音楽を楽しむ会・動物と音楽



2019年6月8日(土)、今回も無事開催されました。
ネコパパが講師を引き継いで、あっという間に6回目です。今回も、名古屋蓄音機クラブのみなさんや、先代講師の近藤先生にもお越しいただいて25名あまりの参加でした。今後もよろしくお願いします。
それでは、プレゼン原稿のご紹介です。

今月のテーマ 動物と音楽

おはようございます。
今日のお題は「動物と音楽」ということで、動物にまつわる名曲をお楽しみいただきましょう。動物と言っても多種多様ですが、最も多く登場するのは、なんといっても「鳥」です。あまりにも多くて、これだけでも一回分に収まらないくらい。
そこで思い切って、「鳥」を外して選曲してみました。「鳥と音楽」は別の機会にご紹介できればと思います。

♪ショパン ワルツ第4番 ヘ長調Op.34-3「子猫のワルツ」

作曲年:1838年
「華麗なる円舞曲」と題されたOp.34の3つのワルツの最後を飾る作品です。速いテンポの快活なワルツで、右手の細かく駆け回る音型は、「小犬のワルツ」を想起させるものがあり、そこから「子猫のワルツ」と呼ばれることもあるようです。
小犬よりもちょっとやわらかく、しなやかな音の動きは確かに「子猫」にふさわしいかも。

ショパン ワルツ第6番 変ニ長調Op.64-1「小犬のワルツ」

作曲年:1846年
ショパンの晩年に書かれたショパンの生涯最後のワルツです。
当時、ショパンと同棲していた詩人ジョルジュ・サンドが飼っていた小犬は、自分の尻尾を追いかけて、くるくる回るくせがありました。その様子を曲にしてほしい というサンドの頼みでショパンが作曲したのが「小犬のワルツ」でした。ところが、ショパンはこの作品を、別の恋人と憶測されているポトツカ夫人に献呈。サンドとの関係も破局が近い頃でした。
アルトゥール・ルービンシュタイン(ピアノ)
1963年録音



ルロイ・アンダーソン 「ワルツィング・キャット(踊る子猫)」

ルロイ・アンダーソン(1908年~1975年)は、アメリカの作曲家。ハーバード大学で作曲を学び、ボストンとニューヨークで編曲家として活躍。軽快でユーモラスな曲調の作品で、 “セミ・クラシック”という分野を確立しました。
この曲はワルツの旋律の中、猫の鳴き声をイメージした演奏が続き、最後には犬に吠えられて猫が逃げ出す様子が描かれています。



ルロイ・アンダーソン 「そりすべり」

1948年の器楽曲。後に歌詞もつけられました。クリスマスの時期によく流れる曲ですが、直接関係はなく、冬景色の中を馬橇に乗って楽しむ人々の様子が描かれ、最後は馬のいななきで締めくくられます。
このフェネルの録音は、ステレオ初期の名録音としても知られ、演奏も品格のある素晴らしいものだと思います。
フレデリック・フェネル指揮 イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ
1958年録音

♪リムスキー=コルサコフ 熊んばちは飛ぶ

1889年から翌年にかけて作曲されたオペラ『サルタン皇帝』に含まれる音楽で、主人公の王子が魔法の力で蜂に変身して悪役姉妹を襲う場面で使われています。ブルース・リーのデビュー作、テレビドラマ「グリーン・ホーネット」のテーマ曲にもなりました。演奏者のテクニックを示すために、様々な楽器に編曲されヴァイオリン、チェロ、トランペット、エレキギター、チューバで演奏された例もあるようです。
ユーリ・レイエントヴィチ指揮 ボリショイ劇場ヴァイオリン・アンサンブル
1976年録音

♪ハイドン 交響曲第82番「くま」より第4楽章

1786年作曲。
6曲からなる「パリ交響曲」のひとつで、このセットはマリー・アントワネットも熱心な聴衆だったほどの人気を博しました。フィナーレ冒頭の低音のリズムが「熊」という名のもとで、熊が踊る大道芸が当時あったそうですが、作曲者のネーミングではありません。ハイドンの職人芸がで集結した傑作で、だんだん迫力を増してくる低音リズムがいかにも熊っぽいですし、終わりそうで終わらない「じらし感」もハイドンらしいと思います。
鈴木秀美指揮 オーケストラ・リベラ・クラシカ 
2008年録音

♪ビゼー 歌劇「カルメン」より「闘牛士の歌」

「カルメン」は1875年に初演されたオペラで、ビゼー晩年の傑作。
純情な兵士ドン・ホセが妖艶なカルメンに奔走され転落するさまを描いた作品で、「闘牛士の歌」はカルメンがホセの次に恋する闘牛士エスカミーリョが歌うアリア。後半で、暴走する猛牛とパニックに陥る闘牛場のありさまが描かれています。
ヨセ・ファン・ダム(バリトン) ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1982年9月録音


