。タレガの「アルハンブラの思い出」など、演奏時間だけとっても、セゴビアとイエペスでは倍も違います。限られた時間で収まるように選曲するとなると、どれを取るか。迷いますねえ。


そんなこんなで迷いつつ選んでいるうちに、ギター・ソロだけでは変化がないな、と思い始めました。

後半はオーケストラ付きの「アランフェス協奏曲」全曲映像版を持ってくるからいいとして、前半も何かひとつくらいは、ソロでないものを入れて変化をつけたい。そこで思い出したのが、オーディオデモの会場に行くと必ず出てくる、あのCDです。ギル・シャハムとイエラン・セルシェルがパガニーニのヴァイオリンとギターのデュオ曲を演奏した「パガニーニ・フォー・トゥー」でした。

201910291225138fd.jpg

自宅ではあまり聴かないアルパムですが(ネコパパはパガニーニが苦手)、一度聴き出すと、これがまた、楽しいのです。ギターは、まあ伴奏ですが、ヴァイオリンソロの華麗さは耳のご馳走ですね。デモに取り上げられるだけあって録音も素晴らしい。これから1曲だけ選ぶなんて、難しいなあ。


チャランさんの「フラメンコ、どう?」という一言も気にかかります。でも、未知の分野にあまり手を広げるのは、と思い、レコードは借りてきませんでしたが、そういえば家にも、こんなのがあったな。

 (2)

クラシック演奏でも大家のペペ・ロメロ氏は、フラメンコギターの名手でもあったんですね。マーキュリーのボックスセットに含まれていた一枚で、1962年録音。実は聴くのは初めてだったのですが、これまた聞いていて血が騒ぐくらいの情熱的な快演でした。

こんなことをしているうちに、あっという間に二日、三日と過ぎてしまいます。ブログの更新も忘れている。

「ネコパパ、このごろ頭がギターになってるよ」とうとう、アヤママに言われてしまいました。





関連記事
スポンサーサイト



                         
                                  

コメント

今週のNHK”ラジオ深夜便”一時台は絵本作家の日替わりインタビューです。

ギターですか。
私はかつてはロック少年で(クラシックのギターなんてチマチマしていて聴けないな)と感じていて殆ど接してきませんでした。
今はオジサンとなり、(ホォ、クラシックギターも良いな)と思うようになりました。
パガニーニのギター曲は旋律が奇麗で良いなぁと思っています。



地味なようで滋味がある
不二家憩希さん
「絵本の力」シリーズですね。今夜は「ちびっこカムのぼうけん」の神沢利子さんのインタビュー。ご教示ありがとうございます。
不二家憩希さんはロック少年でしたか。なんとなくそんなイメージではないかと思っていました。
60年代後半というのは誰もがギターを持った時代で、仲間のほとんどが、上手下手はともかく、弾いていた気がします。私はまったく触りませんでしたが…

いわゆる大作曲家の作品もあまりなく、クラシック音楽の楽器としては今一つ地味な感じがしていました。でも、あらためて聴いてみるとなかなかいいんですね。
ブログを読んで久しぶりに聴いたのは、
押尾コータローのCDでした(笑)
村治佳織のCDが見つからないので、
(↑図書館に寄贈したかも)
これからネットで聴くわ。
ギターって伴奏とメロディが出来る上に、
お喋りも可能なので、
私のような下手な笛吹きには、
とても羨ましく映る楽器です^^)
ギターは小さなオーケストラ
ユキさん
押尾コータローさんはジャズギタリストなのかな?村治佳織さんは「アランフェス協奏曲」のDVDで登場していただく予定です。
ベルリオーズは「ギターは小さなオーケストラだ」と言っていますね。彼はピアノがあまり弾けず、ギターを使って作曲していたそうです。一度にたくさんの音が出せるところがいいのでしょう。

ユキさんは笛吹でいらしたんですね。笛を吹きながら「ハーメルンの笛吹き」の読み聞かせをされるのかも。
色々悩ませてすいません、ソロだけでなくギター二重奏のNONESUCH盤アサド兄弟によるダンゴ組曲(アストル・ピアソーラ)音の拡がり・リズム・ダイナミズム・・・私は好きですね。

メキシコ民族音楽の「マリアッチ」LPは・・・皆さんに引かれるので掛けませんでした。
原初的な魅力がある
チャランさん
「叩く」「はじく」は「吹き込む」「こする」よりも楽器として原初的ですからね。クラシックのカテゴリーに収まる曲に絞るのが今回は賢明と思います。
ペペ・ロメロはクラシック曲を演奏しても、フラメンコ奏者のノリを存分に生かしているのが魅力的です。
そこも含めて聴いていただきましょう。
ギター
おはようございます。

ご無沙汰してます。

ギター良いですね。

ぺぺのCDは私も有りました。

ポルトガルギター(第三の男で有名)もなかなか良いですよ。

ではでは
たっぷり勉強
yさん
お久しぶりです。ギターはあまり詳しくないので、今回はたっぷり勉強させていただきました。
ペペ・ロメロ、素晴らしいギタリストです。
ポルトガルギターは、ファドの伴奏で使われ、アマリア・ロドリゲスの伴奏ではすごい演奏効果を発揮しています。

「第3の男」のテーマに使われているのは、残念ながらそれではなく、オーストリアの民族楽器「チター」です。映画の最初の部分に楽器が出てきます。弦の数がすごく多くて、これも弾きこなすのが大変な楽器でしょうね。