★蓄音器コーナー★
♪ムソルグスキー 歌曲「のみの歌」 フョードル・シャリアピン(バス)1938年録音


♪シューベルト 歌曲「ます」  マリアン・アンダースン(コントラルト)1936年録音

歴史的な名歌手の歌唱を蓄音機で聴いていただきます。
シャリアピンは、大好評を博した日本公演の際に東京のビクター・スタジオで録音されたもの。これが彼の最後の録音になりました。
アンダースンは初の黒人歌手として、アメリカでは人種差別と戦いながらキャリアを築きました。そんな彼女をいち早く評価したのはイタリアやフランスの聴衆で、この「ます」も戦前パリで録音されたもの。後年の再録音とは違う、大きなテンポの変化をつけた表情たっぷりの歌唱が魅力的です。

シューベルト ピアノ五重奏曲「ます」より第4楽章

1819年作曲。
シューベルト22歳、第4楽章がさきほど蓄音機でお聞きいただいた歌曲『ます』の旋律による変奏曲になっています。メロディーだけでなく、水の中に現れては消える鱒が表現された印象的なピアノの音型も効果的に使われています。
作曲を依頼したのは鉱山技師パウムガルトナーで、彼はチェロの愛好家でもありました。コントラバスを加えた編成や歌曲『ます』の転用は、パウムガルトナーからの依頼だったそうです。
原曲の歌詞は、漁師が罠を使って水を濁らせ、魚を釣り上げるさまを歌ったあと、「男はこのようにして女をたぶらかすもの。若いお嬢さんは気をつけなさい」という寓意で締めくくられますが、シューベルトはこの最後の部分はカットしています。
アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)&フレンズ 
1994年録音


♪サン=サーンス 組曲「動物の謝肉祭」

1886年にチェリスト、ルブークの催す夜会のために作曲。
他の作曲家の楽曲をパロディにしていることや、プライヴェートな目的で作曲されたため、サン=サーンスは純然としたオリジナルである「白鳥」以外は出版しませんでした。

第1曲「序奏と獅子王の行進曲」
ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス
第2曲「雌鶏と雄鶏」
クラリネット、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ
第3曲「騾馬(らば)」
ピアノ2
第4曲「亀」
弦楽器がのユニゾンでオッフェンバックの『天国と地獄』の旋律を、わざとゆっくり演奏します。ピアノ、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
第5曲「象」
コントラバスが重い音でベルリオーズの『ファウストの劫罰』の「妖精のワルツ」、メンデルスゾーンの『夏の夜の夢』の「スケルツォ」を演奏します。コントラバス、ピアノ
第6曲「カンガルー」 
ピアノ2
第7曲「水族館」
フルート、グラスハーモニカ、ピアノ2、ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ
第8曲「耳の長い登場人物」 
サン=サーンスの音楽に嫌味な評価を下していた音楽評論家をロバに例えて皮肉ったものと言われています。ヴァイオリン2
第9曲「森の奥のカッコウ」 
自作のピアノ協奏曲第2番の第3楽章の一部から和声進行がそのまま引用。クラリネット、ピアノ2
第10曲「大きな鳥籠」
フルート、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス
第11曲「ピアニスト」 (Pianistes)
わざとへたくそに、ピアノの練習曲を弾く。ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス
第12曲「化石」
自作の『死の舞踏』の「骸骨の踊り」の旋律、ロッシーニの『セビリアの理髪師』の「ロジーナのアリア」、「大事なタバコ」「きらきら星」「月の光に」、「シリアへ行く」などのフランス民謡が組み合わされる。ピアノ2, クラリネット、シロフォン、ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス
第13曲「白鳥」
チェロ独奏曲として有名。生前の公開演奏と楽譜出版が許された唯一の曲です。チェロ、ピアノ2
第14曲「終曲」
オッフェンバックの『天国と地獄』のフィナーレの旋律に乗せて、今までの各曲の中の旋律が登場。ピッコロ、クラリネット、グラスハーモニカ、シロフォン、ピアノ2, ヴァイオリン2, ヴィオラ、チェロ、コントラバス

カティア&マリエル・ラベック(ピアノ) 
サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2005年6月26日ヴァルトビューネ・コンサート2005からの録画



♪「白鳥」(日本における初録音)

諏訪根自子(VN)ナディーダ・ロイヒテンベルク(P)による1935年録音。
これは、日本におけるこの曲の最初の録音で、「美貌の天才少女」と呼ばれたヴァイオリニスト諏訪根自子の、15歳の時のSP録音です。



諏訪 根自子(すわ ねじこ、1920年(大正9年)1月23日 - 2012年(平成24年)3月6日)は、日本の女性ヴァイオリニスト。可憐な容姿であったことから、国民的な人気を得て「美貌の天才少女」と一世を風靡したほか、ヨーロッパに渡ってベルリン・フィルハーモニー管弦楽団とも共演しました。

次回はこれです。ついでがありましたら、お立ち寄りください。




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コメント

コメント(12)
No title
こんにちは。
諏訪 根自子のSP盤、H29.5.26に
「音サロン・フォー~あなた~」で聴きました。
白鳥、タイスの瞑想曲も良い演奏でした。(^^♪

https://oto-salon.jimdo.com/音サロン-5月26日の曲/

tan*oi*y*n

2019/06/09 URL 編集返信

No title
諏訪根自子さん、私はこの方の苗字を”すわね”さんだと思っていました。かつての活躍ぶりは本で読んで知っていました。ですが、どこまでが苗字でどこからが名前かわかりません。それで”すわね”が苗字で自子が名前だと思っていました。では自子は何と読むのか?おそらく日本風に読ませる何か洒落た名前なのだと推測していました。
正しい読み方を知ったのは訃報記事を読んだ時です。
私はこうしたことが多いのです(汗)
まさかのねじこさんでした。(笑)

不二家 憩希

2019/06/09 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
> tan*oi*y*nさん
タイスの瞑想曲も素晴らしいですし、「荒城の月」なんかも録音していてなかなか良いです。「音サロン」でかけられたのは画像からすると、CDですかね。
SP盤は入手困難。オクに出てもかなり値が付きます。
最近はキングレコードから、SP新復刻のLP盤も新たに発売されています。
これは、音も良さそうなのですが、困ったことにちょっとしたレコードプレーヤーが買える値段なんですね。

yositaka

2019/06/09 URL 編集返信

No title
> 不二家 憩希さん
根自子さんとは確かに珍しい名前ですよね。由来が知りたいと思いましたが、検索をかけてもなかなか出てきません。
漢字文化の日本人は、読めないままでもあまり気にせず生活していて、たまに「発音」する機会があると思わぬ誤解に気づくことがあります。
その傾向は、グローバリズムが叫ばれる最近も、人名についてはますます顕著で、仕事場の学校でも子どもの名前が読みにくく、覚えにくいのにはいささか参ります。

yositaka

2019/06/09 URL 編集返信

No title
こんばんは。
なかなか良い企画ですね~~~ アンダーソンの曲は楽しい曲が多いですね。大好きです。
次回の企画もいいですね~~~!蓄音機が聴けるのもグ~~~
バッハの管弦楽組曲第2番から「バディネリ」などはいかがでしょうか・・・バッハの洒落た軽やかなフルートがいいな~~~

HIROちゃん

2019/06/10 URL 編集返信

No title
最初、古い空調設備のせいか?コントロール機器の電源にも影響しているようでしたね。
サン=サーンスの組曲「動物の謝肉祭」は、テーマ「動物と音楽」だけでなく「楽器の世界」としても楽しませて頂きました。
聴いていて演奏会場のベルリン ヴァルトビューネ(森の舞台)野外コンサート会場に行ってみたくなりました。
諏訪根自子さんのヴァイオリン「白鳥」チェロ好きの私には、たまりませんので「無伴奏」も聴きたいですね。

チャラン

2019/06/10 URL 編集返信

No title
近所に、こんなイベントがあれば、
毎回、出かけるんですけどね^^)
次回は、フルート。私が一番好きな楽器&音色。
今から選曲が楽しみです。

ユキ

2019/06/10 URL 編集返信

No title
> HIROちゃんさん
ありがとうございます。
アンダーソンはいろいろな題材で楽しい曲を多く作っています。「サンドペーパー・バレエ」や「タイプライター」など、紹介したい曲がたくさんあります。
バッハ「バディネリ」いいですね。候補曲に入れてあるのですが、フルートの曲は意外と数が多くて選曲に迷います。

yositaka

2019/06/11 URL 編集返信

No title
> チャランさん
そろそろ暑い季節になりそうなので、空調が心配です。
ラベック姉妹とラトルの「動物の謝肉祭」は大変スリリングな演奏で、曲のイメージを大きく変えるものがありました。N饗のコンマス篠崎史紀氏は「この曲こそサン・サーンスの最高傑作」と絶賛していますが、それが納得できる演奏だったと思います。ワルとビューネ、ぜひライヴで聞きたいものですね。日本の旅行会社もこれをメインにしたツアーを組んでいます。聞くのは無料ですが、場所取りが大変そうです。雨天決行、土砂降りの中でもやっていました。ヨーロッパの人は根性で聞きに来るようです。

yositaka

2019/06/11 URL 編集返信

No title
> ユキさん
そう言っていただけると嬉しいですね。励みになります。
フルートは名曲が多くて、1時間50分にどう収めればいいのか、困っています。

yositaka

2019/06/11 URL 編集返信

No title
ナイス❗👍

geezenstac

2019/06/12 URL 編集返信

No title
> geezenstacさん
ありがとうございます!

yositaka

2019/06/12 URL 編集返信

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プロフィール

yositaka

Author:yositaka
子どもの本と、古めの音盤(LP・CD)に埋もれた「ネコパパ庵」庵主。
娘・息子は独立して孫4人。連れ合いのアヤママと二人暮らし。

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